YAAC税理士事務所【税理士】山田 直広
“オーダーメイド支援”で経営者と伴走──後悔しない生き方を貫く、元バンドマン税理士の歩み
ロックから士業の世界へ。異色のキャリアが導いた税理士への道
——まずは、これまでの経歴と税理士を目指したきっかけをお聞かせください。
山田:元バンドマンで、高校時代はギターを弾き、ライブハウスでも演奏していました。卒業後にバンドが解散すると、車に夢中になり、運送会社や自動車用品店で働きました。好きなことを仕事にできた幸せな時期でしたが、30代を前に「このまま現場で人生を終えるのか?」という思いが芽生えました。そこで、全く別の世界に飛び込む決心をしたんです。
——ご家族に会計士や税理士が多い中で、最初は「絶対に同じ道は行かない」と反発されていたとか?
山田:ええ(笑)。若い頃は“反骨精神”こそロックだと思ってました。でも現場でキャリアの天井を感じたとき、「自分の意思で決めたい」「事業をつくりたい」という欲求が強くなり、営業会社に転職しました。「何をするにも営業力が要る」と思ったからです。その後、会計士や社労士とも比較し、最終的に“税理士が一番面白そうだ”と感じて資格の取得を目指しました。
現場での天井感で気づいた「後悔しない生き方」
——税理士を「面白そう」と感じた背景には、どんな原体験があったのでしょうか?
山田:僕の根っこにあるのは、「後悔しない生き方をしたい」という信念です。現場でリーダーをしていた頃、「この上はもうない」と感じたんです。だから、「やりたいことを全部やってみよう」「ダメならやめればいい」と。結果的に両親と同じ業界に入りましたが、それは自分の意思で選んだこと。それが大事でした。
——お母様の事務所での勤務経験が、独立への大きな後押しになったそうですね。
山田:はい。実務経験を積み、開業時に一定の顧問先を引き継ぐことができたのは恵まれ感謝しています。ゼロスタートではなく「最初から走れる状態」で独立できたんです。勤務時代に自由に現場を経験させてもらえたことは、自信の強みになったと感じています。
報酬以上の価値を提供する「オーダーメイド支援」
—— 独立当初から、単なる税務処理を超えた支援を意識されていたとか。
山田:そうですね。常に意識していたのは、「お客様が払ってくださる報酬以上の価値を出せているか」ということです。形式的には税務顧問ですが、実際はDX導入支援や経理BPO、月次決算、伴走支援などを組み合わせたオーダーメイド支援をしています。
——創業支援にも力を入れてこられたそうですね。
山田:はい。ゼロから一緒に立ち上げていく創業期の支援は、まさに二人三脚で育っていく感覚があって楽しかったです。その経験が、今の「クライアントごとに最適な支援を設計する」というスタイルの基礎になりました。
インタビューで、あなたの『価値』を届けませんか?
記事作成・掲載は無料。ふらっとがあなたの発信を全力でサポートします。
コミュニティーに参加しインタビューを受ける
「経営者との伴走」が生む真の成果
——試行錯誤の中で「これが自分の支援の核だ」と気づいた瞬間はありましたか?
山田:開業して数年経ったころ、ようやく腑に落ちたのが「伴走しなければ意味がない」ということでした。融資用の創業計画書や改善計画も、経営者は日々の業務で開かなくなりがちです。だから、僕らが定期的に進捗を振り返り、経営者の視線を“未来”に戻す。これが大切なんです。
——計画を“生きたもの”にする支援ですね。
山田:まさにそうです。計画を立てるだけでは動かない。定期的なコミュニケーションが、経営判断の迷いを減らし、会社を前に進める力になる。これが僕らの月次支援の核であり、今のやりがいです。
MVVの明確化で組織の“軸”を立てる
——現在は事務所拡大にも注力されているとか。組織づくりで意識されていることは?
山田:今はメンバー5名。税理士は僕だけですが、受験生が3人いる若い組織です。以前は人がすぐ辞めてしまうこともあり、なぜ合わないのか徹底的に考えた結果、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を明確にしました。
——採用段階から方向性を共有しているんですね。
山田:そうです。MVVを共有することで、同じベクトルの人材が集まるようになりました。短期目標は年商1億円・従業員10名体制。これは「自分がどんな経営者になれるか」を試すチャレンジでもあります。最終的には「一人ひとりが強くなる組織」を目指しています。卒業したスタッフが「山田事務所でよかった」と思えるような場所にしたいですね。
価値観を共有できる仲間と未来へ
——「後悔しない生き方」を軸にした先生の考え方は、多くの士業に共感を呼ぶと思います。最後に、読者へのメッセージをお願いします。
山田:今、事務所は拡大期で、ありがたいことに仕事は潤沢です(笑)。freee会計専門で、DXに前向きなクライアントを支援しています。「報酬以上の価値を提供する」という哲学に共感してくださる先生方とは、ぜひ一度お会いしたい。異業種で培った経験が、経営課題を多面的に捉える力になっています。
これからも等身大で、でも情熱を持って、「こんな税理士に会ってみたい」と思われる存在であり続けたいです。
先生のご紹介
山田 直広 [YAMADA NAOHIRO]
略歴:税理士。高校卒業後、約1年間バンド活動を行い、その後、車好きが高じて運送会社に勤務。トラック運転中に盲腸で入院したことを機に転職を決意し、自動車用品販売店にオープニングスタッフとして入社。現場リーダーを務める。
家業が会計事務所であった影響と、現場仕事からのキャリアアップを考え、30代で税理士を目指す。母親の会計事務所で4年間修行後、担当顧客を引き継ぎ独立開業。現在は創業支援をメインに、クライアントごとにカスタマイズした支援を行うfreee会計専門の税理士として活動している。
所在地:千葉県船橋市宮本2-13-18岩田ビル2F
HP:https://yamatax.biz/