山中紗絵子税理士事務所【税理士】山中 紗絵子

猫のように、経営者の孤独にそっと寄り添う——「温度感のある税務」を求めて大手から独立した税理士の歩み

2026-06-26

山中 紗絵子

もっと近くで、誰かの力になりたい。大手での経験から芽生えた「温度感のある税務」という理想

——まずは、これまでの経歴についてお聞かせください。

山中:独立する前は、中堅の税理士法人に3年ほど在籍していました。そこでは主に上場企業のBPO(業務受託)や、規模の大きなお客さまの経理代行をメインに担当していたんです。数億円単位の数字が動く現場で、いかに効率的に、正確に業務を回すか。そんな、ある意味で会計の最前線のような場所で揉まれてきました。

ただ、試験勉強をしながら実務を積み、税理士試験に5科目合格して「これから一人の税理士としてどう生きていくか」を考えたとき、少しずつ心境に変化が生まれたんです。組織の歯車としてではなく、一人の人間として目の前の誰かの人生に深く関わりたいと思い、2026年1月に独立開業しました。

——事務所でそのままキャリアを積む道もあったかと思いますが、独立を決意したきっかけは何だったのでしょうか?

山中:事務所での仕事は非常に勉強になりましたが、どうしても関係性が「ドライ」になりがちだったんです。会議はすべてオンライン、やり取りは効率重視。そこにいるのは「組織の担当者」であって、生身の経営者の体温を感じる機会は少なかった。

そんな毎日の中で、ふと「もっと身近な、個人の方や小さな事務所の力になりたい」という想いが強くなっていきました。相続で不安を感じているおばあちゃんや、夢を持って起業したばかりの社長さん。そうした方々の隣に座って、一緒に悩み、解決していくような「温度感のある仕事」がしたくなったんです。

特に創業期は孤独ですよね。私はそういう方々にとって、一筋の光のような、あるいは「何でも話せる隣人」のような存在になりたい。それが独立を決めた一番の動機です。

自計化は経営への関心の第一歩。現場で直面する教育の難しさ

——現在はスタートアップの創業支援に力を入れているそうですが、支援において大切にしていることは何でしょうか?

山中: 私は、創業期のお客さまには「できるだけ最初から自分で記帳をしていただきたい」とお伝えしています。もちろん記帳代行をお受けすることもできますが、経営者自身が自分の会社の数字に触れることで、経営に対する興味や解像度が劇的に変わると思うんです。数字の変化を敏感に察知し、それを次の経営判断に活かす。そのプロセスを体感してほしい。

でも、この「自計化」の支援が実際にはすごく難しいんです。現場では、クラウド会計ソフトを使えば簡単だと思って始めてみたものの、「何が正解かわからないまま数字が入っている」という状況によく遭遇します。

——最初から教えるのはコストもかかりそうですね。

山中: おっしゃる通りです。でも、そこを粘り強くサポートするのが私の役割だと思っています。最初に正しい「箱」の作り方を教えて、決算書の読み方を一緒に学んでいく。大変ではありますが、社長が自分の数字に自信を持てるようになった瞬間を見ると、やっぱりこのスタイルで良かったなと感じます。

「大変なのは最初だけですよ、一緒に乗り越えましょう」と声をかけ、社長が徐々に数字の裏側にある経営の動きを理解し始めたとき、私のやりたかった支援の形が見えてきた気がします。

 

税理士・会計士のためのコミュニティ「ふらっと」

セミナーや交流会の開催、会員インタビューの発信などを通じて、
互いの得意分野を活かした協業のきっかけや、業界の最新トレンドが集まるコミュニティです。
ぜひお気軽にご参加ください。

 

仮想通貨や融資支援。時代に合わせたサポートの形を模索して

——専門分野として、仮想通貨(暗号資産)や融資支援についても積極的に取り組まれているそうですね。

山中:はい。 実は、「仮想通貨で大きな利益を出したものの、税金の仕組みを知らずに使ってしまい、支払いができずに自己破産してしまう」という悲しい話を耳にすることがあります。法整備が追いついていない分野だからこそ、正しい知識で助けになることができればと考えています。

また、最近は「創業融資」の支援にも力を入れています。自分自身でも日本政策金融公庫や区の制度融資を体験してみて、「計画書をどう書けばいいかわからない」という起業家の不安を肌で感じました。

——ご自身で融資を体験されているのは、説得力が違いますね。

山中: 「まずやってみる」のが私の性格なのかもしれません。融資支援については、専門のチームからノウハウを吸収しながら、より確実なサポートができるようブラッシュアップしている最中です。

仮想通貨や融資など、新しい分野や難解な分野は、経営者にとって孤独になりやすい場所です。だからこそ、私がそこを埋めることで、少しでも安心して挑戦し続けられる環境を作りたいんです。

猫のように、誰よりも経営者に寄り添う税理士を目指して

——これからの展望をお聞かせください。

山中: 今は錦糸町のシェアオフィスで活動していますが、3年後には自分の事務所を構えたいですね。そして5年後には、創業支援と相続案件を1対1の割合で手掛けられるようになるのが目標です。

特に相続の分野では、女性税理士ならではの安心感を提供したいと考えています。「税理士は威圧的で怖い」というイメージを持たれることもありますが、私はもっとフラットな関係でありたい。お茶を飲みながら、ゆっくりとお話を伺う。そんな時間を大切にしたいです。静かに、けれど一番近くで経営者に寄り添う、猫のような税理士を目指しています。

——「猫のように、経営者に寄り添う税理士」…とても素敵ですね。

山中:私、本当に猫が好きなんです。猫って、気づいたらそっと隣にいますよね。でも、決して邪魔はしない。経営者の皆さまにとって、そんな存在になりたいんです。もちろん、気まぐれに離れたりせず最後まできちんと伴走しますよ(笑)。

錦糸町という街は、都会的な便利さと下町の温かさが共存しています。そんな街で、何かあったときに真っ先に顔が浮かぶ、そんな「身近な専門家」でありたいですね。

数字の先にある、あなたの「これから」を語り合いたい

——最後に、この記事の読者へメッセージをお願いします。

山中: 独立して、改めて「付加価値」の重要性を感じています。記帳という作業だけならAIで十分かもしれません。でも、一緒に悩み、融資の計画を立て、将来の夢を語り合えるのは人間にしかできない仕事です。

もし、今の税理士さんとの関係に少しでも違和感があったり、一人で数字に悩んでいるなら、ぜひ一度お話ししませんか?「先生」ではなく「良き伴走者」として、あなたの挑戦を全力で支えます。

錦糸町周辺、あるいは都内であればどこへでも伺います。経営の悩みでも、猫の話でも、まずはお気軽に声をかけていただけたら嬉しいです!

先生のご紹介

山中紗絵子 [YAMANAKA SAEKO]
略歴:税理士。大手税理士法人にて、上場企業のBPOや経理代行などの実務に3年間従事。「より身近で寄り添える存在になりたい」との想いから独立を決意し、2026年1月に事務所を開設。
創業支援と相続税業務を軸に活動しつつ、仮想通貨(暗号資産)に関する税務など、既存の枠にとらわれない幅広い相談にも対応している。女性税理士ならではの細やかな視点で、ご遺族に寄り添う相続相談にも定評がある。「猫のように、気づけば隣にいて安心感を与えるパートナー」を理想とし、錦糸町を拠点にフットワーク軽く経営者の伴走支援を行っている。

所在地:東京都墨田区錦糸二丁目4-6
HP:https://saeko-yamanaka.jp/