ふらっと×FAD インタビュー企画

Mulberryエージェント(桑原大樹税理士事務所)【税理士】 桑原大樹

数々の常識を「探索」し、常識を創る。若き税理士が目指す、顧客と伴走する未来

フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。

本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと“ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。

士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。

ふらっとでは、そのプロセスを“探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、Mulberryエージェント 桑原大樹 氏に取材しました!

高卒・国税局出身の若き税理士の異色のキャリア

—— まず、税理士を目指されたきっかけから教えていただけますか?

桑原:中学生の頃から「いつか独立したい」と考えていたんです。伯父が国税職員だったこともあり、国税に入れば税理士資格が取れると知り、「これが一番近道だな」と。なので、高校卒業後に専門学校を経て、東京国税局へ入社しました。

—— 中学生の時点で独立志向とは驚きですね。何かきっかけがあったのでしょうか?

桑原: 単純に誰かに指示されるのが苦手だったんです(笑)。両親も「自由にしていいけど、責任は自分で取りなさい」という教育方針だったので、失敗しても自分で立て直す力が自然と育った気がします。

19歳で飛び込んだ“非日常”の世界で、広がる価値観

—— 国税局に入られてから、どんな経験を積まれましたか?

桑原:19歳で東京に配属され、希望者が多い資産課税部門で税務調査をしていました。

調査先の玄関にレッドカーペットが敷いてあったり、普通に生活していたらめったにお目にかからないような高級菓子を出していただいたり(国税の内部ルールで食べれないのが残念でしたが)、一生手にすることができないほどの現金を見たりと「非日常」だらけで、自分の常識がいかに狭かったかを痛感しました。

—— 調査先の数々の出会いを経て、価値観が広がったということでしょうか?

桑原:まさにそうです。その後、福岡に戻って個人課税部門も経験しましたが、さまざまな業種の実態に触れる中で、「この業界ではこれくらいの粗利が出るのか」など、リアルな感覚が自然と身についていきました。

“優秀な人材”が直面したジレンマ

—— その後もさまざまな部署をご経験されたんでしょうか?

桑原:資産課税、個人課税に加え、総務課や管理運営部門(税務署総合窓口)にも配属されました。

当局の幹部候補生を養成するための本格研修では、成績上位5%以内に入り、職場では一定の評価をいただいていました。ただ、一定の評価を頂いていた影響もあり、税務調査実務の最前線から離れる期間が長かったのが正直つらかったですね。

——  焦りや迷いもあったのでは?

桑原:そうですね。「このままここにいても成長できない」と思い、税理士試験に挑戦するため10年以上務めた国税局を退職しました。

退職後、半年間勉強に専念し、試験に無事合格し、税理士登録に至りました。

「ありがとう」が、税理士像を変えた

—— 厳しい現場を経験していますが、今の「顧客に寄り添う姿勢」はいつ芽生えたのでしょう?

桑原: 実は、国税局の総務課や管理運営部門(総合窓口)で、困っている納税者の声を一番間近で聞いていたんです。「税理士に聞きにくいから」と相談に来る方々と日々接する中で、自分が税理士になったら、お客様が質問しやすい環境を作ろうと思いました。

——  それが、今のスタンスにつながっているのですね。

桑原: はい。調査で重い税金を賦課したお客様から「あなたが担当でよかった。税理士になったらぜひお願いしたい」と言っていただいたこともありました。

専門性だけでなく、人として信頼されることが何より大切だと気づかされました。

地域にこそ“変革”の可能性がある

——  現在の事務所運営について教えてください。

桑原: 長崎県佐世保市と福岡県を中心に、パートナー税理士と分担しながら運営をしています。高齢化の進む地域で、クラウド会計やAIなどのIT導入がまだまだ進んでいません。中には数十年前の会計ソフトを使っているお客様もいて、DXの必要性を痛感しています。

——  それでも、大きな変革の可能性を感じていらっしゃるんですね?

桑原:はい。若さを武器に、地元に“新しい常識”を届けたい、と。顧客と伴走しながら、悩みを共有し、同じ景色を見て成長していける。そんな税理士事務所を目指しています。

ともに“探索”し、新しい常識を創っていこう

—— 最後に、freee Advisor Dayに期待することと、読者へのメッセージをお願いします。

桑原:税理士って、独立してからは孤独になりがちです。だからこそ、freee Advisor Dayのように“今”を探索し合える場があることは本当に貴重だと思います。

 常識って、誰かが「これがいい」と信じて行動することで創られていくものだと思うんです。私自身、地域の常識をアップデートする存在でありたい。

そして、この記事を読んでくださった皆さんとも、そんな新しい常識を一緒に探索していけたら嬉しいです。ぜひ会場でお話しましょう!

先生のご紹介

桑原 大樹 [KUWAHARA DAIJU]
略歴:税理士。高校卒業後、国税局に入社し、資産課税部門、個人課税部門で税務調査を経験。あらゆる業種の実態に触れ、リアルな経営感覚を養う。退職後、税理士資格を取得。「あなたと共に成長し、あなたの悩みを分かち合える、伴走型税理士」をコンセプトに、長崎県佐世保市と福岡県を拠点に活動。地域のDX推進にも力を注ぐ。
所在地:長崎県佐世保市三浦町1-31

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