大隅直人税理士事務所【税理士】大隅 直人
経営革新と成長戦略で経営者の未来を照らす——金融機関出身の税理士が挑む地方発イノベーション
2026-02-2
フリー株式会社とふらっとのコラボレーション企画がスタートしました。
中小企業の経営課題解決を支援するクラウドサービスを展開するfreeeと、士業の情報発信を支えるふらっとが特別企画を実施します。
テクノロジーの進化により、士業の役割も大きく変化する時代。税理士や会計士の皆さんが、どのように新しい価値を生み出し、クライアントとの関係性をアップデートしているのか。
ふらっとでは、その実践の軌跡を掘り下げるインタビューシリーズとして、今回、大隅直人税理士事務所 大隅 直人 氏に取材しました!
税理士を目指した原点は、金融機関での勤務時代に抱いた“危機感”
—— まずは、税理士を目指されたきっかけをお聞かせください。
大隅: 大学卒業後、金融機関に約5年勤務していたのですが、社内エリートほど社外で通用しなくなるという危機感を抱いていました。出世すればするほど、社内では偉くなるけれど社会人としてはダメになってしまうのではないか。何か手に職をつけたいというのが最初のきっかけでした。
また、当時の部署は営業推進部で、基本的に社内の人としか話さない環境でした。システム作成もしていたので一日誰とも話さずに終わることもあって、その影響もあり誰かと話す仕事がしたいと思うようになりました。どうせ話すなら偉い人がいいなと考えて、当時の自分の中で「偉い人=社長」だったので、社長と話せる仕事として税理士を選びました。今振り返ると浅はかな考えでしたが、それが原点ですね。
—— 税理士の勉強はどのように進められたのでしょうか?
大隅: 金融機関在職中から勉強を始めました。会社の本社が水道橋にあり、TACや大原の本校がとても近かったんです。当時は多忙な職場環境でしたが、同期にも協力してもらい、限られた時間の中で工夫を重ねながら予備校の授業に出席していました。
27歳で退職して香川に帰り、配達のアルバイトをしながら勉強を続けました。配達は車を運転しながら録音した講義を聞けるので、とても都合が良かったです。妻がとても理解を示してくれたおかげで、この生活を続けることができました。
新卒育成で築く自社文化と長期的人材戦略
—— 事務所の強みについてお聞かせください。
大隅: 「税理士業務はサービス業である」という考えを、社風として深く浸透させている点です。お客様が来訪された際には、しっかりと立って「いらっしゃいませ」と迎え、お帰りになる際には「ありがとうございました」とお見送りする。一般的な飲食店では当たり前のことを、税理士事務所でも徹底して行うようにしています。
地方では年配の先生方が多く、中には「お客様」ではなく「納税者」という呼び方をする方もいます。これは、かつて税理士が税務署側に近いスタンスで業務を行っていた名残なんです。その一言にも、サービスに対するスタンスの違いが表れていますよね。
—— 事務所運営での課題はありますか?
大隅:現在の大きな課題は採用活動です。特に新卒採用へ切り替えており、これに伴う教育コストがかかっています。社会人としての常識や基本的なマナーから指導する必要があるため、手間と時間はかかります。
それでも新卒採用にこだわる理由は、経験者を採用しても、事務所の文化に馴染まなかったり、期待通りの結果が出ないケースがあるからです。それならば、初期のコストがかかったとしても新卒から採用し、自社の文化で一から育成していく方が、結果的には事務所の成長にとっての近道になると考えています。
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「未来志向」の経営支援と地域No.1への挑戦
—— 現在、力を入れている取り組みはありますか?
大隅: 資金繰り予測にとても力を入れています。Money Forwardの子会社が提供するManageboardというシステムを使って、資金繰り表を簡単に作成できるようにしています。特に中小企業はキャッシュフローが命で、10億円赤字でも現金があれば倒産しませんが、10億円黒字でも現金がなければ倒産してしまいます。
このManageboardの最大の利点は、経営者と「未来」について話せる点です。経営者が本当に興味を持っているのは、過去の試算表ではなく「来月・来年以降の戦略をどうするか」といった未来の話です。この未来志向の議論に資金繰りの視点を加え、経営者と一体となって話を進めていける点で、Manageboardは非常に優れたツールだと評価しています。
—— 今後の事務所の方向性についてお聞かせください。
大隅: 将来的には「社会保険の加入数が一番多い事務所」を目指しています。社会保険の加入数は公的に調べることができるので、県内の他の事務所との比較が可能です。この指標において、地域で一番になることを目標に掲げています。
これは、札幌の税理士法人マッチポイントさんの考え方を取り入れたものです。事務所の規模を拡大しないと「発言力」が生まれず、小さな事務所が何を提言しても、なかなか社会に響きにくいところがあります。私自身のビジョンやメッセージを広く伝え、実現していくためには、事務所をある程度大きくしていく必要がある。規模拡大は、より影響力を持ち、社会に貢献していくための重要なステップだと考えています。
税理士は経営者の最も身近な専門家。共に中小企業の未来を支えていきましょう
—— 同業の先生方や独立を考えている方へ、メッセージをお聞かせください。
大隅:日本の中小企業に対する税理士の関与率は非常に高く、ほぼ100%に近い数字です。これは、経営者の皆様が私たち税理士を深く頼りにしてくださっていることの証です。だからこそ、税理士のレベルが向上することは、必然的に中小企業のレベルを向上させることにつながると確信しています。
税理士という職業は、中小企業の経営者にとって最も身近な専門家です。私たちが提供するサービスの質を高めることができれば、それは日本の中小企業の直接的な成長と活性化に貢献します。私たちは、日本の経済を支える中小企業の成長を促進する、非常に重要な立場にいます。共に、日本の中小企業を力強く支えていきましょう。
先生のご紹介
大隅 直人 [OSUMI NAOTO]
略歴:税理士。金融機関で約5年勤務後、「社内エリートが社外で通用しない」という危機感から税理士を志す。27歳で退職し香川に戻り、配達アルバイトで生計を立てながら税理士資格を取得して独立。現在は「税理士業務はサービス業」を理念に、資金繰り予測を重視した未来志向の中小企業支援を展開している。
所在地:香川県高松市田町9-3 フォレストン田町ビル5F