税理士法人碧の空【税理士】吉木 真里
銀行員から専業主婦を経て、税理士へ。 遠回りのキャリアが生んだ、長く寄り添う覚悟
2026-03-25
遠回りで見つけた、私らしい「一生の仕事」
—— 吉木さんはパートとして働きながら資格を取られたとのことですが、元々会計業界にいらっしゃったんでしょうか?
吉木:いいえ、税理士としての知識はゼロからのスタートでした。新卒で銀行に入行し、主に個人向けに資産運用の提案などをしていましたが、会計業界とは遠いところにいたんです。
その後、結婚を機に退職してからは、夫の仕事の都合もあって約9年間、専業主婦として家庭に入っていました。ですから、今の仕事は本当にセカンドキャリアというか、すごく遠回りしてようやくたどり着いた感じですね。
—— 銀行員時代の経験は、現在の仕事に役立っていますか?
吉木: 銀行員だったことが直接今の実務に役立っている、という感覚はあまりないんです。ただ、今の仕事に通じる「お客様との向き合い方」の原点になっているとは感じますね。情報提供や金融商品といった「形のないもの」を通じて、お客様と深く関わり、喜んでいただく。そのやりがいは銀行員時代に教えてもらったものです。
また、当時の同期とは今も繋がりがあるので、融資などの専門的な話を気軽に相談できる関係があることも、今の私の大きな支えになっています。
ママ税理士のブログが人生を変えた
—— 税理士を目指したきっかけは何でしたか?
吉木:専業主婦時代も「いつかまた社会に出て、誰かの役に立ちたい」という想いはずっと抱えていました。でも、長く社会から離れていた不安もあり、なかなか一歩踏を踏み出せずにいたんです。
そんな中、2人目の出産後に、ふとスマートフォンで、とあるママ税理士さんのブログを目にしました。育児をしながらキラキラと働く彼女の姿を見た瞬間、「あ、これだ。私もこうなりたい」と直感的に確信したのが、税理士を目指したきっかけです。
—— 具体的にはどのくらい勉強期間がかかったんでしょう?
吉木:ブログを見てから1年ほど迷った後、約3年勉強しました。その間、パートとしてこちらの事務所で働きながら、毎年1科目ずつ合格していって、大学院を経て税理士登録にたどりつきました。
決断までに時間はかかってしまいましたが、今は本当に迷いなく「ずっとこの仕事をしたい」という思いでいるので、お客様とも長期的な視点で深く話ができているのかなと思います。
「慎重さ」と、チームで挑む「ポジティブ」の共存。
—— 所属されている事務所は「ポジティブ」をテーマに掲げているそうですが、そこについてはどう解釈されていますか?
吉木:実は私自身、本来はすごく心配性でネガティブな性格なんです。でも、だからこそ最悪の事態を想定して、大きなミスを未然に防げる、という強みがあると考えています。 一方で、お客様の前では常に前向きなパートナーでありたいと思っています。相談しやすい雰囲気や明るい第一印象を大切にしているのも、そのためです。
「慎重さ」と、事務所が掲げる「ポジティブな姿勢」。その両輪があるからこそ、本当の意味で質の高い、安心できるサービスをお届けできるのだと思っています。
—— その「両輪」で、新しい挑戦への一歩も踏み出せるのですね。チャットワーク導入や年末調整のペーパーレス化など、新しい挑戦もスムーズだったとお聞きしました。
吉木: これらの新しい試みが、ある程度スムーズに進んだ根底には、お客様との信頼関係がありました。お客様にとっても、新しいことを受け入れるのはハードルがあったと思いますが、日ごろの関係から、きっと便利になると信じてもらえたのだと思います。
また、所内にも、最初は「使いこなせるか自信がない」という声もありましたが、最終的には全員が驚くほど協力的でした。ルールを作る担当、周知を工夫する担当と、自然に分業が進み、チーム一丸となって前向きに取り組めたんです。
税務顧問の担当も、うちの事務所では分業化が浸透しており、新しいシステムでの年末調整の案内もチームで行いました。1人で進める方が早い場面もありますが、それでは継続性がありません。チームで取り組み、誰かが休んでも業務が止まらない「持続可能な体制」こそが、今の私たちの強みです。
税理士・会計士のためのコミュニティ「ふらっと」
互いの得意分野を活かした協業のきっかけや、業界の最新トレンドが集まるコミュニティです。
ぜひお気軽にご参加ください。
雑談から生まれる相談のしやすさ
—— 顧問先との会話で、特に大切にされていることはありますか?
吉木: もちろん数字も大切ですが、それ以上に経営者様の理念や今後の展望といった「未来」のお話を伺う時間を大切にしています。そうした深いお話を引き出すのは、報告の後の何気ない「雑談」だったりします。リラックスした会話の中だからこそ、本音や本当の悩みがこぼれ落ち、結果として「相談のしやすさ」に繋がるのだと考えています。
難しいことは言えなくても、じっくりお話を聞きながら、頭の中を共に整理していく。そんな身近なパートナーでありたいと思います。
真心込めて向き合うためのチーム力
—— 相続業務に力を入れていると聞きましたが、特にやりがいを感じるのはどのような時でしょうか?
吉木: 相続は、大切な方を亡くされたという人生の節目に深く関わる仕事です。現地へ足を運び、一つひとつの財産を丁寧に評価するプロセスは、いわば「ご家族の歴史」に触れること。その責任の重さに身が引き締まると同時に、無事に終えられた際のやりがいは非常に大きいですね。
—— それほど一件一件に重みがあると、お一人で多くの案件を抱えるのは大変ではないですか?
吉木: そうなんです。担当者一人が抱え込むのではなく、組織として支える体制が欠かせません。だからこそ今、事務所全体で分業できる仕組み作りを急いでいるところです。
相続は案件ごとに状況が異なるため、すべてをルール化するのは簡単ではありません。ですが、テレワークのメンバーでも資産税業務にスムーズに参加できるよう、ワークフローを試行錯誤しながら構築しています。
分業を進めることで、「興味はあるけれど、まとまった時間を取るのが難しい」というメンバーの力も活かせる環境を作りたいんです。そうしてチーム全員の力を合わせることが、結果的にお客様への「真心」を絶やさない体制に繋がっていくのだと考えています。
プライベートと仕事が溶け合う働き方の中で、視野を広げたい
—— 3年後、5年後の理想像はありますか?
吉木:具体的な将来像は模索中ですが、今はテレワークやフレックスなどの制度を活用して、子供の行事に合わせて休んだり、夜や休日に集中して仕事を進めたりと、プライベートと仕事がとても自然に「溶け合っている」状態です。私にとって仕事は人生のとても大事な一部。だからこそ、この混ざり合った状態が心地よく、日々の業務を通じて自分の成長も感じられています。目の前の仕事を一つひとつ丁寧にこなしていく中で、自然と自分の視野が広がっていけばいいな、と考えています。
—— お子さんも仕事に興味を持ってくれているそうですね。
吉木:はい。自宅が事務所のすぐ近くということもあって、子供が家の鍵を忘れた時などにふらっと事務所に来ることもあるんです(笑)。そこで私が働いている姿や事務所の雰囲気を見て、「楽しそう」と感じてくれているようで。家族にもポジティブな影響を与えながら働ける今の環境を、とても大切に思っています。
等身大の自分で、一歩ずつ。共に高め合える関係を目指して
—— 最後に、税理士・会計士の先生方へメッセージをお願いします。
吉木:ようやく税理士としてのスタートラインに立ち、一つひとつの案件に全力で向き合っているところです。 大きなことは言えませんが、これまでの遠回りがあったからこそ、今、目の前のお客様と心から向き合えていると感じています。
「完璧な自分」を目指すよりも、今の自分にできることを誠実に。この仕事を通じて出会える皆さんと、等身大の姿勢で互いに高め合いながら歩んでいけたらうれしいです。
先生のご紹介
吉木 真里 [YOSHIKI MARI]
略歴:
静岡県内の地方銀行にて約4年間、個人向け資産運用などの営業に従事。結婚・出産を経て、約9年間の専業主婦期間を過ごす。第二子出産後、ママ税理士の活躍を綴ったブログに感銘を受け、税理士を目指すことを決意。 現在は税理士法人 碧の空にて、法人・個人の税務顧問、資産税業務を担当。チームワークを活かした「真心あるサポート」を追求している。
プライベートでは二児の母。仕事と暮らしが心地よく溶け合う働き方を実践中。好きなことはピアノを弾くこと。
所在地:静岡県静岡市葵区鷹匠3丁目18−5
HP:https://aonosora-tax.com/