村木良平税理士事務所 村木 良平
「組織再編・M&Aにおける自分の分野で日本一へ」 圧倒的な情報量と実務経験に裏打ちされた専門家
一歩後ろに立ちアドバイザーを助ける
ー村木先生は組織再編やM&Aの実務者向けにご支援をされていると伺いました。具体的にはどういった内容のご支援をされているのでしょうか?
はい、決算や申告業務は一切行っておらず、グループ内組織再編(会社分割、合併、株式交換、株式移転、株式交付、現物分配等)・M&Aの各助言に特化しています。主に会計事務所やM&Aアドバイザリー業務を行う実務者向けに、毎月の顧問業務の他、組織再編一括対応・各レビュー・スキームの絵を描くといったスポット業務を行っています。
ー実務者向けのご支援は、独立された時に始められたのですか?
前職は日本M&AセンターというM&Aの最大手の仲介会社に12年間ほどいたのですが、そこでは「アドバイザリー業務」を行う担当者を専門的な立場からサポートするというポジションで仕事をしていました。
お客様のところへ一緒に行ったりもするのですが、どちらかというと一歩後ろに立ってアドバイザーを支える業務をずっとしていました。独立してから3年くらいですが、M&Aに関わる業務では、自分がアドバイザリー業務を行うわけではなく、基本的には前職と同じスタンスで仕事をすることが多いです。前職での経験なくして今はないので、前職には感謝しかないですね。
ーそうなんですね!村木先生の事務所のホームページで、中小企業のM&Aについての本を書かれているという情報を目にしたのですが、今までご支援されてきた企業は中小企業が多かったのでしょうか?
譲渡側は中小企業がほとんどでした。譲受側は上場企業も多いですね。上場企業同士の合併実務も行った経験があります。上場企業向けの提案もよくしていました。
上場企業の役員7、8人に囲まれて、色々言われながら自分の考えたやり方を納得してもらえるように話したり。最後の方は役員のかたが謝ってこられて、「あなたがおっしゃることは正しかったです」って言われたこともありましたね。プレゼン力というか、自分の描いたとおりに相手に納得頂くというところも面白いところです。
ー相当なプレッシャーですね…他にもお仕事で大変だったことはありますか?
組織再編やM&Aの分野は明確になっていない論点もあり、関連する条文等を参考文献を含め全て確認するというようなことはよくあります。例えば、組織再編を連続して行っていくという分野は税法上、非常に難しい箇所に入っていきます。
条文をひっくり返して朝から晩まで全部読み解くみたいな、そういうのは非常に神経すり減らす時間ではあります。しかし、仕事上当然に確認すべきことなので、あまりしんどいとか、つらいとかそんなことでもないですね。勉強になったなと、全てを前向きにとらえています。
情報を徹底的に集める
ー朝から晩までは相当大変そうに思います…!先生はやはり新しい情報の確認や勉強を常にされているのですか?
事前準備として、この分野の主な書籍はほぼ揃えています。毎月5〜6冊の新しい専門書・実務書に目を通したり、情報誌等の各種情報を徹底的に集めています。
あとは、この分野に精通した、意見交換できる他の士業の先生がたの存在も大変貴重です、やはり、この分野の仕事は難しいので。
ー組織再編やM&Aの情報は新しく更新されていくものが多いのでしょうか?
少し前までは常識だったものも、毎年の税制改正の影響はもちろん、3、4年経ってみると色んな判例が出てきて、取扱いや温度感が変わってくるというような変化があります。そういった情報は自分で追いかけつつ、情報誌や専門書を見てキャッチアップしている状況です。年間で言うと本代や情報誌で60万~70万円使うのですが、その辺は必要経費ですね。
週刊誌の『税務通信』や10日ごとに発刊されている『経理情報』は届くたびにすぐ読んでますし、毎週、紀伊国屋やジュンク堂に行って専門書を買ってきます。なんとなくちょっと勉強したいなって思ったものを金曜日くらいに買って、土曜日に一日読むみたいな。
あと、毎年公表される税制改正大綱も公表日の次の日にはまとめのエクセルを作成し終わるのを習慣づけしています。公表日当日読み込み、翌日まとめる形です、爆発力が大事ですね。
ーお休みの日も勉強の時間に充てられているんですね!
社会人になってずっと続けています。それをやっていることで、自信や余裕も生まれますし、次の週以降の平日の仕事の精度、スピード感が変わってきます。事前に頭に入っている内容が多いので、質問内容にもスムーズに対応できる感覚があります。事前に引き出しをどれだけ揃えられるかが勝負ですね。
あとは、できるだけ出張は抑え、一日に入れるアポは少なくとか、急な対応をしやすく、レスポンスを早くできるよう調整しています。
毎月対応する実務論点は1000件超
ー村木先生の強みというと、情報量に加え実務経験の豊富さが挙げられると思うのですが、前職から今までで携わってきた案件は何件くらいありますか?
よく聞かれるんですけど、関わり方も色々で、一つの論点だけに対してちょっと聞かれたとかそういったものも含めると、おそらく1万件は十分超えているんだと思います。毎月対応している実務論点の数は1,000件は超えているという感じですね。
ー毎月1,000件!すごい数ですね!
税務会計の他、実務上の各論点など多岐に渡ります。税務周りのご相談は多いですが、それも私の業務の一つにしか過ぎないです。難しい論点やグレーゾーンも多く、行政に相談することもあります。色々な論点を色々な方面から聞いて頂けることで、自分の知識も整理されていきます。
こういった膨大な実務論点を集中的にご質問頂ける環境にいること自体がこの分野で伸びていくにあたって最高の状態で、すごく特殊なポジショニングだと思うので大変有難い限りです。「情報」が集まり「ノウハウ」が積みあがる感覚です。毎日、感謝されるので、とてもやりがいのある仕事です。
ーそれは素晴らしいですね!村木先生の今後の目標をお伺いしてもよろしいですか?
日本M&Aセンターを卒業するときに、「自分の分野で日本一になる」って宣言してきました。どの会社でも退職するときに全社員宛にメールする人がいると思うのですが、それに書きました。その定義はまだ定まっていないのですが、それを常に置いておいた方が日々前を向いて進めるのかなと。私は、専門家ではなく、実務家でありたいと思っています。
まずは、顧問先様、提携先様、携わった会社様にしっかり対応し、成長に貢献したい、幸せになって頂きたい思いがあります。
また、顧問先様が大きくなっていかれるので、新規の顧問先様を増やす動きは慎重にゆっくりと行っている状況です。どこかのタイミングで新規の顧問先様を受けるのは控えようと思っています。様子を見ながらですが、それほど遠い未来ではないかもしれません。
ーありがとうございます!最後に、ふらっとについてお聞きしたいと思います。
ふらっとに参加されてから、何か良い出会いはありましたか?
まだオフラインのイベントに参加できていないので、そのような機会があれば参加したいです。課題解決チャットに入っていまして、先生方が一つの論点で意見交換しているチャットを外から見ている状態ですね。
ー今後も交流会などオフラインイベントは開催していきますのでぜひ!
家のご飯当番の日があるので、それがないときに行きたいと思います!
先生のご紹介
村木良平税理士事務所 代表 村木良平
組織再編・M&Aに強い専門の税理士として、グループ内組織再編とM&Aの各助言に特化し、毎月千件を超える実務論点を解決している。税理士会や各実務者向けの講師も数多く行う。株式会社日本M&Aセンター(東証一部上場)で12年間、M&A・組織再編案件を主に税務・ストラクチャー構築面から関与。関与案件は数千件以上にのぼる。MVP賞、社長賞等受賞。同社コーポレートアドバイザー部(西日本)の責任者を5年間経験後、2021年に独立。
村木良平税理士事務所HP
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