今井税理士事務所【税理士】今井 亮輔
「顧問料はフックでいい」——常識を覆す独自モデルと“笑い&対話”で業界の危機を救う、熱き税理士の軌跡
2026-09-4
独学からスタートした税理士への道
——まずは、税理士を目指されたきっかけをお聞かせください。
今井: 僕は東京の足立区出身で、僕自身はやんちゃだったわけではないのですが、周囲はなかなか激しい環境でしたね(笑)。一歩外に出れば戦場のような環境だったからこそ、根底にある度胸や人間関係の距離感、上下関係の意識は自然と鍛えられた気がします。
高校時代は野球の強豪校で部活に打ち込んでいたのですが、当時教育実習に来ていた野球部のOBの方と話す機会があり、「経済や経営関係の学部ではみんな簿記を勉強しているよ」と言われたんです。大学に入って時間を持て余した時、ふとその言葉を思い出して簿記の勉強を始めたのがきっかけでした。
—— 独学で勉強を始められたと伺いましたが、そこから一気に税理士まで突き進まれたのでしょうか?
今井: 簿記2級までスムーズに合格し、「1級も余裕だろう」と高を括っていたら見事に打ち砕かれました。11月に試験を受け、12月に不合格通知が届いた時、「独学では無理だ」と人生で初めて大きな壁にぶつかりましたね。
その後、失意のまま大学の教務課に行ったのですが、たまたま見つけた大原のパンフレットに「1月開校」と書いてあるのが目に入りました。「これは運命だ!」と直感し、税理士がどんな仕事なのかすら理解しないまま、パンフレットを握りしめてその場で受講を申し込みました。
ハードな下積み時代と恩師からの学び
——受講を決意されてからの試験勉強や、下積み時代はいかがでしたか?
今井:通常は9月から1年かけて準備する試験なのに、1月開校の講座でいきなり簿記論・財務諸表論・消費税法の3科目を同時に申し込むという無謀なスタートを切りました(笑)。案の定時間は足りませんでしたが、奇跡的に1年目で財務諸表論に合格できたことで、覚悟が決まりました。
22歳の時に就職し、仕事と試験勉強を両立する生活を送っていたのですが、当時は終電でも帰れないようなハードな環境でしたね。ただ、その事務所が保険代理店や飲食店のコンサルティングなど手広くやっていたため、20代前半でそれらの責任者を任され、税務以外の泥臭いビジネスの現場を身体に叩き込めたことは大きな糧となっています。こうした実務と並行して勉強を続け、4年半で5科目を取得し、25歳で税理士になりました。
——その後、独立に向けてどのように動き出されたのですか?
今井: 5年働いて27歳で独立しようと決意し、「師匠」と慕っていた先生に報告へ行ったんです。大学時代にアルバイトをしていた会計事務所でお世話になった方で、挨拶のつもりだったのに「で、いつからうちに来れるんだ?」と言われて(笑)。恩返しをしたいという思いもありましたし、運命を感じてそのまま先生の事務所で、税理士法人の立ち上げに参画しました。
師匠はとにかく「遊べ、全力で遊んで感覚を磨け」という人でした。最初は驚きましたが、一流の店で食事をして感性を磨くことや、ゴルフや飲み会で人と本気で付き合うことの大切さを教わりました。実は、うちの事務所で活躍している営業担当の女性も、当時遊んでいた趣味の配信アプリで出会ってスカウトしたんです。一見関係なさそうな「遊び」や「趣味」が、巡り巡って素晴らしい人財やビジネスに繋がると体感しました。
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「顧問料は導入の入り口」。常識を覆すビジネスモデルの真意
——現在の事務所でのサービス展開についてお聞かせください。
今井: 多くの会計事務所は、顧問料を高額に設定して付加価値を売ろうとしますが、僕は「顧問料はあくまでフック。導入の入り口でいい」と考えています。年間100万〜200万円という高額な顧問料をいただき、それに見合う圧倒的な手厚いサービスを少人数で提供し続けるのは限界があるからです。
サービスへの期待値が上がりすぎると、お客様の中に「こんなに払っているのに大したことをしてくれない」という不満が生まれやすく、その結果、事務所側がどれだけ苦労して対応しても解約に繋がってしまいます。そこで、一般的な相場より抑えた価格で顧問契約を結ぶことで、まずは信頼と「提案できる一番手」の立場を獲得するんです。
——顧問料を下げることで、事業としてはどのように成り立たせるのでしょうか?
今井: 顧問料という入り口を広くして信頼を獲得し、その後のスポット提案や周辺ビジネスで適正な対価をいただくことにしています。この構造を作れば、お客様もコスト以上の恩恵を受けられ、双方にとって最高の関係が成り立つのです。
試算表や数字を誰よりも早く把握できるのは、顧問税理士だけの圧倒的な強みです。だからこそ、お客様の状況に合わせた最適な保険や補助金、システムの提案ができると考えています。
業界の弱点を強みに変える「笑いと対話」
——お客様や事務所のスタッフと向き合う上で、最も大切にしている理念は何ですか?
今井: 「笑いと対話」です。ある調査で、税理士を解約する理由の1位が「挨拶ができない」、2位が「コミュニケーションが取れない」という結果を見て衝撃を受けました。専門知識以前の問題で悩んでいるお客様がこんなにも多いなら、僕たちは徹底的に話しやすく楽しい時間を届けられれば、それだけで圧倒的な差別化になると確信しました。
——オフィスにもフィギュアや漫画の絵がたくさん飾られていて、税理士事務所のイメージが良い意味で覆されます。
今井: まさにそれも「対話」を生み出す仕掛けのひとつなんです。共通の話題があると、お客様も一気に緊張が解けて本音を話してくれるようになる。税理士と経営者という堅苦しい関係のままでは、根底にある悩みや本音を引き出すことはできません。「こんなに話しやすい先生は初めて」と言っていただけた時は、本当に嬉しかったですね。スタッフに対しても風通しの良さを意識し、普段からくだけた対話を繰り返すことで、全員が気持ちよく働ける環境をつくっています。
AIを活用した業界改革と、若手税理士へのエール
—— 今後の事務所の展望についてお聞かせください。
今井: 単純な記帳や入力業務は、今後間違いなくAIに代替されます。だからこそ、僕たちはAIを活用してお客様ごとのデータ変換ラインを構築するなど、業務を極限まで効率化する取り組みを進めています。
労働時間を減らして税理士業界のハードルを下げなければ、若手が育たず業界全体が衰退してしまう。合格までに平均9〜10年かかると言われる中で、過酷な残業に追われて勉強時間が取れずに夢を諦めていく若者を減らしたいんです。AI化を進めて業界へ参入しやすい環境を作り、税理士業界の平均年齢を下げることが僕の大きな使命だと思っています。
—— 最後に、これから独立を目指す若手の税理士や会計士へメッセージをお願いします!
今井: 税理士は、安定したストック収入と単発のスポット収入の両方を狙える、本当に夢のある素晴らしい資格です。だからこそ「ただ独立する」のではなく、「自分はどんな価値を提供したいのか」を明確に描いて飛び込んでほしいですね。自分のやりたいことを突き詰めて挑戦すれば、税理士という資格は絶対に裏切りません。ぜひ一緒に、この業界を面白くしていきましょう!
先生のご紹介
今井 亮輔 [IMAI RYOSUKE]
略歴:税理士。大学在学中に独学で簿記2級を取得後、税理士の道を志す。複数の税理士事務所で実務経験を積み、保険代理店業務や労務管理、飲食店支援などの幅広いスキルとノウハウを習得。その後、恩師との税理士法人の立ち上げを経て、2023年に独立開業。
徹底した顧客目線のコミュニケーションを強みとし、「笑いと対話」をテーマに掲げた柔軟な顧問サポートを展開。AI技術の積極的な導入による業界の労働環境改善や若手支援、各種サービス提案を通じた経営支援を得意とする。
所在地:東京都台東区東上野3-13-2 AYビル7階
HP:https://imaitax-ueno.com/