![境 裕介 [SAKAI YUSUKE]](https://zeirisee.so-labo.co.jp/U39/wp-content/uploads/2025/08/ID36.png)
ソルビス税理士法人 【税理士】境 裕介
「お客様のために自分が一番、動く」銀行員を経験して独立した税理士の探索の軌跡
フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。
本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと“ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。
士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。
ふらっとでは、そのプロセスを“探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、ソルビス税理士法人 境 裕介 氏に取材しました!
税理士になると決めて、銀行に入った──中小企業支援の道を逆算で描く
——まずは、これまでのご経歴と現在の活動について教えてください。
境: 大学生の頃から税理士を志しました。僕は少し変わった経歴なのですが、就職活動の際に将来の自分の理想の税理士像を考えたんです。その時に、経営者に信頼される税理士になるには、会社経営をする上での金融リテラシーや銀行の目線、また経営者と税理士の関係性を現場で肌感覚をつかむことが、とても重要に感じました。
ファーストキャリアは銀行に入行しました。自分の見立ては合っていて、そこでは社会人としての根幹を育てていただいたほか、その後の人生の大きな軸になるような経験もありました。
結果、銀行で4年、その後税理士法人で4年経験を積み、30歳で独立しました。現在はソルビス税理士法人を運営し、顧問先は60社、解約率0%の実績を誇っています。
——大学生の頃、税理士を目指すきっかけになるような出来事があったのでしょうか?
境: 大学2〜3年生の頃、故郷の富山に帰省するたび、かつて賑わっていた商店街がいわゆる「シャッター街」に変わっていく様子を見て胸が痛み、「中小企業や小さな会社を守る仕事をしたい」と強く思ったんです。調べるうちに税理士が経営のパートナーになる存在だと知り、その道に進もうと決めました。
もちろん、税理士ってそう簡単になれるものじゃないです。銀行員として働きはじめた後も、週末は資格の学校の通信講座で勉強しました。同期が遊んでいる中、電車や早朝に理論を詰め込む毎日でしたが、この苦労が独立後の支えになっています。
「お客様ファースト」の姿勢が事務所を導く
——独立1年で顧問先60社、解約率0%という結果を出した事務所の根底には、どんな特徴があるでしょうか?
境: 何よりも「お客様ファースト」を実践したことですね。この考えの根底には銀行員時代の原体験があります。大阪府北部の地震の被害を受けた顧客へ「真っ先に安否確認すること」という上司からの指示に対して、当時の自分は、期日が迫っている業務を先に優先させてしまい、お客様への連絡を後回しにしました。夕方になって、お客様に連絡を入れていないことが発覚すると上司から「お客様のことを自分事として捉えられていない!大切なお客様のこと、なぜ気にならないんだ。お前がこの会社の担当じゃないのか?」と、厳しく指導され、自分自身ハッとしました。たしかに、自分の都合に合わせて連絡をする関係で、誰が心を開いてくれるでしょうか。
「中小企業や小さな会社を守る仕事をしたい」そう思って銀行員になったのに、いま、自分は何をしているんだろう。深く反省しました。
それからは、今でも「お客様ファースト」の姿勢が根付いています。顧客をほかの誰よりも大切にすることが信頼につながり、それが解約率0%という結果にも表れてるのではないかと思っています。
——実際、その精神を徹底させるため、スタッフの皆さんにはどんなことを伝えていますか?
境: 「お客様のために自分が一番、動く」という意識を全員に持ってもらうことですね。銀行時代の厳しい経験も伝えています。時には怒られたり、厳しい言葉も浴びましたが、それを超えて徹底したお客様対応の姿勢を持つことが大事だと思っています。
AI導入で切り拓く、新たな士業のカタチ
——今後、特に「探索」を深めたいことは何でしょうか?
境: AIの活用を「探索」したいと思っています。日本一のAI活用税理士法人を目指し、AI専門担当者を新たに採用しました。上場企業でAI推進を担当していた方で、会計業務の自動化や効率化をどこよりも進めています。
スタッフの業務がAIで代替され、人の雇用を最小限にしながら多くのお客様を支援できる体制が理想です。AIはもはや敵ではなく、パートナー。事務所の成長に不可欠な存在になるでしょう。
——AI時代における税理士の価値は、どこにあると思われますか?
境: AIにはできない「安心感を与える存在」であり続けることだと思います。高度な知識はAIに任せ、人間だからこそできる対面コミュニケーションや信頼関係の構築に注力すべきです。
そのため、銀行員時代の「ロールプレイング」を取り入れ、お客様対応のトレーニングを徹底しています。言葉遣いや立ち居振る舞いまで実践的に磨くことで、お客様に安心感を届けています。
士業の未来を「自分ごと」として探索しよう
——freee Advisor Dayへの期待と、読者へメッセージをお願いします。
境: 初参加なのでとても楽しみです。業界の最新動向やAI活用の温度感を直接感じられる貴重な場だと思います。士業がこれからどの方向に進むのか、未来を「自分ごと」として探索する機会にしたいです。
独立して実感するのは「税理士は、お客様から直接信頼や感謝をいただける貴重な仕事だ」ということです。試験勉強や日々の業務で苦労も多いと思いますが、その先には想像以上のやりがいや魅力が待っています。読者の方も、ぜひ自分の可能性を信じて、一歩踏み出してほしいです。
先生のご紹介
境 裕介 [SAKAI YUSUKE]
略歴:税理士。大学生の頃から税理士を志し、銀行で4年、税理士法人4年の経験を積み、30歳で独立。現在はソルビス税理士法人を運営。顧問先60社、解約率0%を誇る。「お客様ファースト」の精神を徹底。AI活用で業務効率化を進め、日本一のAI活用税理士法人を目指す。AIにできない「安心感を与える存在」として、顧客との信頼関係構築に注力している。
所在地:大阪府大阪市北区梅田1丁目3番1-400号
HP:https://www.solvis-tax.com/