
小林会計事務所 【会計士/税理士】小林 紀輝
介護企業勤務を経て、祖父の志と事務所を継いだ若き士業の探索の軌跡
フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。
本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと「ともに未来の可能性を探索し続ける場」として開催されます。
士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。
ふらっとでは、そのプロセスを「探索の軌跡」として掘り下げるインタビュー企画として、今回、小林会計事務所 小林 紀輝 氏に取材しました!
介護の現場から会計の道へ——地域密着型の会計士の原点
——まずはご経歴と、現在の取り組みについて教えてください。
小林:小林会計事務所は、祖父が1984年に長野県で設立した事務所で、私は2024年に三代目として事業を承継しました。現在は私を含め5名体制で、法人・個人問わず、税務申告や記帳代行を中心に業務を行っています。
——税理士を志したきっかけは何だったのでしょうか?
小林:新卒で入社したのは、介護事業会社でした。そこで高齢者の方と関わる中で「介護にはお金がかかる」「相続の不安が大きい」といった声をたくさん耳にしたんです。ただ、福祉の現場からは踏み込めない領域でもあり、次第に「もどかしさ」を感じるようになりました。
「もっと深く力になれる方法はないか」と考えるようになり、辿り着いたのが税理士という道。そこで仕事を1年休職し、集中して学び、公認会計士試験に合格し、その後、監査法人で勤務しました。
—— 1年で会計士試験に合格とは驚きです!ちなみに、ご出身は事務所の所在地の長野ではないとお聞きしましたが…?
小林:生まれは栃木で、育ちは東京ですが、父方の実家が事務所のある長野なんです。祖父の影響もあり、長野への親しみはずっと持っていました。
「祖父の事務所を継ぎたい」迷いなく選んだ事務所の再構築という道
—— 東京の監査法人で経験を積まれた後、2024年に長野の事務所を承継、という流れですね。東京から長野へ戻る決断に迷いはありませんでしたか?
小林:祖父が亡くなったことが転機でしたが、抵抗はなかったです。当時は独身でしたし、「祖父の築いた事務所を継ぎたい」という思いも強くありました。
ただ、いざ継ぐとなると課題は多く、長年勤めてくださっていたベテラン職員の方々の退職や「昭和スタイル」の業務フローの見直しなど、日々奮闘しています。
—— 再構築中の「これからの事務所」の指針を、一言で表すと?
小林:「地方を明るく元気にする」ことです。企業が元気であれば、地域も活性化します。私たち会計事務所は、その土台を支える存在であるべきだと思っています。
DXや事業承継支援を通じて、経営課題に寄り添い、ただの税務の「外注先」ではなく、お客様の「伴走者」でありたい。お金のプロとしてだけでなく、人と企業をつなぐ存在を目指しています。
—— その思いの原点には、やはりお祖父様の存在があるのでしょうか?
小林:はい。祖父は常に「資格を持った人間こそ、地方で力を発揮すべき」と語っていました。祖父とはスタイルは違いますが、想いは同じ。これからの40年も、祖父がつくった土台を大切に、地域とともに歩んでいきたいです。
DXと事業承継支援の2軸で、地域とともに進化する
—— 今、税理士として、特に「探索」されている取り組みについて教えてください。
小林:一つは「DX」です。昔ながらの電話・郵送中心のやりとりを見直し、クラウド会計を活用して業務を効率化しています。これにより、職員の働きやすさを高めると同時に、お客様への提案の質も上げていけると考えています。
もう一つが事業承継の支援。自分自身が事業を継いだ経験があるからこそ、地域の企業の「次世代へのバトン渡し」に寄り添いたいと思っています。
—— 長野でも、企業へのクラウド会計の導入は進んでいるのでしょうか?
小林:はい、以前よりも要望が増えていますね。たとえば「親会社がクラウドを使っているから」といったケースもありますし、地方であっても、クラウド会計という時代の波は確実に来ていると感じます。
「新しい気づき」と「仲間との出会い」の場で探索しよう
—— 最後に、freee Advisor Dayに向けて、読者へのメッセージをお願いします。
小林:独立や承継には、不安も葛藤もつきものです。でも、自分の中に「こうしたい」という思いがあるなら、挑戦してみる価値はあると思います。
私自身も、日々「探索」の連続です。freeeの導入だってまだ手探りの部分が多い。だからこそ、fADのような場で他の先生方と学び合えることに、大きな意味を感じています。
このイベントが、皆さんにとっても「新しい気づき」と「仲間との出会い」の場になれば嬉しいです。ぜひ会場でお話ししましょう。
先生のご紹介
小林 紀輝 [KOBAYASHI NORIKI]
略歴:公認会計士・税理士。祖父が長野県で設立した会計事務所の三代目として、2024年に事業を承継。新卒で介護業界に入り、「お金と相続」の課題に直面したことをきっかけに税理士を志す。1年間の休職期間を経て公認会計士試験に合格。DX推進や事業承継支援に注力し、お客様の「伴走者」として地域経済の活性化の貢献を目指す。
所在地:長野県諏訪市大字中洲5912
HP:https://koba-kaikei.tkcnf.com/