
西盛税理士事務所 【税理士】西盛 祥太
「人の幸せ」を軸に、地域に根ざす税理士の探索の軌跡
フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。
本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと“ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。
士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。
ふらっとでは、そのプロセスを“探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、西盛税理士事務所 西盛 祥太 氏に取材しました!
母の言葉が導いた「人の幸せを第一に考える」税理士への道
——まずは、税理士を志したきっかけについてお聞かせください。
西盛: 実は、大学卒業後は証券会社に就職しました。そこで働く中で「もっとお客様の長期的な幸せに寄り添えるような仕事をしたい」という思いが強くなり、半年で転職を考えるようになったんです。ちょうどその時、母から「税理士に向いているんじゃない?」と声をかけられ、証券会社の同期からも同じように勧められました。
正直、当時は税理士が具体的にどんな仕事をするのかよく知らなかったのですが、調べてみると「努力が報われる」「人の役に立てる」という点が、人の幸せを第一に考えたい自分に合っていると感じました。さらに、独立して働ける可能性がある点も魅力的でしたね。そうして23歳の時に、税理士を目指すと決意しました。
——資格取得までは、どのように準備をされたのですか?
西盛: まずは専門学校に通うための資金集めから始めました。ホテルの宴会場で昼夜アルバイトをして、2年間で学費を貯めました。体育会系の現場でしたが、不思議と楽しかったですね(笑)。
就職してからは、まずベテランの税理士のもとで3年間学び、基礎をしっかりと身につけました。次に、より幅広い経験と最新の知識を得たいと思い、公認会計士2名が経営する事務所に転職しました。そこでは案件の数も質も非常に高く、全力で仕事に向き合う日々でした。ハードな環境でしたが、その分大きな成長につながったと思います。
ただ、自分としては資格取得の勉強時間を確保する必要もあり、「長期的にキャリアを築いていくためには、働き方を見直さなければ」と感じるようになりました。そこで、学びを続けられる環境を求めて転職を決意しました。
多様な価値観から得た「働き方・モチベーション」の基盤
——3つの事務所を経験し、何か気づきはありましたか?
西盛: 何より大きな気づきは、「人にはそれぞれ違った価値観や、働く上での原動力がある」ということでした。稼ぐことを優先する人、プライベートの時間を大切にしたい人、穏やかな環境で力を発揮する人──。
例えば、以前の職場では、机の上にお気に入りのフィギュアを並べている人や、化粧品を置いている人もいました。一見「どうして?」と思うかもしれませんが、それが本人にとっての安心感ややる気につながっていたんです。結果として仕事のパフォーマンスも上がる。そうした姿を見て、「一人ひとりの個性に合った環境をつくることが、組織にとって大切なんだ」と実感しました。
そして、税理士として20年間、資産家の相続に関わる中で「どれだけお金があっても、それが幸せに直結するわけではない」という現実も見てきました。むしろ家族との関係性や支え合いの中にこそ、幸せの形があるのではないか──そう思うようになったのです。
その考えをより深めてくれたのが、妻や娘の存在でした。家族がいることで日々の喜びを感じられ、辛いときにも「頑張ろう」と前を向ける。家族がいてくれるからこそ、自分は自分らしく生きられる。そう気づいた時、「お金だけでは幸せになれない。人を愛し、人に愛され、社会に役立つことが本当の豊かさだ」と強く思うようになりました。
だからこそ、独立後はルールで縛る事務所ではなく、それぞれが「自分の好きに囲まれて働ける」場所をつくりたいと考えています。私にとって働くことの意味は、家族が教えてくれた「幸せの形」を、職場や社会に広げていくことなのです。
「地域の再生拠点」として地域に根ざした存在でありたい
——現在、税理士法人化に向けて準備中と伺いましたが、これからの展望を教えてください。
西盛: 仮称ですが「大手前税理士法人」と名付けようと思っています。事務所がある大阪の「大手前」にちなんでの命名ですが、「大手」がつく地名は全国にあり、多くはお城があった場所、つまり、エネルギーが集まり、街が栄えた場所なんです。
地域の再生拠点として「大手前税理士法人」が全国に広がったら素敵だなと思っています。早朝に大阪城の周りを走っている時、ふとそんな構想が降ってきたんです(笑)。若者や地場産業を支援しながら、地域に根ざす存在として成長していきたいです。
また最近では、社会課題の解決をテーマにした団体にも参加しています。きっかけは、相続や事業承継を通じて「家族や地域が抱える課題は、お金の問題だけではない」と痛感したことでした。そこで、デイサービスの運営や地域再生に取り組む人たちと出会い、事業の力で地域の暮らしを本当に支えている姿を目の当たりにしました。
その経験を通じて、私自身もただ従業員を増やすだけではなく、社会的な意義を持ち、誰かの幸せにつながるような組織をつくりたいと思うようになりました。事業は利益のためだけでなく、社会をより良く変えるための大きな力になる──そう確信しています。
「探索」はキャリアを見つめ直す大きなきっかけになる
——最後に、freee Advisor Dayに参加される方へメッセージをお願いします。
西盛: 僕自身も参加します。クラウド会計の活用やfreeeが描く未来の税理士像に強く共感しているので、学びの機会としても非常に楽しみにしています。
忙しい日々の中で新しい情報や人との出会いは、キャリアを見つめ直す大きなきっかけになります。自分自身や社会の未来に問いを持っている方こそ、ぜひこの場で「探索」してほしいです。会場でお会いできたら、ぜひ声をかけてくださいね。
先生のご紹介
西盛 祥太 [ NISHIMORI SHOTA]
略歴:税理士。証券会社での勤務経験を経て税理士の道を志す。3つの会計事務所で経験を積み、税理士資格を取得。多様な価値観に触れる中で現在の経営基盤を確立し、顧客の財務課題解決だけでなく事業を通じて社会課題解決を目指す。地域を軸とした若者や地場産業支援に注力し、税理士法人化を進めながら全国への展開と地域再生への貢献に尽力している。
所在地:大阪府大阪市中央区大手前1丁目7番31号
HP:https://nishimori-tax.com/