ふらっと×FAD インタビュー企画

伊藤会計事務所 【代表税理士】伊藤桜子

「効率化」の思いから始まった税理士の道――クラウド会計が変えた税理士事務所のこれから

フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。

本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと“ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。

士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。

ふらっとでは、そのプロセスを“探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、伊藤会計事務所  伊藤 桜子 氏に取材しました!

「効率化」を求めて始まった税理士事務所の今

——まずは、事務所の歩みと現在の取り組みについて教えてください。

伊藤:2008年に開業して以来、税務会計を中心に多くのお客様を支えてきました。ただ、ずっと感じていたのは「この手作業、本当に必要?」という疑問でした。「もっと効率的なやり方があるはずだ」と。

黎明期にクラウド会計を取り入れた結果、弥生・MoneyForward・freeeの「会計ソフト三刀流」を確立し、規模や業種に応じた最適な会計ソフトの提案や、業務効率化の支援に力を入れています。

——効率を重視されていますから、クラウド会計が出た当時はさぞ大喜びされたのでは?

伊藤:そうですね。freeeが出たときに「やっと自動化の時代が来た!」とすごく嬉しかったんです。

でも、導入してみると手間ばかり増えて、生産性が逆に落ちてしまって。私自身も、手入力のほうが早いと感じていたくらいで…。正直、モチベーションも落ちましたね。

 社内の準備が整っていないまま導入したことで、使い方の理解が浅いまま社員に任せてしまって、逆に残業が増えたり、月次の早期化が進まなかったり。

——それでも「効率化したい」という想いは消えなかったのでしょうか?

伊藤:ええ。神戸市役所に勤務していた時代、イベント予算を効率的に使ったら逆に怒られたことがあって…(笑)。そのときに「公務の世界では効率化って歓迎されないのかも」と感じたのが、税理士としての自分の原点かもしれません。

クラウド会計の伴走者との「出会い」が流れを変えた

——クラウド会計の導入初期も、複数の会計ソフトを同時並行して使っていたんですよね?

伊藤: はい。当時からも「なぜ3つも使ってるの?」とよく言われましたが、それぞれに強みがあるし、顧客ごとの最適解を考えた結果なんです。ただ、当時は私自身も迷いながらの挑戦でした。

—— 1つでも導入は大変だと聞きますが、より困難な挑戦を選ばれたんですね。その苦しい時期はどう乗り越えたのですか?

伊藤:正直、もう諦めかけていたとき、freeeの担当者さんが本当に親身に伴走してくれたんです。週1回、事務所に通ってくれて、使い方を一つひとつ丁寧に教えてくれました。

そのおかげで「社内の開拓者」が育ったんです。freeeにすごく詳しい社員が一人現れ、他の社員をどんどん巻き込んでいって。

——伴走者との出会いから、流れが変わっていったんですね。

伊藤:はい。さらに面白いのは、クラウド会計に取り組んだ結果、やよい会計の使い方までクラウド的に扱う流れが生まれたことですね(笑)。インポートやデータ連携の発想が自然と広がった結果「やよい会計を日本一、クラウドっぽく使ってる事務所」と称する社員もいました。

「個」の力が事務所の進化を牽引する

——伊藤会計では、社員一人ひとりが主役として活躍している印象がありますね。

伊藤:クラウド会計を軸に成長できたのは、社員一人ひとりがそれぞれのツールに真剣に向き合い、自らが推進役になってくれたからです。MoneyForward、freee、弥生、それぞれに「この人に聞けば大丈夫」という社員がいて、お客様への提案にも自信が持てるようになりました。

——若手の活躍の場としても、クラウド会計は可能性が広がっている、ということですね。

伊藤:そうなんです。税務って経験が物を言う世界ですが、クラウド会計は1〜2年本気で取り組めば、他の事務所に差をつけられる。若手にとっては、自分の価値を発揮しやすい分野だと思います。

税理士業務の在り方そのものを問い直す「探索」をともに

——最後に「freee Advisor Day」に参加される方々へメッセージをお願いします。

伊藤:私は「もっと多くの税理士にクラウド会計に触れてほしい」と思っています。クラウド会計はツールである以上に、業務の在り方そのものを問い直す機会です。月次の早期化ができれば、お客様の未来に伴走できる。そして、それは自分たち自身のスキルアップにもつながります。

——まさに「探索」の連鎖ですね。

伊藤:はい。私たちも、クラウド導入から活用まで、全力でサポートできる存在でありたいと思っています。「freee Advisor Day」は、そんな探索仲間と出会える場です。ぜひ、皆さんとも現地でお話できれば嬉しいです。

先生のご紹介

伊藤 桜子 [ITOU SAKURAKO]

略歴:伊藤会計事務所 代表税理士。2008年に税理士として独立。「非合理なことはやりたくない」との思いから、開業当初より会計業務の効率化を追求。クラウド会計の可能性に着目し、freeeの黎明期から導入を推進。当初は現場の混乱もあったが、試行錯誤と粘り強い運用改善により、弥生・MoneyForward・freeeの「会計ソフト三刀流」を確立。規模や業種に応じた最適な会計ソフトの提案を得意とし、中小企業の支援、若手育成にも尽力、会計業界の未来を切り拓く。

所在地:福岡県福岡市中央区薬院3-16-26

HP:https://ito-kaik.com/

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