
SoNiC会計事務所【公認会計士/税理士】出水 祐介
SoNiC会計事務所・出水祐介が語る、挑戦の軌跡
フリー株式会社が主催する士業に関わるすべての人たちが集まる、年に一度の日本最大級イベント「freee Advisor Day 2025(略して、fAD2025)」の特別プロモーション連動企画として、ふらっとがコラボさせていただくことになりました。
本イベントのテーマは「探索」。ユーザーと“ともに未来の可能性を探索し続ける場”として開催されます。
士業の皆さんが日々、どのように課題と向き合い、業務や組織のアップデートを実現しているのか。
ふらっとでは、そのプロセスを“探索の軌跡”として掘り下げるインタビュー企画として、今回、SoNiC会計事務所 出水 祐介 氏に取材しました!
音速の対応を掲げる、新時代の会計事務所
——まずは、出水先生のこれまでのご経歴と現在の活動について教えてください。
出水: SoNiC会計事務所の出水祐介です。2024年12月に本格的に設立し、現在は5人で活動しています。事務所名の「SoNiC(ソニック)」は「音速」から取りました。スピード感のある対応を武器に、全国のクライアントにオンラインでサービスを提供しています。特に「相談しやすさ」と「寄り添い」を大切にしており、気軽に相談できる会計事務所を目指しています。
焦りが導いた、会計の世界への一歩
——会計士を目指したきっかけは何だったのでしょうか?
出水: 大学3年の終わり、周りは就職活動一色。ただ、このままでは自分のやりたいことができる会社に就職できないと思い、焦っていました。そんな時、大学の簿記2級の講座を受けてみたんです。これが驚くほど楽しくて、2級、1級とスムーズに合格しました。その時、講座の先生に「会計士という資格があるよ」と言われ、調べるうちに「これだ」と思いました。
——そこから一気に会計士の道へ?
出水: はい。大学受験で失敗した悔しさもあって「ここで巻き返さなければ」と必死でした。アルバイトで貯めた70万円を予備校の費用に充て、全て自分で道を切り拓く覚悟でした。あの時の決意が、今につながっています。
葛藤から始まった「自分の軸」の模索
——念願の会計士になり、大手監査法人で働かれたそうですね。
出水: デロイトトーマツに入り、最初は標準業務をこなす日々でした。でも次第に「この働き方でいいのか?」と疑問を持つように。もっと深くビジネスに関わりたいと思い、好きだったアパレル業界のZOZOやZHD(LINEやYahooなどの親会社)のチームへ社内公募で部署異動を申し込みました。
——異動は簡単ではなかったのでは?
出水: 運もありました。たまたまZOZOの監査法人が変わる時期で、熱意を伝えたら、縁も重なり、異動が実現しました。倉庫での棚卸やビジネスモデルの理解など、現場での学びはとても大きかったです。
——そこから海外へ飛び立ったのですね。
出水: 社会人3年目の時に海外駐在を希望していたのですが、「今はまだ早い」「英語力が足りない」と断られ、将来海外駐在できるかもしれないし、できないかもしれない状況でした。そこで、自分の人生を他人に預けたくないと強く思い、ワーキングホリデーで飛行機のチケットのみ取得し、オーストラリアに行きましたが、結局ビザの影響で会計事務所での仕事はできず、BARや羊の工場で働きました。ただ、その間もUSCPAの勉強は続けていました。
——海外での「探索」で気づいたことは?
出水: 海外で感じたことは、とにかく自由に自己表現ができる場所だと感じました。世界中の様々な人や文化に触れる良い機会となりました。USCPA受験のため、日本に一時帰国した際にUSCPAの先生に「日本で一度しっかり基盤を作ってからでも遅くない」と助言を受け、日本で再就職しながら、日本で独立の準備を進めました。
「相談しやすさ」から生まれる税理士の価値
——独立に至るまでの道のりを教えてください。
出水: 最初は親族や友人の依頼で細々と始めました。副業の個人事務所でしたが、売上が本業の給与を超えたタイミングで独立を決意。2024年12月にコンサル会社を退職し、2025年1月にデロイト時代の先輩・夏目とともに株式会社SoNiCを設立しました。
——事務所の強みはどこにありますか?
出水: 若いメンバーが多く、フットワークの軽さとスピード感は大きな強みです。記帳代行や申告業務だけでなく、資金調達や補助金サポートまで幅広く対応できます。また、「音速の対応」は意識次第で誰でもできることなので、そこは絶対に妥協しません。
——特に大切にしている姿勢は?
出水: 「相談しやすさ」と「能動的な提案」です。公式LINEを活用して気軽に相談できる環境を整え、こちらからも補助金や事業支援の情報を積極的に提供しています。税務以外の分野でも価値を生み出すことが、私たちの役割だと思っています。もちろん会計システム(freeeとマネーフォワード)を活用し、業務の効率化も図っております。
——それらの姿勢は、どのような気づきから?
出水: 税理士業界は、まだ「当たり前のことをきちんとやるだけ」で評価されやすい環境です。だからこそ、「スピード対応」と「寄り添い」、「能動的な提案」を徹底するだけで、大きな信頼につながります。そして、夏目の存在も大きいですね。私は「0→1」が得意ですが、彼が加わることで「1→10、いや1→100」が現実的になりました。
「みんなで幸せ」を追求する組織づくり
——今後の事務所の展望について教えてください。
出水: サービスはお客様のニーズに合わせて柔軟に広げていく予定です。組織としては、10〜15人ほどのコンパクトな規模で、クライアントの皆様も含め、SoNiC全体でみんながより幸せになれる職場を目指しています。
——従業員を雇ったことで、どんな変化がありましたか?
出水: 最初はプレッシャーで震えましたが、仲間と働く楽しさを知りました。同時に、「自分の当たり前は他人の当たり前じゃない」と気づかされ、丁寧に伝える大切さを学びました。今は、経営者としても一人の人間としても、日々成長を感じています。
——生まれ変わっても、また会計士を選びますか?
出水: 間違いなく会計士です。ただ、会計士としての軸は持ちつつ、「第二の矢」も意識しています。SoNiCを成長させた先に、もう一つ新たな挑戦を仕掛けたいですね。
「探索」を通じて、自分自身の可能性を見つけてほしい
——最後に、freee Advisor Dayへの期待と、読者へのメッセージをお願いします。
出水: fADは、税理士・会計士が「探索」できる貴重な場です。日々の業務に追われる中で、自分の可能性を再確認し、新しい一歩を踏み出せる場所。私自身も、常に「次の可能性」を探し続けています。読者の皆さんも、ぜひ「探索」の旅に出て、自分の未来を切り拓いてほしいですね。
先生のご紹介
出水 祐介 [DEMIZU YUSUKE]
略歴:公認会計士・税理士。大学在学中に簿記と出会い、その面白さにのめり込む。公認会計士の資格取得後、デロイトトーマツで会計監査に従事し、ZOZOやZHDといった大手クライアントを担当。その後、オーストラリアでのワーキングホリデーを経験し、多様な働き方を模索。帰国後、コンサルティング会社での勤務を経て、2024年12月に本格的に独立。2025年1月に株式会社SoNiCを設立し、若手経営者ならではのフットワークの軽さと、顧客に寄り添う姿勢で、「音速」の顧客対応を心がける。単なる記帳代行や申告業務だけでなく、事業戦略や資金調達など幅広い相談に対応。
所在地:神奈川県厚木市恩名5丁目8-3-306
HP:https://sonic-acc.com/