アカウンティングフォース税理士法人 【会計士/税理士】加瀬 洋
「失ったもの」から気づいた、税理士という“職業”のその先
フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。
本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと“ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。
士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。
ふらっとでは、そのプロセスを“探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、アカウンティングフォース税理士法人 加瀬 洋 氏に取材しました!
「プロ野球選手を支える叔父」への憧れから士業の道に
——まずは税理士を目指されたきっかけを教えてください。
加瀬:親戚に税理士や会計士が多い家庭で育ちまして、自然と士業への憧れはありました。決定的だったのは、叔父の存在ですね。彼はプロ野球選手の税務顧問をしていて、ホームランでもらえるライオンズのぬいぐるみが、立派な家にずらっと並んでいたんです。
—— それは、野球少年にとって夢のような話ですね。
加瀬:当時の私には叔父が「すごい仕事をしている」ように見えて「税理士ってかっこいい」と思いました。そこから会計の道に進むことは、自然な流れでした。
大学時代は会計士を目指して勉強しました。お金がなかったのでバイトで学費を稼ぎつつ、ダブルスクールで猛勉強。遊ぶ余裕も就活もせずに「もう後戻りはできない」と自分を追い込んで、何とか合格でき、その後、監査法人とコンサルを経験し、独立しました。
—— 監査法人からコンサルに転職されたのは、何かきっかけが?
加瀬: 監査法人では「過去の検証」が中心だったんですが「未来をつくる仕事がしたい」と思うようになって。コンサルに転職後は「経営の最上流」に関われて、やりがいは大きかったです。
でも、35歳のときに「40歳までに自分の組織を持ちたい」と思って。そこから逆算して、「今やらないと間に合わない」と決断し、独立に踏み切りました。
「人と寄り添う」大切さに気づき、税理士に戻る決断
—— コンサルから税理士へと戻る決断の際、何かきっかけはあったんでしょうか?
加瀬: 当時、性格診断を受ける機会があって「目的志向が強いが、人の気持ちがわからない」と評価されたんです。自分が望んだ「ロジカルで合理的」になれた証拠でもあるのですが、同時に「何か大事なものを失ったのでは?」と引っかかりました。
—— なるほど。その違和感をどう解釈されたのでしょう?
加瀬: 僕、ゲームの「ドラクエ」が好きなんです(笑)。ゲームで転職するとステータスが変わるじゃないですか。何かを得ると、何かを失う。
「もしや、転職した自分は合理性を得て、優しさを失ったのでは?」と思ったんです。そして、自分にとって本当に大切なのは「人の心に寄り添うこと」だと気づきました。
ただ成果を出すだけでなく、お客様の人生に寄り添い、一緒に考える。そういう「人間的な営み」に自分は価値を感じていたんだと思い直し、税理士に戻る決断をしたんです。
お客様に貢献するために—— 税理士業務の枠を広げ、従業員の幸せを追求する
—— 現在、どのような挑戦をされていますか?
加瀬: 大きく3つあります。1つ目はfreeeを活用したクラウド会計の推進。2つ目はMAS(経営助言)の強化。3つ目は、コンサルティング部隊の育成です。それぞれが税理士業務の枠を広げる取り組みだと思っています。
—— それぞれの挑戦に共通するのは「探索」ですね。
加瀬: そうですね。新しいことを始めるのは簡単ではありませんが、小さな成功体験が周囲を動かします。クラウド会計も、最初の1人の成功がきっかけで組織全体に広まりました。そういう変化の連鎖を起こすのが、僕の役割かもしれません。
—— その挑戦を実現するうえで、事務所が大切にしていることは何でしょうか?
加瀬: 「全従業員の物心両面の幸福の追求」を理念にしています。給与や待遇だけでなく、やりがいや自己実現といった「心」も満たすことを大切にしています。
従業員には「変わらない価値を高めよう」と伝えています。テクノロジーの習得も大事ですが、人としての誠実さ、素直さ、笑顔――そういった普遍的な価値を磨くことが、結果的にお客様にも伝わると信じています。
—— その理念は独立当初からあったのですか?
加瀬: いえ。仲間と議論を重ねる中で、育てていったものです。「お客様に貢献するには、まず私たちが幸せでなければならない」という共通認識ができたことが大きかったです。
「人に寄り添う専門家」をともに目指そう
—— 最後に、freee Advisor Dayに期待すること、読者へのメッセージをお願いします。
加瀬: fADは、業界の枠を超えて「ともに可能性を探索できる」貴重な場です。freeeの方々や同業の仲間と出会い、互いに刺激し合えるのを楽しみにしています。
また、私たちの理念や考え方に共感し、「業界を一緒に変えていきたい」と思ってくれる方に、ぜひお会いしたいです。税理士という仕事の枠を超えて、「人に寄り添う専門家」を一緒に目指していきましょう。
先生のご紹介
加瀬 洋 [KASE HIROSHI]
略歴:公認会計士・税理士。監査法人、戦略コンサルティングファームを経て、税理士法人を共同経営。クラウド会計を活用した業務効率化や経営コンサルティングに強みを持つ。少年時代の「税理士への憧れ」を原点に、顧客の課題解決にとどまらず、全従業員の幸福を追求する組織づくりを実践。専門性と人間的魅力を両立させ、変化の時代に「原点」に立ち返る強さを持つことを目指す。
所在地:東京都千代田区西神田3-1-6
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