タスキー税理士法人【公認会計士/中小企業診断士】色川 大輔
地方からBPOの未来を拓く――クラウド化で中小企業の経営を強化する公認会計士の軌跡
「自分で人生をコントロールしたい」という思いから公認会計士の道へ
—— まずは、先生が公認会計士を目指したきっかけについてお聞かせください。
色川: 大学3年の就職活動の時期に「このまま大企業に進むと自分の人生をコントロールできなくなりそうだ」という不安を感じたことが、公認会計士を目指したきっかけです。周りがどんどん大企業に決まっていく中で、「自分で人生をコントロールしたい」という思いが芽生えて、士業として働きたいと考えるようになりました。
—— 就職ではなく、より裁量の大きい道を選ばれたのですね。
色川: そうですね。いろいろな選択肢を考えたいタイプなので、「人生の主導権は自分自身で握りたい」という想いがあったんです。大学3年から4年にかけてその決断を下し、就職活動をストップして会計士試験の勉強に切り替えました。
「地域経済の状況」を知る必要性を感じ仙台でのキャリアを選択
—— その後のキャリア選択は、どのように進んでいったのですか?
色川: 実は、「40歳になったら故郷である仙台に戻る」という目標を設定していて。その目標にどう到達するかを考えながら、人生の選択をしてきました。正直なところ、会計士業界では「東京で専門性を極めるべき」という強い圧力があります。IPOやコンサル業務などの依頼は、東京の方にシフトしていく傾向があるんです。
しかし、東京で高度な専門経験を得ても、仙台での仕事には直接繋がりにくいと判断しました。それよりも、地方の監査法人ならではの多様な経験を積む方が、私のライフプランには合っているなと。
—— 将来の目標から逆算して、キャリアを選択されたのですね。
色川: はい。就職活動では東京か仙台かで悩みましたが、地域の銀行の監査や様々な業種・業界の監査など、幅広い実務経験を通して「仙台の経済がどうなっているのか」を見ることが重要だと考え、最終的に仙台の事務所を選びました。
地方で学んだ「中小企業」ならではの課題
—— 監査法人からタスキー税理士法人に転職した後には、どのような学びがありましたか?
色川: 大きな学びが2つありました。ひとつは「単価の構造」についてです。監査法人に勤務していた頃は、1人のスタッフでも1万6000円から1万8000円程度の単価がありましたが、中小企業フィールドでは大きく下がりました。評価されないということを痛感しましたが、その違いに気づくことで、お客様側の視点も理解できるようになりました。
もうひとつは、「組織内の人員構成の多様性」についてです。中小企業では、より幅広い背景を持つ方がいらっしゃって、業務改善の提案をしても、現場での定着には時間がかかることがありました。そこで気づいたのが、組織全体の変化を促すことの難しさと、その中でいかに支援していくかという課題だったんです。
—— そうした経験が、現在のBPOサービスへ繋がっていったのでしょうか?
色川: そうなんです。いろいろ考えていく中で、「中小企業にとって経理業務の最適な形とは何か」という問いが生まれました。一般的なBPOは顧客の既存のやり方をそのまま再現し、プロセスを効率化することが目的です。でも、本当の意味で強い管理体制を作るには、お客様側にも業務のフローを一緒に見直してもらう必要があると考えています。
たとえば、紙で情報を受け取ってしまうと、文字起こしやデータ化に工数とタイムラグが発生します。属人的なフローが多く残っている状態では、真の意味で強いバックオフィスは実現できません。強い管理体制を作るには、私たち提供側だけでなく、お客様と協力して情報の受け方から変革することが不可欠です。
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強い管理体制を作りたいという思いから「TASKY OS」の構築を実現
—— お客様に合わせるだけではないスタイルは、「TASKY OS」の概念にも繋がっているのですね。
色川: まさにその通りです。お客様1社1社に完全に合わせるやり方はコスト高になりすぎるので、弊社の標準化された業務モデル「TASKY OS」を、お客様に導入していただく形を取っています。これは、SaaSやクラウドツールと同じ考え方で、お客様の業務をシステムに合わせていただくというアプローチです。この方法によって、属人化を脱却し、担当者が変わっても業務が安定して回る体制が実現するんです。
—— 実際の成功事例についてお聞かせください。
色川: 象徴的なものとして、弊社が支援した300人規模のお客様の事例があります。この会社は2~3年の間に管理部の人数が大きく入れ替わりましたが、給与計算、振込、決算などのコア業務は一度も止まることはありませんでした。これは、通常のアウトソーシングでは難しい「情報をインプットする人さえいれば、業務は回り続ける」という状況を実現できたからだと考えています。
「地方から」中小企業向けBPO市場のトップを目指す
—— 今後の展望についてお聞かせください。
色川: 中小企業向けのBPO市場でトップを目指すことを「地方から」成し遂げたいと思っています。クラウドツールの活用という点では、仙台での存在感を感じていただいていると思いますが、規模的にはこれからの成長を目指している段階です。
弊社の強みは「物理的な距離の近さ」と「経営者との距離の近さ」です。これからも、地域に根ざした形でのサービスの浸透を大切にしていきます。
—— 採用もユニークだとお聞きしました。
色川: さまざまな採用媒体を活用し、地域での認知を広げることに注力しています。東北という地方の特性として、ITやデジタルに特化したサービスを提供する企業が少ないため、弊社の事業への認知度が上がれば、求職者の関心も非常に高くなると感じています。
また、採用の入り口を工夫し、書類選考の前に1時間の説明会動画を視聴いただき、その感想をお聞きするという独自の方法を採用しています。これは、単なる応募ではなく、弊所の考え方を深く理解し、共に成長を目指す意志のある方と出会いたいと考えているからです。
「東北のクラウド化」を一緒に進めていきましょう!
—— 最後に、読者へのメッセージをお願いします。
色川: デジタルやクラウドの便利さを活用すれば、もっと素晴らしい世界観が作れるのに、地方ではそこに向けた取り組みがまだ進行途上であると感じています。税理士は中小企業に対する影響力が非常に大きいので、そこにエネルギーを注ぐことができれば、中小企業の生産性も高まるし、経営がより力強くなると思うんです。
今後は、「東北のクラウド化」を一緒に進めていく仲間と繋がりたいと思っています。共通の想いがあれば、ぜひ一度お話しましょう!
先生のご紹介
色川 大輔 [IROKAWA DAISUKE]
略歴:公認会計士・中小企業診断士。
就職活動を機に「人生をコントロールしたい」という想いから公認会計士を目指す。監査法人での経験を経て、現在はタスキー税理士法人の仙台オフィスでBPOサービスを提供。「TUSKEY OS」という独自の業務標準化により、中小企業が経営に集中できる組織体制構築を実現。地方から中小企業向けBPO市場のトップを目指している。
所在地:宮城県仙台市青葉区本町1-6-23 インテリックス仙台ビル7F