小杉 一郎

税理士法人シンクバンク 【代表 税理士/社会保険労務士/行政書士】小杉 一朗

「自分だからこそできることで、周りにいい影響を」東京に事務所移転した士業の探索の軌跡

フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。

本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと“ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。

士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。

ふらっとでは、そのプロセスを“探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、税理士法人シンクバンク 小杉 一朗 氏に取材しました!

素晴らしいお客様と従業員に支えられてこその成長

—— まずは、これまでのご経歴と現在の事務所について教えてください。

小杉: 実家は福井県で、祖父の代から続く税理士事務所でした。大学卒業後、すぐに家業には入らずに、13年ほど戦略コンサルティングファームのコンサルタントや大手飲料メーカーのマーケティング担当などをしておりました。サラリーマンとして勤務する中で私自身が仕事の上で大切にしたいと考えるようになった想いや父の年齢や健康状態の変遷もあり家業を継ぐことを意識し始めました。

そこから2年間、実家の事務所に勤務しながら並行して受験勉強を進め、2年目の受験で保険をかけて挑んでいた科目も無事に合格となり7科目に合格と相なり、税理士資格を取得したのち、家業を引き継ぐと共に東京にも事務所を新設して現在の状況となります。現在は「税理士法人シンクバンク」として、税務顧問に加え、社会保険労務士・行政書士業務もワンストップで提供しています。スタッフは30名を超え、多様なニーズに対応できるまでになっております。

—— 東京でのスタートにあたり、変化はありましたか?

小杉: 事務所として大きな方針転換はしていません。基本方針として、お客様には適正価格で高品質のサービスを提供し、従業員には業界平均より高めの給与を支給、利益は会社に残すことは考えておらず「儲かったら還元する」。従業員の昇給の他、個々人の研鑽、組織としてのプロセス・システム構築、新サービス開発への投資に利益を充てています。結果的に、当社にとって最も大切な存在であるお客様と従業員に対して、より大きな貢献が実現できるようになってきています。

サラリーマン時代、大企業でやることにも意味はありましたが仕組みが完成していました。「自分ではなくても回る仕事」に注力するよりも、「自分だからこそできることで、かかわった人を幸せにしたい」という想いから独立を決意しました。今も自分だからこそできることで「周りにいい影響を与える」という想いは変わらず持っています。

—— 規模が拡大する中、何かしらの壁にぶつかることはありましたか?

小杉: 開業初期に新規顧客を急激に増やしすぎて、従業員や社内体制を整えるのと同時並行で2年間で200社程の顧問先を抱えました。まだ体制が整っていない中で従業員には過分に負荷が高まり、離職者も出てしまって…そこからは採用と教育にじっくり時間をかける方針に変えました。

採用についても、とてもこだわりを持って進めています。経験者にこだわらず、未経験の方であっても、素直で吸収力が高く、穏やかで粘り強い方々に入社していただいています。結果的に東大・一橋・早慶のような有名大学出身者が多いですが、学歴で選考しているわけではなく、実際に様々な経歴の方が入社されています。複雑な課題にも的確に対応し、優れた視点やアイデアで、より付加価値の高い提案と円滑な連携が図れるような人たちです。能力が高い人材の集団ではありながらも、採用基準の「人柄採用」は徹底しています。これがシンクバンクの競争力の源です。

ITと人材の力で「探索」する事務所づくり

—— ITツールの導入や業務効率化の取り組みについても教えてください。

小杉: 東京に来たタイミングで、freeeをはじめとするクラウド会計ソフトを導入しました。新規のお客様が複数社freeeを使用されており、それに対応するため東京事務所ではすぐに導入してみました。過去の使い慣れたツールもある中で、最初は新たなツールの導入で試行錯誤がありましたが、現在ではfreeeに集約を進めています。他ツールとの連携がしやすく、タグ管理や決済情報の取り込みなど機能面も充実しているところが魅力ですね。

他にも、情報共有やタスクの見える化を図っています。また、お客様の経理業務自体を巻き取って自動化する取り組みも開始しました。税務では法人・個人・相続などの通常分野に加え、国際税務(移転価格税制・グローバルミニマム税制含む)、研究開発税制、グループ通算税制、ベンチャー向け資金調達関連税制などへの対応も行っています。さらに会計・税務のみならず、BPO支援、経営管理、原価管理、補助金・助成金支援、融資支援、M&A支援、IPO支援などの分野でワンストップ対応もできる体制を整えており、様々な分野で複数の適切なツールを組み合わせることで、今後さらなる進化を目指しています。

—— 社労士や行政書士の資格もお持ちですが、どういう経緯で?

小杉: お客様から「社会保険や労働保険、労務問題」や「助成金申請」についてのご相談を頂いたことがきっかけです。お客様がお困りであればご支援しなければならないという想いで、社労士の資格を取得しました。行政書士も、建設業許可や補助金申請などのニーズに応える形で資格を取得・登録しました。そのようにお客様のお困りごとから、自然と広がっていった形です。

—— 今後、どのような分野で「探索」していきたいですか?

小杉: 「効率化された仕組み」と「高度な専門性」について、もっと「探索」したいです

AIの登場により、会計業界は今後、変革を余儀なくされるのではないかと思います。だからこそ、「効率化された仕組み」と「高度な専門性」が不可欠だと考えております。低付加価値業務を限りなく自動化しつつ、高度な専門性を有するプロフェッショナルがその持てる時間を余すことなくお客様にご提供することを通じて、お客様からの信頼を得つつ、その領域をさらに広げていきたいと考えています。

fADは未来の可能性を広げる「外」の世界

—— 最後に、freee Advisor Dayに期待すること、読者へのメッセージをお願いします。

小杉: freee Advisor Dayのような場は、まさに「ともに探索できる場所」だと思います。業務の効率化や新しいツールの使い方を知る機会にもなりますし、視野を広げるきっかけにもなります。

業務に追われていると、つい「今のまま」でいきがちですが、少し立ち止まって外の世界を見てみるだけで、自分や事務所の可能性は大きく広がります。ぜひ一緒に、会計業界の未来を探索していきましょう。

先生のご紹介

小杉 一朗 [KOSUGI ICHIRO]
略歴:税理士・社会保険労務士・行政書士・通関士有資格者。実家のある福井県で開業後、東京にも事務所を新設し、税理士法人シンクバンクを設立。税務顧問に加え、社労士・行政書士業務もワンストップで提供。30名以上のスタッフを率い、自身の行いが、いかに「周りにいい影響を残すか」という信念のもと顧客への高品質なサービスと従業員への物心両面の幸福を追求。ITツールや人材の力を活かし、業務効率化と高付加価値業務の提供を通じ、会計業界の未来を探索し続ける。
所在地:東京都新宿区四谷4丁目32-4
HP:https://thinkbank-tax.com

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