添田達也税理士事務所 代表 添田達也

「若手がより活躍できる支援を」独立開業した税理士が感じる業界の課題


困ったときに気軽に相談してもらえる関係が理想

ー添田先生が特に力を入れている業務はありますか?

お客様からの税務のご相談はもちろん、資金繰りや経営に関するアドバイスをすることを大事にしています。今は情報が溢れていて簡単にアクセスできるので、我々が専門家として取り扱っていた税法の知識の価値は希薄化していますよね。そういった中でも、やはり税理士は一番経営者に近い立場にいると思うので、社長自身が困ったときに気軽に相談してもらえる関係が理想ではないかと考えています。

経営に関する相談はヒト・モノ・カネと、多岐にわたりますね。今ですと、やはり多いのはお金についてです。売り上げや創業融資、今後やりたいことの戦略などのご相談を受けることはよくあります。

ー経営に関する様々なご相談があると思いますが、税務に加え経営の知識も必要となると、大変そうなイメージがあります。

経営の知識がそこまで必要かというと、その必要はないと思っています。当然お客様の事業については、お客様が一番ご存じでしょうしね。お客様の話を聴く姿勢が一番重要で、話を聴いた上で、相談に対するアドバイスや専門家としてのリスクヘッジ提案を行えれば良いのではないでしょうか。当然、専門家としての提案は他士業の独占業務など、自分ではできない業務もあるので、その場合はアレンジャー的な立場で専門家の人脈を作って紹介するのがお客様にとっても一番良いと思います。

そういったときの紹介先は、前職からの繋がりや、コミュニティへの参加で知り合った方などが多いですね。

普段私は業務を完全オンラインで行っているのですが、人脈に関してはオフラインの方が上手くいくケースが多いように感じます。オンライン上で知り合った方でも、地方から東京にいらした際にお会いしたり、自分が地方に行くときは立ち寄らせてもらったり。ふらっともそうですが、コミュニティのイベントに参加したりすることもあります。

 

集客のためにはキラーコンテンツを育てる

ーなるほど!そうすると、普段はかなりお忙しいですか?

そうでもないです!週休3日くらいですかね。それでも、去年実績だと月100万円以上の売り上げを確保できています。というのも、私は売上はほぼ重視していなくて、単価を上げてプライベートの時間を確保したい派なので。

前職では朝4時に家を出て始発の新幹線に乗って地方に行き、最終の新幹線で帰ってきて飯食ってシャワー浴びて1、2時間寝て、また朝4時起きで出張…なんてこともあったので。果たしてそれは幸せなんだろうか、と思いますよね。

私には子どもが二人いて、すごく可愛いんですけど、上の子が生まれた時にそういう生活を送っていたので、小さい頃の子どもの顔をほとんど見たことがなかったんです。家を出ていくときにはまだ寝ていて、帰ってきたら当然寝ていますし。

二人目も同じことを繰り返すのかと思った時、何のために働いているのかよく分からなくなりますよね。人によって価値観は様々だと思いますが、私は自分の家庭のために時間を作りたいということもあって開業したんです。

ー開業された当時、苦労した点はありますか?

やはり集客ですね。ウェブ集客のやり方も分からないし、何を発信したらいいかも分かりませんでした。あとはセールストークも大事ですよね。そこに関しては、当時の貯金をほぼ自己投資につぎ込んで学びました。

やはり集客のためには、自分の個性とか強み、キラーコンテンツとなるものを育てていく必要があると思います。通常のビジネスの上に第二創業となる新しいビジネスを作り上げることが重要かなと。自分を紹介するときの強みになりますし、それを鍛え上げてお客様のニーズと合致すれば、当然それが選ばれる理由になります。

 

お客様は顧問としての安心感を求めている

ー今、添田先生が感じる税理士業界の課題はありますか?

現状、税理士業界は斜陽産業だと思うんです。今の状況が続いていくと、たぶんビジネスとして成り立たないなと。

税理士として活動するためには事務所経験が必要です。そこも起因して、昔からの常識や勤務した事務所の仕事のやり方が正しいという認識に陥りがちです。今このデジタル全盛の時代に、まだまだ紙の領収書や請求書がベースになっているんですよね。そういう中で、多くの人が関与して紙で業務を行っているという労働集約型のビジネスモデルがどこまで通用するのか疑問に思います。

我々が提供するサービスと、お客様が求めているサービスのギャップがすごく大きくなってきているようにも感じますね。

お客様は顧問としての安心感を求めていると感じます。ここはAIには取って代わられない部分なので。お客様には確定申告や税務のご相談だけではなくて、経営に関するご相談もできるという安心を提供したいと思っています。

ーそのような業界への課題を感じられたきっかけはありましたか?

私は元々事業会社で経理業務をしていました。30代で税理士業界に転職しましたが、当時から他の業界との違いを実感していましたね。

平均年齢が65歳の業界なので、税理士としての経験がなくても30代というだけで「若くて有望だ!」と言われたり、パワーポイントでプレゼンがちょっとできただけで感心されたりと、自分では普通だと感じていたこともそうではないことがよくあって。

独立した当初、色んな先生にお話を聞いていた時も、私が「完全オンラインで仕事をしている」と言うと、「そんなことできるの?」と色物扱いで笑われることもありました。

そういった固定化された体制や価値観に対してずっと違和感を抱えていたことが大きいですね。いい加減、業界の常識は世の中の非常識だってことに気付けよって!

 

若手税理士の開業支援をしたい

ー今後新たに取り組んでいきたいことはありますか?

そうですね、自分で言うのもおこがましいですが、税理士として一番業界に対して危機感を持っている人間だと思うので、業界の常識とか認知、イメージを変えていきたいと思っています。業界の若返り化が必要だと思うので、若手税理士の開業支援をしてみたいですね。どのように自分のビジネスモデルを決めて、集客をしていったらいいのか、ノウハウを伝えるような伴走型の支援をしていきたいなと。

その一環として、先日YouTube【税理士・神チャンネル】も始めました。自分の集客のためではなく、税理士など士業の開業に役立つWeb集客やマーケティングについて「業界の常識を疑ってほしい」という想いで情報発信しています。

税理士資格があるだけでは食っていけない時代になってきているので、個人として勝負していける力が重要になります。2023年の廃業・休業増加率のデータでは税理士事務所は全業種でトップなんです。若手がより活躍し、発展できるような支援をして業界に貢献していきたいと思っています。

先生のご紹介

添田達也税理士事務所/パラダイム・シフト合同会社 代表社員 添田達也

経理業務を経て、税理士へ。みらいコンサルティンググループでマネージャー、エグゼクティブコンサルタントを歴任。規模を問わず300社超へ関与、税務調査実績多数、金融機関へ出向。
2019年に完全オンラインで独立も、8桁の資金を失う。その後、事業の再構築により週休3日で年商1,000万達成。業界の現状を憂い、YouTube、SNSで士業の非常識な集客等の情報発信をしつつ、税理士の活躍する世界を作るべく日々挑戦中。

事務所HP
YouTube「税理士・神チャンネル」~完全オンライン税理士の添田達也が実践で使える士業の集客情報を発信!!~
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