福井 大希

税理士法人DKKT 【 税理士/公認会計士】福井大希

「電卓」が拓いたキャリア 若手会計士が仲間と挑む可能性の探索

フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。

本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと“ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。

士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。

ふらっとでは、そのプロセスを“探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、税理士法人DKKT 福井大希 氏に取材しました!

「販促の電卓」から始まった、会計士の道

—— まずは、会計士を志したきっかけについて、教えてください。

福井: きっかけは、駅前で配られていた予備校のチラシです。「簿記3級講座を受ければ、電卓プレゼント」と書かれていて。その当時4000円ぐらいのちょっと良い電卓が欲しかった、ってだけで受講したんですよ(笑)。

実は、大学に入るまで会計士の存在すら知らなかったんですが、実際に簿記を学んでみたら面白くて。自分のように電卓目当てで集まった同世代の子たちと仲良くなって「じゃあ僕も会計士、目指そうかな」と、最初は本当にノリでした。

大学1年の夏から勉強を始めて、3年の11月に試験に合格。新卒で大手監査法人に入りました。当時は独立なんて全く考えておらず、「パートナーを目指します!」と宣言してました(笑)。

—— では、なぜ独立されたんでしょう?

福井: 監査法人に入った後、同じ大学・予備校・事業部の同期たちが、次々と独立していったんです。その姿を見て「このままでいいのかな」と思い、彼らが生き生きと働く姿に影響されて「自分も挑戦してみたい!」と考えるようになりました。

独立したメンバーとはもともと近しい関係で、全員が大学の同級生。しかも監査法人も一緒でした。5人中4人が高校からの仲間なんです。「1年で失敗したら戻ろう」と決めて、同時に監査法人を退職しました。上司には事前にしっかり挨拶して「失敗したら戻らせてください」とまで伝えていました(笑)。

初めてのミスが教えてくれた「向き合う力」

—— 独立後、印象に残っている出来事はありますか?

福井: 初めての申告業務ですね。右も左も分からないまま手探りで申告書を作成していたら初歩的なミスを見逃してしまって。通常、税務署からこちらに指摘が入るはずなのに、お客様の会社の担当者宛に直接連絡が行ってしまったんです。当然、お客様からは「どういうことだ?」と。

それで、スーツを着て当時のメンバーと謝罪に伺いました。その頃は謝り方すら分からなかったので、謝罪のマナーや再発防止の方法を自分で調べてまとめたものを資料として持参し、全力で謝りました。

今振り返って思えば、良い経験でしたね。ミスをした時の対処法が分かりましたし、何より「お客様と正面から向き合い、誠実な姿勢で対応することが信頼に繋がる」ことを学べましたから。

若手会計士ならでは提案力と対応力で成長企業を主体的に支援

—— 事務所の強みはどんなところにあると思いますか?

福井: 強みは3つあります。まずは「若さ」です。業界全体的に平均年齢が高いなかで、私たち29歳の会計士たちは、同年代の若手経営者とフラットに話せます。同じ目線に立ってお客様の悩みや不安を汲み取ることで的確なアドバイスを提供します。

次に「スピード」。対応の速さにはこだわっていて「業界随一」と自負しています。ご契約いただいているお客様の80%以上がスタートアップ企業なんですが、そういった成長を目指す企業を迅速かつ柔軟にサポートします。

そして、3つ目が「融資サポートの無料提供」です。創業融資の書類作成から交渉同席まで、顧問料の中でサポートしています。ニーズはそれほど高くないのですが、着実にノウハウを蓄積できているので、将来的には有料化も視野に入れています。

—— 経営の中で、大切にされている価値観を教えてください。

福井: 「提案力」と「対話力」です。記帳や申告だけの受け身な関係ではなく、補助金や融資の情報などをこちらから提案できる存在でありたいと思っています。

というのも、独立当初のお客様方に「税理士に一番期待すること」を伺った際、「提案」と即答されたのがきっかけです。それまでは「申告だけでも十分」と考えていましたが、ニーズに応えることが大事だと実感しました。それからは「お客様との対話を通じて本当に求められている価値を提供したい」と思うようになりました。

そういう意味では、顧客先の開拓・拡大も、受け身にならないように主体的に取り組んでいますね。現在40社ほどの顧問先を2026年5月末までに100社に増やしたい。その目標に向かって従来の紹介に加え、SNSやWebなども積極的に活用し、能動的に動いています。

「何とかなる」と信じて進もう

—— 最後に、読者へのメッセージをお願いします。

福井: 一歩踏み出すのが怖い気持ち、よく分かります。でも、やってみれば「何とかなる」んです。初めての業務も顧客対応も分からないなりに調べて動いてきました。

もちろん、トラブルやヒヤリとする場面もありましたが、「正しい」と信じることを「真面目に、誠実に」やり続ければ、必ず道は開けます。失敗を恐れず、自分なりの道を「探索」しながら、是非チャレンジしていって欲しいです。

先生のご紹介

福井大希 [FUKUI DAIKI]
略歴:公認会計士・税理士。大学在学中に簿記3級取得をきっかけに会計士を志し、新卒で大手監査法人に入社。同期の独立に刺激を受け、自身も監査法人を退職し独立。現在は、若手会計士ならではの強みを活かし、同年代の若手経営者の顧問契約を多数獲得。顧客への「提案力」と「対話力」を重視し、積極的に真の価値を提供し続ける。
所在地:東京都新宿区高田馬場4丁目30番5号
HP:https://dkkt-cpa.net/