グローブ税理士事務所 税理士 茅根 幸祐

グローブ税理士事務所【税理士】茅根 幸祐

国税からベンチャー支援の最前線へ——スタートアップの未来と税理士の役割

フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。

本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと“ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。

士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。

ふらっとでは、そのプロセスを“探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、グローブ税理士事務所  茅根 幸祐 氏に取材しました!

ITテック→国税→税理士で独立という異色のキャリア

——まず、これまでのキャリアと、現在の活動についてお聞かせください。

茅根:私のキャリアは、ベンチャー企業から始まりました。もともと起業志向が強く、大学卒業後にカナダへ語学留学していて、外から見た日本のビジネスの勢いに感銘を受け、「日本で何かを成し遂げたい」という思いが強まりまして。

勉強のつもりでITテックの会社に入りましたが、うまくいかず。その後、祖父が国税職員だったことを思い出して「国税から税理士になって独立する」という道を進みました。

——ベンチャーからの国税の転身、正直、どうでしたか?

茅根:カルチャーショックでした(笑)。前職がIT企業だったので、紙文化や旧式のPC環境には大きなストレスを感じました。でも「独立のための修行」と割り切って、自分のスキル磨きに集中したんです。

当然、組織との摩擦もありました。納得できない指示に異を唱えていたら、ある時期は昇進も止まり、「干されて」いまして(笑)。でも、そこで真面目にやっていたことを、ちゃんと見てくれる人がいて、その方の推薦で、異例のスピードで国税庁に異動することができました。腐らずに自分を貫いたことが、結果的に道を開いてくれたと思っています。

特官付で知った“世の中の普通”の大切さ

——異動された国税庁では、どんな仕事を?

茅根:国会対応の業務でした。刺激はありましたが、自分の「面白さセンサー」はそこまで反応しませんでした。現在の税理士としての仕事観に影響しているのは、調査部門で「特官付」として働いた経験です。当時の上司である特官からの言葉が、自分の税理士観を形づくる大きなきっかけになりました。

——どのような気づきがあったのでしょうか?

茅根:「違和感に気づけることが一番大事」と教えられました。法律の知識以上に、一般常識を持つことが重要。“世の中の普通”がわかっていれば、おかしな取引にもすぐ気づける。それは税務に限らず、すべての専門職に通じる姿勢だと思います。

国内のスタートアップへの危機感で気づいた税理士の役割

——独立後、スタートアップ支援に特化されたきっかけは?

茅根:きっかけは「使っているサービスがすべて米国企業製だ」と気づいたことです。「このままでは、日本のスタートアップが育たないのでは」という危機感が湧きました。

——それが「スタートアップ支援」に関する探索の出発点だったのですね。

茅根:はい。国税時代にMBAにも通い、シリコンバレーと日本の違いを徹底的に研究しました。スタートアップの創業初期、つまりシード・アーリー期にこそ、税理士のような専門家の力が必要だと実感し、そこから「創業期のビジネスサイドメンバー」というポジションを意識して、独立後もブレずに進んできました。

現在、エクイティ調達や財務モデルの支援など、他の税理士事務所ではあまり対応していない領域に力を入れています。だからこそ、スタートアップから頼ってもらえる。今後はIPO支援や、将来的には自社が投資できる体制を整えたい。「10年後には100人規模のチームを作りたい」というビジョンを持っています。

——それは面白いビジョンですね。

茅根:国税時代に「仕事が面白くない」と感じた時期があり、その反動で「仕事が面白くあるべきだ」と強く思っています。事務所の理念は「生き生きとした人生を歩む」こと。それは私だけでなく、社員も、クライアントも、社会全体も同じ。この「生き生き」の連鎖を広げたいと思っています。

fADで新しい働き方や支援の形を一緒に探索しよう

——最後に、読者へのメッセージとfADへの期待をお願いします。

茅根:起業には覚悟が必要です。でも、本当に社会課題を解決したいという思いがある方には、私も本気で伴走します。今の私たち事務所が支えられる範囲には限りがありますが、だからこそ他の仲間とバトンをつなぎ、日本のスタートアップエコシステム全体で未来をつくっていけたらと思います。

税理士・会計士は、もっと“探索”できる職業だと思っています。特にスタートアップ支援では、自分たちがどれだけ価値を発揮できるか、常に試される。その可能性を、共に切り拓いていけたら嬉しいです。

fADでは、AIやfreeeを活用しながら、新しい働き方や支援の形を一緒に探索できる出会いを、楽しみにしています。

先生のご紹介

茅根 幸祐 [CHINONE KOSUKE]
略歴:税理士。起業志向からITテック企業を経て、国税職員へ転身。税務調査を通じてビジネスの基本と税務の基礎を学ぶ。独立後、日本のスタートアップの危機感から、シード・アーリー期のスタートアップ支援に特化。エクイティ調達や財務モデル支援に強み。「生き生きとした人生を歩む」を理念とし、仕事の面白さを追求。関わる全ての人々の「生き生き」の連鎖を広げたい。
所在地:東京都港区芝公園1丁目8-20
HP:https://grove-tf.co.jp

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