
佐藤遼太郎会計事務所 税理士/ 公認会計士/株式会社オルバイ 取締役副社長 佐藤遼太郎
「単なる会計ソフトではなく、役立つ仕組みを」ユーザーとともに探索する税理士の探索の軌跡
フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。
本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと“ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。
士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。
ふらっとでは、そのプロセスを“探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、佐藤遼太郎会計事務所 佐藤 遼太郎 氏に取材しました!
不動産営業から、会計士・税理士へ――“異業種”の出発点
——先生は、会計の世界に入る前に不動産業界で働かれていたんですよね?
佐藤:はい。大学卒業後に東急リバブルで営業職に就きましたが、半年で辞めました。お客様がまだ買う気のないタイミングで売り込まなければならない営業の難しさに「これは違う」と思ったんです。
——そこから一転、会計士を目指されたのは、何がきっかけだったのでしょうか?
佐藤:リバブル時代の同期から「資格の勉強が得意そうだし、会計士を目指してみたら?」と勧められたのがきっかけですね。確かに宅建の勉強も苦じゃなかったし、安定した職業にも惹かれたので、簿記3級からスタートしました。
当時は実家暮らしで、週1のバイト以外はずっと勉強漬け。2年で合格し、2017年にPwCあらた監査法人へ入所しました。自分でも「向いていたんだな」と思えた瞬間でした。
「横浜で働きたい」想いが独立の原点に
——監査法人での仕事から、独立を考えるようになった背景は?
佐藤:大企業の監査業務を5年ほど担当する中で、「もっと自分で責任を持って仕事がしたい」「地元の横浜で貢献したい」と感じるようになりました。とはいえ、いきなり独立するのは怖かったので、2022年9月からはPwCに非常勤で籍を残しつつ、自分の事務所を立ち上げました。
——段階的に「探索」されたんですね。
佐藤:そうですね。リスクを抑えながら、現場のニーズを探りつつ形にしていきました。最初は補助金申請の支援など、できることから始めました。
会計ソフト開発という未知領域への挑戦
——会計ソフト「オルバイ申告」の開発に至った経緯を教えてください。
佐藤:鶴見の税理士会で出会った小西と意気投合し、株式会社オルバイを立ち上げました。最初は補助金ツールや記帳代行を考えましたが、どれもしっくりこなかった。そんなとき、「税理士の自分たちにしかできないプロダクトってなんだろう」と考え、たどり着いたのが会計ソフトでした。
——freeeやMoneyForwardなど、競合も多い領域のように思いますが…。
佐藤:だからこそ、自分たちだから作れる“すき間”を狙おうと。特に、税理士顧問をつけられない個人事業主やフリーランスの方に寄り添うプロダクトを目指しました。
お金も時間も限られている個人事業主の方が、難しい申告で悩むことなく、本業に集中できる環境を作りたいんです。そのために、公式LINEでユーザーと常にやり取りし、リアルな声を反映しています。
——現場のリアルな声と共に「探索」されている、というわけですね。
佐藤:自分たちがつくっているのは「単なる会計ソフト」ではなく、「誰かの役に立つ仕組み」なんです。その可能性を、日々、ユーザーとともに見つけていくプロセスが楽しいですね。
若さゆえの柔軟性、フットワークの軽さとスピード感を生かして、お客様にとっての「最適解」を常に探し続ける姿勢を大切にしています。
「3年勝負」で広げる未来の選択肢
——今後の展望について、どのように考えていらっしゃいますか?
佐藤:「オルバイ申告」は、僕にとって“3年勝負”の探索期間です。開発体制も整ってきたので、これからさらに多くのユーザーに使ってもらえるよう、全国展開を視野に入れています。
——会計事務所としての展望は?
佐藤:今はオルバイにリソースを注いでいるので、事務所は無理に拡大せず、既存のお客様との関係を丁寧に育てていきたいと考えています。3年後、また新たな道を「探索」する可能性もゼロではありません。
freee Advisor Dayに期待する「出会い」と「問い」
——最後に、freee Advisor Dayへの期待と、読者へのメッセージをお願いします。
佐藤:freeeさんのように「仕組みで業界を変える」姿勢には、私も強く共感しています。AIと会計が融合する時代に、どんな未来が描けるのか。そんな視点をもっている方と出会えることを、心から楽しみにしています。
——読者へのメッセージもぜひ。
佐藤:税理士や会計士の皆さん、独立や新しいサービス開発を考えている方にとって、今はとても面白い時代です。私もまだ「探索」の途中ですが、誰かの課題を解決できるプロダクトや仕組みづくりは、やりがいがあります。
もしこの記事を通じて何かを感じてくださったら、ぜひ気軽に声をかけてください。一緒に、士業の新しい未来を描いていきましょう。
先生のご紹介
佐藤 遼太郎 [SATO RIYOUTARO]
略歴:税理士。公認会計士。株式会社オルバイ 取締役副社長。
不動産業界を経て、公認会計士の資格を取得。PwCあらた監査法人で5年間大企業の監査業務に従事後、2022年より独立。税理士事務所を開業し、補助金申請支援等を行う。2023年には株式会社オルバイを設立。個人事業主向け会計ソフト「オルバイ申告」を開発、ユーザーとの対話を重視し、誰かの役に立つ仕組みとして提供中。フットワークの軽さを強みに、顧客にとっての「最適解」を模索し続ける。
所在地:神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央一丁目
HP:https://ryoutaro-tax.com/
https://allby.jp/