ふらっと×FAD インタビュー企画

林公認会計士事務所 【公認会計士/税理士】林 倫敦

社外CFOとして経営者の“思い”に寄り添う会計士の探索の軌跡

フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。

本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと“ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。

士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。

ふらっとでは、そのプロセスを“探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、林公認会計士事務所  林 倫敦 氏に取材しました!

「簿記のピラミッド」を知って会計の道へ——監査法人勤務、渡米、帰国後に独立へ

—— まずは、これまでのキャリアと現在の活動について教えてください。

林: こちらこそ、よろしくお願いします。現在は林公認会計士事務所として、企業の社外CFO業務を中心に、財務面からの経営支援を行っています。キャリアのスタートは、大学卒業後に入社したあずさ監査法人です。約7年間勤務したのち、妻のアメリカ駐在に帯同して渡米して休職、帰国後の2023年に独立しました。

—— 会計士を目指されたきっかけは、どんなことだったのでしょう?

林: 高校3年生のときに、たまたま友人に誘われて受けた簿記3級の講座が出発点です。それまで会計士という職業を知っていたわけではなく、講座の中で「簿記のピラミッド」の話を聞いて「その頂点に立つ会計士って、なんか格好いいな」と思ったのが最初の動機です。

実は私には音声障害があり、面接で自分の名前を言うのに時間がかかってしまうなど、就職活動に不安がありました。でも「資格があれば評価される仕事」であれば、ハンデを乗り越えられるのではと感じたんです。それが、会計士という道に進む大きな決め手になりました。

「働きがい」と「限界」の間で——立ち止まって考える機会を得た2年のアメリカの滞在

—— 監査法人ではどんな日々を過ごされましたか?

林: 本当に充実していました。働くことが楽しかったですし、「バリバリ働く会計士になりたい」という思いにも近づけていた。休日も仕事のことを考えるほど没頭していました。

—— そこから独立に至るまでに、何があったのでしょうか。

林: 大きかったのは、アメリカでの2年間ですね。妻の駐在に同行する形で会社を休職し、初めて「立ち止まる時間」ができました。仕事を離れたことで「自分がこれからどう生きたいか」を本当に考えるようになったんです。

現地で日本人会計士・小山晃弘さんのYouTube相談会に参加した際に「将来、こういう仕事がしたいんです」と話したら、「なんで今、やってないんですか?」とストレートに言われて。ハッとしましたね。「今すぐに準備できることもあるじゃないか」と。

—— そこで、CFOという役割に意識が向いたのでしょうか?

林: 実は学生時代から、CFOという存在に憧れていました。CEOのように全体を引っ張るのではなく、財務の専門性で支える立場。監査法人にはその役割がなかったので、「いつか自分でやるしかない」と思っていた。アメリカのKPMGで超一流の人たちと接する中で、「会社員として生きるのではなく、自分の道を選びたい」という気持ちが強くなったんです。

数字の裏にある「経営者の思い」に寄り添う

—— 今、社外CFOとして意識していることは何でしょう?

林: 単に数字を扱うのではなく、「経営者の思い」に寄り添うことです。中小企業の経営者って、合理性だけで経営しているわけじゃない。「自分の好きなことをしたい」「先祖代々の事業を続けたい」など、感情や想いが原動力になっている。

—— 経営の数字の先にあるものを見ているんですね。

林: ええ。監査法人時代に会社全体の業務フローまで理解していた経験が活きています。数字は表面的な結果にすぎません。どのプロセスに課題があるのか、そこまで読み取る力がCFOには求められる。

ある後継社長に「モヤモヤがスッキリした」と言っていただいたり、「背中を押してくれて心強い」と言ってもらえたりすると、CFOとしての価値を実感します。AIには「後押し」はできない。人間だからこそ届けられる価値を、これからも大切にしていきたいですね。

案外なんとかなるし、もっとできる—— 最初の一歩を踏み出そう

—— 最後に、freee Advisor Dayに向けてメッセージをお願いします。

林: 会計士や税理士って、慎重にリスクを考えすぎて一歩踏み出せない人も多い。でも、独立してみて思うのは「案外なんとかなる」ということです。私自身、休職明けに地元・京都でゼロから開業しましたが、それでも今、こうして仕事ができています。

freee Advisor Dayは、他の士業の取り組みを知るチャンスであり、「自分ももっとできるかも」と感じられる場です。ぜひこの機会に、自分自身の可能性を探索しに来てほしいですね。

先生のご紹介

林 倫敦 [HAYASHI TOMOATSU]
略歴:公認会計士。大学卒業後、あずさ監査法人にて約7年間勤務し、監査業務に没頭。妻のアメリカ駐在に帯同し休職、自己を見つめ直し、将来のキャリアを深く考える。帰国後の2023年、林公認会計士事務所を設立し、独立。現在は企業の社外CFOとして財務面から経営支援を行う。単なる数字の分析に留まらず、「経営者の思い」に寄り添ったコンサルティングを得意とし、その深い洞察力で多くの経営者をサポートしている。
所在地:京都府京都市中京区薬師町653
HP:https://thkaikei.com/

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