村上裕一公認会計士事務所【税理士】村上裕一

村上裕一公認会計士事務所【税理士】村上裕一

「仮想通貨の税金が分からない」魔界で“探索”し続ける型破りな会計士のリアル

フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。

本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと“ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。

士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。

ふらっとでは、そのプロセスを“探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、村上裕一公認会計士事務所  村上裕一 氏に取材しました!

なぜ仮想通貨の専門を目指したのですか?

――まずは村上さんの経歴をお聞かせください。

村上:はい。大学卒業後に公認会計士試験に合格し、監査法人に勤務しました。監査法人で8年勤務しましたが、出世競争が厳しく、大手上場企業に転職しました。転職先は日本のホワイト企業ランキング上位に所属するようなところで、監査法人にないワークライフバランスを満喫できました。ですが、働きやすさは抜群でしたが、心のどこかで「これでいいのか?」っていう物足りなさがあったんです。そんなとき読んだビジネス書で「これからはフリーランスの時代だ!」みたいな言葉に背中を押されて、独立を決意しました。

――独立後、すぐに今の道が見えたわけではなかったそうですね。

村上:全く見えてませんでした。監査のバイトをしながら、手探りの日々。そんなとき、転機になったのがTwitterでした。

――当時のTwitter、今はX.comですが、具体的には何が転機になったんでしょうか?

村上:仮想通貨トレーダーのインフルエンサーと知り合って、「仮想通貨の税金が分からない」って呟きに反応したんです。そこで、仮想通貨の税務を本気で理解している人がほとんどいない現状を知りました。当時はGoogleなどのネットにも正しい情報が転がっておらず、例えば「海外の仮想通貨取引所は無申告で良い」などというような誤った情報がGoogle検索のトップに表示されていました。

――そこにチャンスを感じたということですか?

村上:そう、まさに(笑)。これはチャンスだと直感しました。自分も仮想通貨に詳しいわけじゃなかったけど、ライバルが少ないなら「じゃあ自分がやるか」と。ノリ半分でしたけど、ここからが本格的な“探索”の始まりでした。

仮想通貨バブルの渦中での爆益と爆損

――ご自身でも仮想通貨投資はされたのですか?

村上:実は昔からリップル(XRP)を購入していました。当時からビットコインを購入していれば軽く10倍以上になっていたので後悔しています(笑)。ですが、仮想通貨の分野に強くなるために、2021年からNFTやブロックチェーンゲームをやり始めました。これがめちゃくちゃ面白くてハマりました。NFTが数倍の値段で売れるのは当たり前。僕自身も、無料でもらったNFTが50万円で売れたりして、完全にのめり込みました。

――税理士より儲かる…と思った瞬間も?

村上:正直、ありました(笑)。「STEPN」というアプリで70万円のNFTスニーカーを買って、1日10万円以上稼げた時期もあって。「もう税理士の仕事いらなくない?」って本気で思いましたよ。

――でも、その後の急落があったとか?

村上:はい。突然の悪材料で、資産の8割が吹き飛びました。最終的に250万円くらい赤字を抱えて、現実を思い知りました。あの時の「調子に乗ってたな」という反省は、今も強く心に刻まれています。

「当たり前」を積み重ねた先にあった信頼

――その経験が、税理士としての仕事にどう活きたのでしょう?

村上:一番の気づきは、「当たり前を真面目にやること」の強さですね。仮想通貨の投資家は、損益計算が一番の悩みなんです。「利益が分からないから申告できない」って。なので、僕は損益計算からしっかりサポートします。

――意外とそこをやらない税理士も多いのですか?

村上:はい。理由としては仮想通貨の損益計算は非常に複雑であることが挙げられています。利用している取引所によって取引履歴のフォーマットがバラバラであったり、DeFiやウォレットの取引をしているのであれば、スキャンサイトでの分析が必要になります。これが非常に難しく、時間がかかります。ですが、僕にとっては「困っているなら一緒に計算する」って当然のこと。その姿勢が、結果的に信頼につながったんだと思います。

――独立初期に支えになった方もいたとか。

村上:士業の集客支援をする株式会社SoLaboの田原社長です。「俺、見た目はこうだけど仕事は本気でやるんで、ぜひサポートさせてください」って、真剣に頭を下げてくれた。その人間味に惹かれて、二人三脚でブログやHPを改善しました。

――そこから軌道に乗ったんでしょうか?

村上:はい。仮想通貨バブルの追い風もあって、問い合わせが爆発的に増えました。あの出会いがなかったら、今の自分はなかったと思います。田原社長には本当に感謝しています。

YouTubeでの情報発信と、次なる“探索”の場

――現在、特に力を入れていることは?

村上:YouTubeでの情報発信です。仮想通貨税務はどうしても確定申告時期に偏るので、この時期は時間に余裕がありますので、はYouTubeで週3本くらい発信しています。

――具体的にはどんな内容を発信されているんでしょうか?

村上:税制改正や時事ネタ、税金のQ&Aなど、専門的だけど分かりやすく伝えるよう心がけています。正しい情報を広めることは、今後ますます重要になると思っています。

――これから挑戦したいことは?

村上:僕自身の海外移住です。今はマレーシアへの移住を検討しています。海外から日本の仮想通貨の損益計算や移住支援をサポートする形を模索中です。僕は損益計算まで行って、税務申告は日本のパートナー税理士に依頼する…そんな新しいビジネスモデルを“探索”していきたいです。

FADで出会い、共に“探索”する未来へ

――freeeやfADへの思いもお聞かせください。

村上:freeeは、AIの進化で記帳業務が本当に楽になりました。将来はスキャンするだけで決算書が完成する時代になると思っています。freeeは、その先頭を走っていると感じますね。

――AIが進んでも、士業の役割は残ると思われますか?

村上:当面は残るかと思います。AIは間違うことがあるので。ですが、それもAIの学習能力の高さを考えると数年でなくなるんではないかと思います。ただ、今とは別の形で士業は生き残ると思うので、AIと共存した仕事の’’探索”も楽しみですね。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

村上:SNSではちょっと怖く見えるかもしれませんけど、実際は物腰も柔らかいし、ちゃんと話せる人間です(笑)。freee Advisor Dayのようなイベントは、普段出会えない人と交流できる貴重な場。僕自身も、そんな場所でまた新しい“探索”を始めたいと思っています。読者の皆さんも、ぜひ一緒に未来を切り拓きましょう。

先生のご紹介

村上裕一 [MURAKAMI YUICHI]
略歴:税理士・公認会計士。幼少の頃より算盤や数学が得意で、高校時代に親から公認会計士の仕事を勧められたことを機に、会計士を目指す。大学卒業後、3年間の猛勉強の末に公認会計士試験に合格。監査法人で約8年間勤務した後、上場企業の経理・財務を4年経験。刺激を求め、独立を決意。SNSで仮想通貨税務に関する発信を始め、2021年の仮想通貨バブルを追い風に、暗号資産に特化した税務顧問として事業を拡大。現在はYouTubeでの情報発信にも力を入れる。
所在地:東京都練馬区下石神井3-9-10
HP:https://crypto-cpa.jp/

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