高井俊明税理士事務所【代表税理士】高井 俊明
「困っている人の力になりたい」徹底した顧客志向で、サービス拡大を目指す税理士の歩み
実家のお寺での「不甲斐ない」体験から再び税理士の道に
—— まずは、先生が税理士を目指されたきっかけからお聞かせください。
高井: 実家はお寺なんですが、お坊さんになる気持ちはなく、一般の大学の経営学部に進み、立ち上がったばかりの会計学科で、簿記を学ぶ機会があったんです。試しに受けた資格試験にすんなり合格して「これは自分に合っているかもしれない」と感じたのが、税理士を目指すきっかけだったと思います。
ただ、大学卒業後は就職活動に気乗りせず、お坊さんの修行に戻りまして。実家のお寺の手伝いをする中、相続の相談を受けることが増えたのですが、当時の自分には知識がなく、力になれなかったんです。そのとき心底「不甲斐ない」と感じまして。この思いが、税理士を本気で目指す原動力になりました。ドジャースの大谷選手ではないですが、お坊さんと税理士という二刀流を実現したいと決意しました。
—— 税理士を目指すモチベーションを保ち続けた原体験と言えそうですね。
高井: そうですね。やはり、その時の「困っている人の力になりたい」という思い。あのときに相続の相談に応えられなかった悔しさが、ずっと心の中に残っています。その気持ちがあったから、5年も6年も粘り強く勉強を続けられたと思います。
—— 資格取得後、会計事務所での勤務を経て独立されたそうですが、怖さはありませんでしたか?
高井: 全くなかったです(笑)。「相続専門でやる」と決め、ホームページを作れば集客できると安易に考えていました。けれど現実は甘くなく、案件は少ないうえにワンショットで終わるものばかり。収入は安定せず、ホームページ制作で資金も減っていく。このままでは事務所が潰れる、と危機感を覚えました。
徹底した顧客志向で、拡大し続ける組織へ
—— 顧問業務にシフトされ、お客様と向き合う中で大切にされていることは何でしょうか?
高井: 事務所の経営理念として「お客様の悩みを解決する」ことです。お客様の悩みに真摯に向き合い、親身になってお手伝いする。これに尽きますね。おかげさまで、顧客満足度は高いと自負しています。
一昔前はクラウド会計を強みとしていましたが、今やそれが当たり前になってきていますので、それよりも、お客様への対応の質を高く保つことにこだわっています。レスポンスの速さは特に意識していて、基本的に1営業日以内には必ず返信するようにしています。
——素晴らしいですね。ちなみに、事務所として、今、抱えている課題はありますか?
高井: 拡大路線を目指しているため、一番の課題は「人」ですね。
地方なので、優秀な人材を確保するのが難しいという現実があります。今後さらにスケールしていくためには、税理士の採用も必要になってくるので、ここが今後の大きな課題だと感じています。
—— 3年後、5年後の展望はどのように描かれていますか?
高井: 引き続き、拡大路線ですね。内部の仕組み化をさらに進めて、特定の業務に属人化しない体制を作っていきたい。ただ、規模が大きくなるほど、代表である私にしか対応できない案件も増えてくるので、そのバランスをどう取っていくかが重要だと考えています。
人生を楽しみ、業界を良くする仲間たちへ
—— 最後に、読者やこれから開業を目指す先生方にメッセージをお願いします。
高井: まず、これから開業される先生方へ。色々考える前に、とりあえず動いてみた方がいいと思います。完璧な準備を待っていたら、いつまで経っても動き出せません。
それから「周りの人たちと連携しながら進んでいくこと」が大切です。同じ目標を持つ仲間や、助けてくれる人は必ずいます。自分一人で抱え込まず、周りの力を借りることで、お客様のビジネスモデルに触れる楽しさや、想像以上のやりがいを感じられるはずです。ぜひ、仕事と人生のバランスを大切に、楽しく自分の人生を歩んでほしいと思います。
そして、同業の先生方へ。自分の利益だけでなく、税理士業界全体を良くしていける方と仲良くなりたいです。共に業界を盛り上げていけるような関係を築いていけたら嬉しいです。
先生のご紹介
高井 俊明 [TAKAI TOSHIAKI]
略歴:税理士。実家がお寺という環境で育ち、経営学部で簿記を学ぶも、大学卒業後に僧侶の修行へ。家業の手伝いをする中、相続の相談を受けるも知識不足を痛感し、再び税理士の道へ。税理士登録後は会計事務所での勤務を経て、独立。現在は、お坊さんをしながら顧客の悩みを解決するという信念のもと、税務顧問やクラウド会計に力を注ぐ。
所在地:大阪府泉佐野市高松東1丁目10-37 泉佐野センタービル 7階
HP:https://takaizeirishi.com/