税理士法人Setup【税理士(社員税理士)】八木 佐知子
「香川から税理士業界を変えたい 」——顧客の未来のため組織変革に挑戦する社員税理士の歩み
フリー株式会社とふらっとのコラボレーション企画がスタートしました。
中小企業の経営課題解決を支援するクラウドサービスを展開するfreeeと、士業の情報発信を支えるふらっとが特別企画を実施します。
テクノロジーの進化により、士業の役割も大きく変化する時代。税理士や会計士の皆さんが、どのように新しい価値を生み出し、クライアントとの関係性をアップデートしているのか。
ふらっとでは、その実践の軌跡を掘り下げるインタビューシリーズとして、今回、税理士法人Setup 八木 佐知子 氏に取材しました!
停滞する事務所への危機感から選んだ転職の道
—— まずは、八木先生の現在の取り組みについてお聞かせください。
八木: 税理士法人Setupの社員税理士として働いています。約25社の法人のお客様を担当しながら、経営側の一員として事務所全体の働き方や将来像について、代表と一緒に考える役割を担っています。
経営に携わるのは初めてなのでまだ戸惑いもありますが、手探りでありながらも業務に取り組んでいます。
—— 入社されて約5ヶ月とのことですが、税理士法人Setupに転職されたきっかけは何だったのでしょうか?
八木:日本社会全体の高齢化が進む中、地方の税理士業界では、顧問先の社長の高齢化と事業承継の課題が深刻だと実感いたしました。また、AIやクラウド会計といった新しい技術の導入に対しても、業界として「顧客が対応できない」「既存の業務で十分」といった理由から、変化に慎重な姿勢が見られます。こうした地域の税理士業界における対応力に限界を感じたことが、未来志向で成長を続ける税理士法人Setupへの転職を決意した最大のきっかけです。
—— 入社された後、はじめて直面した課題は何でしたか?
八木:私は前任の先生が退職されるタイミングでの入社だったので、引き継ぎが最初の課題でした。お客様からすると「急に担当が変わる」ことになるため「前の先生の方が良かった」と思われないよう、最初の面談や電話ではこれまでの経緯や不安に感じていることを丁寧にお聞きするようにしました。
社員が安心して働ける職場づくりと、顧客に寄り添う税務サービスへのこだわり
—— 八木先生が事務所の環境づくりの中で大切にされていることはありますか?
八木: 一番は「社員が気持ちよく働けること」です。お客様を大切にしたいと言うのであれば、まず社内のメンバーが安心して働けていないと絶対に続かないと思っています。
月1回の全体会議では、みんなでランチを食べながら話をしたり、従業員の家族も一緒に参加する焼肉会を開いたりしています。堅苦しい会議だけだと本音が出てこないので、少し「ゆるさ」がある場も意識的に作るようにしていますね。
—— お客様対応に関してはどうでしょうか?
八木:「自分たちの当たり前」が「お客様にとっての当たり前じゃない」ということを意識しています。 税金って、本当に難しいと思うんです。お客様からも「専門用語ばかりで何を言っているか分からない」という声をよく聞きます。
私自身、税理士を目指す前は完全な素人でした。その時の感覚を忘れないようにすることを大切にして、説明する時は専門用語をかみ砕いて話すようにしていますし「分からないことは分からないと言ってもらえる関係」を目指しています。
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組織の「筋肉」を強化すべく、リーダー制を導入
—— 社員税理士として、組織運営の面でどのような課題があると感じていますか?
八木: 事務所全体で目標やベクトルが揃っていないと感じています。代表と私の間では「こういう事務所にしていきたい」という話をしているのですが、それが20名全員に浸透しているかというと、まだまだという印象です。
また、経験の浅いスタッフが質問をしづらい環境や、チェック体制が十分でなくミスが発生しやすい環境であることにも課題を感じています。
—— 事務所内の課題解決のため、取り組んでいることがあればお聞かせください。
八木: 20名を3〜4つのチームに分けて、それぞれにリーダーを配置する「リーダー制」を導入しています。リーダーが日常的な相談窓口になり、チェックもチーム単位で回すことで、「誰に聞けばいいかわからない」「最終チェックまでたどり着かない」といった状態を減らしていこうとしています。
導入したばかりですが、以前よりも質問や相談がしやすくなったという声も出てきていて、ミスも徐々に減ってきている感覚があります。まだ途中段階ですが「組織としての筋肉」を付けていきたいと思っています。
事業継承や世代交代にも対応できる「トータルの相談相手」へ
—— 今後、事務所として力を入れていきたい分野はありますか?
八木: お客様は比較的若い経営者の方や成長途上の企業の方が多いですが、今後は相続分野にも力を入れていきたいと考えています。すでに相続の専門チームはあるのですが、さらに強化していきたいというのが直近のテーマです。
香川では、まだまだ相続対策が十分でないケースも多く、事業承継や世代交代のタイミングで一気に困ってしまうお客様も少なくありません。税務だけではなく、家族の状況や事業の将来を含めた「トータルの相談相手」になれるような体制を整えていきたいと思っています。
一緒に香川の税理士業界をアップデートしましょう
—— 最後に、同業の方やこれから税理士を目指す方々へメッセージをお願いします。
八木: 香川の税理士業界は「狭くて古い」と感じています。転職しようとしたときに、お客様との継続的な関係を阻止するような威圧的な言葉を掛けられた経験があるので、このような状況を変えたいという思いがあります。
一緒に「香川の税理士業界をアップデート」していきませんか?税理士法人Setupはまだまだ成長中の事務所ですが、「こうした方がいいよね」「こんなことに挑戦したいよね」と 一緒に考えて、形にしていける余白がたくさんあります。
今、特に若い方を探しています。「これから育っていきたい」「経営にも興味がある」「お客様ともきちんと向き合いたい」と思っている方にとっては、すごく面白い環境です。もし「この事務所で一緒にやってみたい」「香川から税理士業界を良くしていきたい」と感じてくださった方がいれば、ぜひ一度お会いして、お互いの話をしてみたいです。
先生のご紹介
八木 佐知子 [YAGI SACHIKO]
略歴:税理士(社員税理士)。大学卒業後、カー用品メーカーに13年間勤務。結婚や出産、転居を機に「場所に縛られずに働ける専門職に就きたい」と思い、税理士資格を取得。現在は税理士法人Setupの社員税理士として約25社を担当しつつ、経営に参画。リーダー制の導入やチェック体制の整備、相続専門チームの強化等に取り組む。「働きやすい環境づくり」と「お客様目線のサービス」を両立させながら、香川県の税理士業界の変革を目指している。
所在地:【松縄オフィス】
香川県高松市松縄町1087番地3-2階