アカテラス税理士事務所 見上 雄一朗 先生

アカテラス税理士事務所 【税理士】見上 雄一朗

「消去法」から始まった独立——freee特化の“ひとり税理士”の探索の軌跡

フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。

本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと“ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。

士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。

ふらっとでは、そのプロセスを“探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、アカテラス税理士事務所  見上 雄一朗 氏に取材しました!

 異色のキャリアを経て、freee専門の“ひとり税理士”に

——まずは、これまでのご経歴と、現在の活動について教えてください。

見上:私は現在、東京都荒川区で税理士事務所をひとりで運営し、freee専門の税務顧問サービスを提供しています。

経歴としては少し変わっていて(笑)高校中退後にいろんな仕事してみようと、飲食店やガソリンスタンド、携帯販売ショップ、家電量販店などいろんなアルバイトを転々としながら、傍らでパチプロとして生活していた時期もありました!(笑)その後いくつかの仕事を経験し、26歳のときに「税理士になろう」と決意しました。

——それはまた、異色ですね。税理士を目指そうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

見上: アルバイト生活を続けていた時代、コンビニのフランチャイズで独立してみようかなぁと検討していた時期がありました。お給料をもらいながら実際の店舗での運営研修制度があって。独立まで導いてくれるものだったので、1年間くらい実店舗で運営実務経験を積んでいた時があります。いよいよ独立のための店舗候補が案内され始めたくらいの時に、本部から新米経営者に店舗運営業務以外の必要な作業として、「確定申告は自分でやるんですよー。」という案内がありました。

確定申告がどういうものかの説明はあったものの、内容についてまったく分からずで。かつ、様々なルールがありながら、いろいろと煩わしいことだけ理解した記憶があります!!(笑)調べていくうちに、税理士という職業を知り、お仕事の魅力と資格取得の大変さが分かるわけなんですけど。コンビニの独立はやめて、「税理士試験に挑戦しよう」と決め、そこから簿記を学びはじめました!!

繰り返した離職と孤独の中での独立の決意

——独立に至ったきっかけは何だったのでしょう?

見上:独立についてだけを正直にいうと「消去法」でした。勤務していた事務所で働き方や人間関係に悩み、「どこへ行っても同じなら、自分でやるしかない」と。覚悟をもっての決断でした。

—— 税理士事務所の勤務時代、どんな壁や課題があったのでしょう?

見上: 実務の壁、業務の壁、コミュニケーションの壁、「壁」はたくさんありました(笑)

最初に勤めた税理士法人では、情けない話ですが全然業務についていけず、残業続きで体力的、精神的に限界でした。試験に受かっただけでは実務に敵いませんでした。次のスタートアップ支援を得意とする税理士事務所では、前職での実務経験を活かし、様々な業務を経験させていただきました。その分、残業も多くなってしまい体力的に非常にきつかった覚えがありますが、この経験が今の私のベースになっているのも事実です。この記事をご覧の先生方の中にも同じようなご経験がおありの方は少なくはないと思いますが、私もその一人でした。税理士資格取得の勉強も並行しながら働くことは想像以上に大変で、勉強時間を確保するために事務所を退所して専念していた時期もあります。

疲れ果て地元に戻って、しばらく飲食店のアルバイトなどをした後、地元に事務所があった大手の税理士法人に再就職しました!配属された事務所では、長年現場をこなしている実務担当と新米有資格者達との間で摩擦があり、、、組織の評価制度上の摩擦も多分に手伝い、実務担当から仕事を振ってもらえず、最終的には毎日、ただPCの前に座って税務の本を読んでいるだけの日々みたいな時期があったこともあります。前任にも同じような状況があったことは知っていたので、自責として、事務所の先輩としてもっと敬意を示しながら関係値を築くような相談の仕方や仕事の進め方が他にあったかなとか、理解を頂けるような関わり方もあったのではと、やり方に問題があるだろうと。

税理士を目指したきっかけに、「煩わしいルールを意味が分かるように伝える。」これに価値をずっと感じていて。携帯販売の仕事をしていた時にも、キャリアごとに微妙に違うプランや縛りを理解しながら、ご利用される方の課題や大事にしたいこと(機種、電波、料金)を理解したうえで最良の提案をしていた時、お客様からすごく喜んでいただき、自身としても価値を感じていました。

実際にコンビニ経営者の入り口に立とうとしてやめた時、煩雑で分かりずらいルールに自身が向き合わないといけなかったあの時の自分を導くような存在になるべく目指した税理士でした。「ひとりで独立するしかない」と腹を括りました。

「やらないこと」を決めて、効率と信頼を両立

——大変な中での独立を経て、現在はfreeeに特化されていますが、どんな「探索」があったのでしょうか?

見上: freeeは直感的で操作性が高く、お客様にも好評だったので「ここを突き詰めよう」と決めました。おかげでfreeeの5つ星アドバイザーにも一人で到達できました。特化することで、知識も深まり、サービスの質も上げられます。

効率化も徹底していて、チャットワークを連絡の基本にし、電話やLINEは使いません。納付方法などをマニュアル化し、紙の納付書の送付などは一切行わず、お客様ご自身でネット上で納付の対応をしてもらっています。最初は「負担をかけてないか」と不安もありましたが、「丁寧に教えてくれてありがとう」と言ってもらえることが多く、喜ばれています。

AI時代の税理士のスタイルを模索したい

—— 今後のビジョンや、新たな挑戦について教えてください。

見上:今、注目しているのは「AIとの共存」です。税務相談の一部でAIを活用すれば、検索や調査にかかる時間が大幅に短縮できます。とはいえ、私自身もまだAIに詳しいわけではないので、今後は同じような税理士仲間と「AI勉強会」を立ち上げたいなと考えています。

コードが書けない人でも、実務でAIをどう活かせるか、そんなリアルな課題を共有できる場にしたいですね。みんなで試し、学び合いながら、新しいスタイルを探っていければと思っています。

「これまで」は関係なく、ともに「これから」の探索を

—— 最後に、Freee Advisor Dayへの期待と、読者へメッセージをお願いします。

見上: Freee Advisor Dayでは、AIやクラウド活用を実践している先生方の、具体的な事例を見たいですね。「どう学んで、どう使ったのか」が見えると、実践に繋がります。

私は高校中退、アルバイトを転々としたり、組織内での立ち回り方に苦慮するなど、決して順風満帆な経歴ではありません。でも、freeeに特化して効率化を突き詰めることで、今では一人で60社以上を担当できるようになりました。

freeeの導入や効率化に悩んでいる方、一人で抱え込まず、ぜひ気軽に相談してください。私の経験が、少しでも皆さんの「探索」のヒントになれば嬉しいです。ともに学び、支え合う仲間として、可能性を広げていきましょう。

先生のご紹介

見上 雄一朗 [MIKAMI YUICHIRO]
略歴:税理士。高校中退後、パチプロ等など異色のキャリアを経て26歳で税理士を目指す。消去法で独立を決意し、freee専門の“ひとり税理士”として活動開始。効率的なやり方を追求した結果、顧客からの信頼を得て、freeeの5つ星アドバイザーに。現在、AI活用にも意欲的に取り組み、税理士の新たな働き方を模索中。
所在地:東京都荒川区東日暮里6-5-14
HP:https://www.akaterrace.tax

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