税理士法人プラスカフェ 今井 宏明 先生

税理士法人プラスカフェ 【税理士】今井 宏明

「人」と「挑戦」が紡ぐ未来――プラスカフェが歩む“探索”の旅

フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。

本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと“ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。

士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。

ふらっとでは、そのプロセスを“探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、税理士法人プラスカフェ 今井 宏明 氏に取材しました!

人と向き合う楽しさが導いた、異色のキャリア

—— まず、これまでの歩みと現在の活動について教えてください。

今井:私のキャリアですが、父が税理士だったことから自然と税理士には関心があり、資格勉強を大学時代から始めましたが、接客業の仕事をしたいとも思い、百貨店関係を中心に就職活動を始めました。しかし…力不足・就職氷河期も重なり、結果は厳しいものとなりました。今後のキャリアを悩んでいた時に、大原簿記法律専門学校の先生からお声がけ頂き、大学卒業後は大原簿記法律専門学校に入社し、10年間社会人課程の税理士講座の講師をしていました。人と接するのが好きな自分にとっては天職で、受講生さんと一緒に成長する時間がとても楽しい日々でした。

——税理士ではなく、講師の道に進む選択肢もあったのですね。

今井:実際、講師としての道を極めることも考えました。ただ、父が病気になり、受験生仲間であった妻も税理士業界で活躍していたので、32歳の時に実家の事務所へ夫婦で戻る決意をしました。

父からの承継。「カフェ」に込めた想い

——事務所に戻った当初、どんな状況でしたか?

今井:父の事務所は小規模な個人事務所で、自分の給与を自分で稼ぐことから始まりました。私はまだ税理士資格もなく、妻も育休中。さぁどうしたものかと思い、最初の1年目は、405事業(経営改善計画策定)を金融機関さんに営業をかけることから始めました。リーマンショック後の改善支援とのニーズ・補助金もあり、資格のない自分でも力になれると考えました。簿記論講師を10年したこともあり、簿記の問題作成はお手の物で、この経験が経営改善策定に大きく役に立ちました。405事業でともに仕事をした金融機関の担当者さんは、10年たった今でも連絡を取り合っています。

——そんな中で「プラスカフェ」という名前にした理由は?

今井:何より「気軽に相談できる場所」にしたかったんです。正直、実績もコネもない私たちが選んだのは、相談しやすい事務所づくり。誰でも立ち寄れるカフェのような存在を目指して、「プラスカフェ」と名付けました。

—— 「カフェ」という発想はどこから?

今井:妻のカフェ好きから「プラスカフェ」になりましたが、名前自体は父の発案です。コンセプトを父に伝えたところ、「カフェプラスかプラスカフェやなと」と。当時72歳の真面目一徹で生きてきた父からこの名前を貰えたのは、僕にとって驚きと嬉しさの両方があったことを今でも覚えています。

仲間と築いた「機動力」こそ成長の原動力

—— 事業構築で、どんな探索をしましたか?

今井:入社当初、税理士資格のない自分に父は会社の方向性・運営を全て任せてくれました。先に税理士資格を取得した妻も文句ひとつも言わず二人三脚で進んでくれました。税理士資格を保有している父と妻が後追いの自分に、「自由」と「権利」を与えてくれて、様々な挑戦をさせてくれる環境をくれたことが本当にありがたかったです。ただし、武器としては「機動力」しかありませんでしたので、朝から晩までお客様の要望に素早く応えることを徹底しました。その積み重ねが紹介に繋がり、10年で売上は2,000万円から1億円へ。毎年10%以上の成長を続けることができました。

—— 驚くべき成長ですね。その源はどこに?

今井:実は、同じように新規からスタートする仲間に恵まれたことです。起業したばかりの他士業の先生、転職したての保険代理店さん、若手行員の方々は、当時資格のない自分にも沢山の機会を与えてくれました。私自身もそれに応えたくて多くの仕事を依頼し、互いに支え合って成長してきました。

—— 今井さんの自由な発想が、仲間を引き寄せたのかもしれませんね。

今井:事業を始めたて同士だからこそ、助け合いが自然に生まれたのだと思います。37歳の時に試験に合格して38歳で税理士登録しましたが、彼らは昔も今も何も変わらず「宏明さん」と呼んでくれます。スタッフも顧問先さんも変わらず「宏明さん」と呼んでくれます。愚直ですが「一緒に前へ進む」ことを最優先に、スタッフや仲間たちと手を取り合ってきました。彼らの存在が、今のプラスカフェの最大の財産です。

「第三創業」に向けて、さらに広がる挑戦の輪

—— 今後、どんな展望を描いていますか?

今井:今までは「機動力」のみでしたが、これからは「組織再編」「事業承継」「相続」の3つを柱にしていきます。数字だけでなく、お客様の想いに寄り添える事務所でありたい。6月には京都市内に新事務所も開設し、次の10年は「第三創業」と位置づけています。今後は、私個人ではなく、スタッフ一人ひとりの力を活かし、組織としての成長を目指します。

ブレない信念。「適正申告と明瞭会計」へのこだわり

—— 仕事の軸としている価値観は?

今井:「適正申告と明瞭会計」、これだけは絶対に譲れません。お客様の申告書は、誰が見ても誇れるものでなければならない。そのため、時には厳しく資料をお願いすることもありますが、誠実に向き合い続けることが私たちの使命です。「経営者の最大の相談役は税理士」という行動理念から人との繋がりを大切にしつつ、根本だけはブレない。この姿勢は、これからも守り続けます。

共に「探索」する仲間たちへ――未来へのメッセージ

—— 最後に、読者やfreee Advisor Dayへのメッセージをお願いします。

今井:税理士という仕事は、社会課題に真正面から向き合える素晴らしい職業です。特に事業承継や相続は、今後さらに重要性が増すでしょう。

freeeさんには、これまで業務効率化を支えていただきましたが、今後は「会計知識がなくても適正な申告ができる世界」をぜひ実現してほしい。そして、会計教育の普及にも力を入れてほしいと願っています。誰もが最低限の会計知識を持てる社会になれば、もっと多くの課題が解決できるはずです。私たちは今、「第三創業」という新たな探索の旅に出ました。同じように“探索”を楽しみ、挑戦し続ける仲間が増えることを、心から楽しみにしています。

先生のご紹介

今井 宏明 [IMAI HIROAKI]
略歴:税理士法人プラスカフェ 代表税理士。
大学卒業後、大原簿記法律専門学校にて約10年間、税理士講座の講師を務める。実家の税理士事務所を承継し、2022年に税理士登録。「適正申告明瞭会計」を経営理念に掲げ、顧客にとって「相談が行いやすい税理士事務所」を目指す。ITを活用した組織再編・事業承継・相続を3本柱とし、社会課題の解決に貢献中。
所在地:京都府宇治市大久保町北ノ山24-1
HP:https://taxpluscafe.com/