仁科麻紀税理士事務所【税理士】仁科 麻紀
変化を恐れず顧客に寄り添う。デジタルツールを味方に進化を続ける税理士の歩み
2026-01-20
マネーフォワード株式会社とふらっとのコラボレーション企画がスタートしました。
「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をミッションに掲げ、バックオフィスのDX化を推進するマネーフォワードと、士業の情報発信を支えるふらっとが特別企画を実施します。
デジタル化が加速する中、士業の皆さんがどのようにテクノロジーを活用し、業務効率化やクライアントへの価値提供を実現しているのか。
ふらっとでは、その変革のプロセスを掘り下げるインタビューシリーズとして、今回、仁科麻紀税理士事務所 仁科 麻紀 氏に取材しました!
就職氷河期でのキャリアチェンジ。独学で築いた税理士への道
—— まずは、税理士を目指したきっかけと現在の活動についてお聞かせください。
仁科:実は、最初はファッション関係の仕事に就きたくて、服飾系の短大に通っていました。ただ、私が卒業する頃がちょうど就職氷河期で…。そんな時、父に「こういう資格があるんだけど、取ってみないか」と勧められたのがきっかけです。簿記4級から独学で勉強を始め、短大卒業後は就職せずに税理士の勉強に専念しました。
2006年に税理士登録を行い、現在は自宅兼事務所で、税務顧問をはじめ、資金調達・経理・決算・税務調査・節税対策など、一通りの業務を行っています。顧問先は10〜20件ほどで、最近は法人を中心にサポートしています。業種としては製造業や介護サービス業が多く、個人のお客様では飲食店経営者の方が中心ですね。
働き方への疑問が独立の後押しとなる
—— 独立の経緯をお聞かせください。
仁科:夫の親族が経営する税理士事務所で働いていましたが、職場環境の変化により、働き方について考え直すきっかけがありました。家族経営特有の課題もあり、業務とプライベートの境界が曖昧になることで体調を崩してしまったんです。長期的なキャリアを考えた時、自分の価値観と合う形で働きたいという思いが強くなり、夫の理解も得て独立を決意しました。
—— とても大きな決断だったと思います。独立時の不安も大きかったのでは?
仁科:そうですね。出身地ではなく人脈がなかったため、お客様をどう獲得するかが最大の不安でした。収入も、一時期は配偶者控除の対象になるほど落ち込み、収入が途絶える不安は大きかったです。
でも、以前担当していたお客様が何件か移ってくださったことや、同期の税理士からの支援もあって、少しずつ軌道に乗ることができました。
税理士・会計士のためのコミュニティ「ふらっと」
互いの得意分野を活かした協業のきっかけや、業界の最新トレンドが集まるコミュニティです。
ぜひお気軽にご参加ください。
会計は経営判断の武器になる。「経営者目線」で選んだクラウドツール
—— 独立後、現場ではどのような試行錯誤がありましたか?
仁科:以前使用していた会計ソフトは更新料が高くて…。このまま使い続けるべきか、別の会計ソフトに切り替えるべきか悩んだことがありました。そんな時、経営者仲間から「freeeは経営者にとっての利便性が高い」と紹介され、API連携やリアルタイムで数字が見られる点に魅力を感じて移行しました。
「会計は経営者のためのツールであるべき」。この考え方が事務所の方針です。経営者が自ら数字を見られる環境をつくることで、会計が経営判断の“武器”になる。これがfreeeを選んだ最大の理由です。丸投げの案件は受けず「自計or半自計」を基本に、取引テンプレートを作ってお客様と運用を共有しています。
—— 現状の課題はありますか?
仁科:AIや新しいツールを完全に使いこなせていないことです。Googleワークスペースも契約したものの、Driveへの移行で止まっているのが現状です。ただ、最近Google Meetの録画・文字起こしをカレンダーに残し、情報共有や教育に活用する仕組みを知って、「これなら情報が散らばらない」と手応えを感じました。
freeeの「マジ価値」を指針に活動していて、本当にコアなユーザーの方々から学ばせてもらっています。お客様からも「一緒に研究してよ」と言われることが多く、お客様と共に新しいシステムを試しながら、仕事の幅を広げています。
「業界の当たり前」を疑う。顧客ファーストの重要性
—— 事務所運営で大切にされていることをお聞かせください。
仁科:専門用語を使わないようにして、お客様側が納得できる内容、理解できる内容で話すということを絶対にしています。以前の職場で、業界の常識をそのままお客様に伝える場面を見て、それは違うなと思ったんです。業界で当たり前とされていることが、お客様側にとって当たり前ではないということを痛感し、もっと顧客目線に立つ必要性を強く感じました。
——先生の顧客目線の考え方は、服装にも現れているとか。
仁科:そうですね(笑)過去に服装で判断された経験から、自分らしさを大切にする方針としてスーツを着ないスタイルを続けています。以前、年配のお客様に「税理士のくせにスーツを着ないの?」と言われたことがありました。その時「服で判断されること自体がおかしい」と強く思ったんです。
だから今は、どんな場でもスーツは着ません。見た目よりも中身で信頼されたい。むしろその方が、同世代のお客様には親しみやすいと感じています。これも、私なりの「顧客ファースト」です。
変化に合わせ、お客様と共に進化し続ける事務所へ
—— 今後の展望をお聞かせください。
仁科:長期の具体的な計画よりも、「変化のペースに柔軟に合わせ続ける」ことを大切にしています。私もお客様も年を重ね、働き方や意思決定のリズムが変わる中で、その都度運用を微調整できる体制を整えたいと考えています。
「マジ価値」のオンラインリーダーとして先端事例に触れながら、新しい道具は一気に完璧を目指さず、試して良ければ残すという繰り返しで、進化を止めない事務所にしていきたいですね。お客様と一緒に学び、共に前に進む関係性を何より大切にしています。
——具体的な取り組みのビジョンはありますか?
仁科:まずは、Googleワークスペースの活用を進めます。資料はDriveに一元化、Meetの録画・文字起こしの定常化、お客様との情報共有権限の最適化などです。freeeとの連携では、取引テンプレートの充実や自動登録ルールの精度向上により、お客様の負担を減らしながらリアルタイムな経営判断をサポートしていきます。
変化に耐えうる自分であってほしい
—— 独立を考える先生方へメッセージをお聞かせください。
仁科:「変化に耐えうる自分であってほしい」とお伝えしたいです。最初に決めたやり方も、税法や環境の変化で必ず更新が必要になります。先輩から聞いたダーウィンの進化論の話が印象的でした。「強いものが生き残るのではなく、変化に対応できたものが生き残る」という考え方です。
完璧さより継続する改善が大切です。新しいツールも、お客様のニーズも常に変化しています。その変化を恐れず、まずは小さく試して、良いと思えたら一緒に前へ進む。そんな姿勢で、お互いに成長していければと思います。
先生のご紹介
仁科 麻紀 [NISHINA MAKI]
略歴:税理士。短大で服飾を学んだ後、父の勧めで税理士を目指し、簿記4級から独学で学習。2006年に税理士登録後、親族経営の事務所勤務を経て独立。現在は自宅兼事務所にて、法人をメインに10~20件の顧問先をサポート。freee認定アドバイザーとして「マジ価値」のオンラインリーダーも務める。専門用語を使わない分かりやすい説明と顧客目線を重視し、変化に対応しながらお客様と共に成長する税理士として活動中。
HP:https://www.zeirisi-nisinamaki.com/