橋本昌幸税理士事務所【税理士】橋本 達広
「静岡への愛」と「トータルな支援」で経営者の想いを繋ぐ——三代目税理士が目指す、地域に根ざした事業承継の形
2026-01-22
マネーフォワード株式会社とふらっとのコラボレーション企画がスタートしました。
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ふらっとでは、その変革のプロセスを掘り下げるインタビューシリーズとして、今回、橋本昌幸税理士事務所 橋本 達広 氏に取材しました!
「静岡に帰ってきたい」という思いから、親の事業を継ぐことを決断
—— 先生の事務所は長い歴史があると伺いました。子どもの頃から継ぐことを考えていたのでしょうか?
橋本: いいえ。正直なところ、子どもの頃は継ぐことは考えていませんでした。税理士という職業の存在は昔から身近に感じていましたが、自分も同じ道に進もうという情熱や計画は、高校生の頃までは全く持っていなかったんです。本格的に税理士の道を考え始めたのは、大学の就職活動のタイミングでした。
—— どのような心境の変化があったのでしょうか?
橋本: 私は地元である静岡がすごく好きで、将来的には「静岡に帰ってきたい」という思いがずっとありました。それに、長男ということもあって。そう考えると、わざわざ独立する必要はないかなと。親と一緒にやる方が自然だったんですね。
東京での修業が教えてくれた「地方ならではの顧問税理士像」
—— 他の事務所での勤務経験はありますか?
橋本: 東京の事務所で2カ所、合わせて8年弱働きました。一つは法人顧問、もう一つは事業承継や相続などの、資産税を中心とした事務所です。そこで修業させていただきました。
静岡に帰ってきて気づいたのは、東京とは全く違う環境だということです。また、顧問税理士が法人顧問から資産税、相続、事業承継まで、「トータルで見守ってあげること」が本当に大切だということ。特に静岡の方々は東京よりも外に相談することに抵抗があるので、最初に頼った税理士を信頼し続けられるような関わり方が求められているんです。
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業歴の長い企業との信頼関係が生む、紹介ルートの強さ
—— 現在の顧客層は、どのような企業が多いですか?
橋本: 個人事業主よりも法人の顧客が多く、業種は建設業や製造業といった「業歴の長い企業」が中心ですね。私たちは、相続対策や事業承継対策を考える必要のある企業をターゲットとしているため、新しいIT系のサービス業などは少ない傾向ですね。
顧客は紹介による方々が圧倒的に多いです。長い歴史がある事務所だからこそ、金融機関との信頼関係も深いため、地域に根ざした信頼があるのかもしれません。
大切なのは「お客様の全体を見守る存在」であること
—— 事務所経営で、特に大切にされていることはありますか?
橋本: 顧問税理士として「お客様の全体を見守ること」を重んじています。言われたことをやるだけではなく、お客様にとって本当に必要なことを先回りして提案できる税理士でありたい。そして、わからないことがあったら「まずは橋本に相談してみよう」と思ってもらえる存在になることが目標です。
お客様が最初に私たちを頼ってくれたその信頼に、最後まで応え続けたいです。
—— その信念を実現するために、工夫されていることはありますか?
橋本: データの管理や、AIツール、Googleワークスペースといった技術を活用し、生産性を上げる工夫をしています。不要な業務に時間を取られるのではなく、顧客支援に時間を使う環境づくりにこだわっています。
職員教育も同じで、「当事者意識を持つこと」「お客様の利益を考えること」「事務所全体の利益を考えること」といったマインドを浸透させることが、質の高い顧問契約に繋がると考えています。
事業継承のニーズに応えるため、「金融機関と税理士のマッチング」を構築したい
—— 現在、特に力を入れている分野は何ですか?
橋本: 「事業承継」です。金融機関と話していても、相続対策や事業承継対策の進み具合にはすごくばらつきがあり、顧問税理士がなかなか動いてくれないこともある。今後、相続や事業承継のニーズはどんどん増えていくと思っているので、ここに力を入れていきたいです。
私は税理士会の活動として、静岡支部の中小企業支援対策部の部長をしているのですが、金融機関と支部の税理士との交流会や、「事業承継対策を業務としてやらない税理士」と「やりたい税理士」をマッチングする取り組みを始めました。金融機関から紹介を受けるという流れも作っているため、支援の輪を広げられると考えています。
—— 自分たちだけで全てを抱え込まない、という姿勢ですね。
橋本: そうです。「自分たちが見られる範囲」には当然限界がありますが、静岡市には優秀な税理士がたくさんいます。そういう先生方と協力して、金融機関と先生をつなぎ、支援が必要な人を取りこぼさないようにしたいんです。
事務所の規模より「質を優先する」経営哲学
—— 5年後、10年後は、どのような事務所にしていきたいですか?
橋本: 正直なところ、規模を大きくしたいというわけではありません。「自分が見られる範囲で質の高い仕事をしたい」というのが第一です。また、AIなどの活用を通じて生産性を上げ、働いている従業員さんが安心して長く働ける事務所にしたい。そして、金融機関や保険業者といった様々なステークホルダーが、事業承継について「まずは税理士に相談してみよう」と思える環境を作りたいと思っています。
—— 職員の採用について、工夫されていることはありますか?
橋本: 年に1~2名程度を採用していますが、年齢構成を意識的に散らばせるようにしています。50代から20代まで幅広い年齢層がいることで、良い循環が生まれると考えています。
また、 面接では正直に「うちは他の事務所より難しいことをやっている。だから、勉強が大変だ」と伝えるようにしてます。変に隠して採用しても、すぐに辞められては互いのためになりません。意欲的な人材が集まる工夫をしています。
AIとITツール導入により、「生産性の向上」と「職員負担の軽減」を実現する
——事務所でのITツール活用についてお聞かせください。
橋本: 事務所の資料は全てGoogleドライブに保存しています。Googleワークスペースを導入しているので、職員間の連携も効率的になりました。データを一次元化することで、AIとの連携もスムーズになるんです。現状は、質問への回答や文章作成にAIツールを活用し、生産性の向上に繋げています。
—— 今後のAI活用で、考えていることはありますか?
橋本: 法人のチェックリストや相続のチェックリストを読み込ませ、チェック作業を自動化させることを考えています。膨大なチェックリストとの照合は、職員にとって非常に精神的なプレッシャーがかかる業務です。これをAIがサポートする仕組みを構築できれば、ミスを防ぐだけでなく、職員の心理的な負担を大幅に減らすことができます。
いまはまだ担当する人がいないので実装できていませんが、単純な確認作業はテクノロジーに任せ、人はお客様との対話や付加価値の高い提案に集中できる、そんな環境づくりをAIの力で実現させていきたいですね。
「事業承継支援の輪」を広げていきましょう!
—— 最後に、読者へのメッセージをお願いします。
橋本: 1つの事務所や1人の税理士では、対応に限界があります。でも、支援の輪を広げ、連携を強化すれば、支援が必要な人を取りこぼさないようにできるはずです。また、’地域全体で、事業承継という大切な課題に向き合っていく」といった環境づくりに、ぜひ一緒に取り組んでいただきたいです。みんなで協力して、事業承継をやっていきましょう!
先生のご紹介
橋本 達広 [HASHIMOTO TATSUHIRO]
略歴:税理士。大学時代の就職活動をきっかけに税理士を志し、東京の2つの事務所で法人顧問と資産税分野の実務経験を積む。その後、地元の静岡に帰郷し、親の事務所を承継。現在は、法人顧問から相続・事業承継まで「トータルで対応する顧問税理士」として、地域の中小企業を支援。金融機関と税理士をつなぎ、事業承継支援の輪を広げる取り組みを推進している。
所在地:静岡県静岡市駿河区八幡 1-2-17 2F