中西 灯

税理士法人ティームズ【社員税理士】中西 灯

簿記1級全国模試1位から社員税理士へ——「距離感の近さ」で築く信頼関係と組織改革の軌跡

フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。

本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと”ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。

士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。 ふらっとでは、そのプロセスを”探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、税理士法人ティームズ 中西 灯 氏に取材しました!

簿記1級全国模試1位から税理士へ——バイトから育った「事務所ひと筋」のキャリア

—— まずは、これまでのご経歴について教えてください。

中西:大学時代、簿記1級の講座で現在のティームズ代表と出会ったことが、今の道の始まりでした。本格的に勉強に打ち込み、第128回日商簿記1級の全国模試では1位を取ることができました。自分でも驚くほど成果が出て、「努力すれば結果につながる」という手応えを得た瞬間でした。

そのご縁で大学3年生の頃にアルバイトに誘っていただき、当時人手が不足していた事務所にそのまま入社する流れとなりました。気づけば今に至るまで他の事務所を経験せず、この場所で歩んでいます。

もともと子どもの頃は絵や書道が好きで、将来税理士になることなど想像もしていませんでした。高校の商業科、大学への簿記推薦進学も、深い理由があったわけではありません。卒業間近になっても就職先は決まっていませんでしたが、「うちで一緒にやらないか」と声をかけてもらい、それが大きな転機となりました。

入社当初はキャリアアップや独立といった明確なビジョンを持っていたわけではありません。でも、今では社員税理士として、税務・会計にとどまらず経営全般に伴走することにやりがいを感じています。

税務顧問を超えた存在へ——「距離感の近さ」が生む信頼関係

—— 現在の事務所の特徴はどこにあるとお考えですか?

中西:一言で言えば「距離感の近さ」ですね。若いスタッフが多くフランクな雰囲気なので、お客様とも自然に近い関係を築けています。

たとえば「マンションの壁紙、どっちが良いと思う?」なんて相談もあるくらい(笑)。でもそれも、経営に関わる意思決定に伴走しているからこそ。単なる税務顧問に留まらない存在でありたいと思っています。

もちろん、税金を正しく計算し、節税を行うことは大前提です。実際、お客様の倒産率も1%以下と非常に低い水準を保てています。これは会計・資金繰りの中で危険信号を早めに察知し、対応しているから。表面的な数値だけでなく、日々の対話や経営者の想いまで汲み取る役割をしっかり果たせているからこそ、お客様の事業を守れているのだと感じています。

大きな失敗が変えた組織——「従業員ファースト」の経営理念

—— 事務所では従業員のケアを重視されているそうですね。

中西:私たちの経営理念の一番上にあるのが、「従業員の心物両面の豊かさ」なんです。なぜなら、従業員が満たされていなければ、お客様に良いサービスを提供することはできないと考えているからです。

実は、私が入社してすぐに大きな失敗を経験していることが、この考えを深める契機となりました。当時は教育体制がなかったことにより内部での不満や退職者が相次ぎ、私もそれを解決する知恵が無かったため、結果的にお客様にも良いサービスを提供できない状態になっていたのです。その時にコミュニケーションの大切さを痛感し、事務所全体で変わるべきだという機運が高まりました。

そうして社内環境を整えていくことで徐々に組織としての柔軟性が育まれたと思います。実際に、フレックス制度や試験休暇、有給も取りやすく「自分の時間を大切にできる働き方」を実現しています。

相続分野への挑戦——事務所の新たな可能性を「探索」

—— 今後の事務所の方向性についてお聞かせください。

中西:注力したいのは「相続」です。その一環で行政書士法人も立ち上げ、申告だけでなく手続き全般を支援する体制を整えました。また、これまでの顧客は紹介が中心でしたが、今後はセミナーや他業種との提携強化などを通じて自ら集客できる体制を作りたいと思っています。

今後の展望としては、事務所の売上を毎年伸ばしていきたいですね。代表を筆頭に目標数値を設定し、成長戦略を考えています。代表と私だけでなく、管理職や勤務税理士なども一丸となって、事務所の成長を加速させるための実務知識・経営の勉強に取り組んでいます。トップダウンではなく、知識を持ち寄って成長に生かす柔軟性が私たちの強みです。士業の世界では「資格を取るまで給料が安い」という面があるかもしれませんが、従業員を大切にする事務所として給与水準を上げ、しっかり還元していきたい。みんなの給料が上がれば、それがより良いサービスに繋がり、結果として事務所の成長にも繋がると考えています。

「探索」の原点は目の前の違和感に向き合うこと

—— 「freee Advisor Day」に参加される皆さんに、メッセージをお願いします。

中西:私自身、明確なキャリアビジョンを持っていたわけではなく、目の前の縁や違和感に向き合いながら「これじゃダメだ」と思ったことを一つずつ改善してきました。そうした探索の積み重ねが今の柔軟な働き方やお客様との信頼関係に繋がっていると感じています。

「freee Advisor Day」は、そうした「気づき」のきっかけになる場です。他の士業の方の取り組みやテクノロジーとの出会いから自分の可能性を見つめ直せると思います。ぜひ、会場で自分だけの「探索のヒント」を持ち帰ってもらえたら嬉しいです。

先生のご紹介

中西 灯 [NAKANISHI TOMORI]

略歴税理士。税理士法人ティームズ所属。大学時代に簿記1級の講座で現代表と出会い、アルバイトとして事務所に加入。そのまま新卒で入社し、現在に至るまで税務・会計に加え、経営全般の伴走を支援する。新人時代の苦い経験から教育体制・コミュニケーションの重要性を痛感し、組織改革を推進。顧客との距離の近さを強みに、単なる税務顧問に留まらない経営に深く踏み込んだ支援で高い顧客満足度を実現している。今後は相続分野に注力し、働くメンバーの「心と経済の豊かさ」を追求する組織を目指す。

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