丸岡 知樹

まるおか会計事務所【公認会計士/税理士】丸岡 知樹

「関わった人みんなが幸せになるように」——対話力を磨き、お客様の資金不安ゼロを目指す士業の歩み

事務所業務は6割、非常勤や大学講師との両立で広げる多彩な活動

—— まずは、先生の経歴と現在の活動についてお聞かせください

丸岡: 私は公認会計士として約17年前に資格を取得し、監査法人で10年、税理士法人で5年弱勤務した後、2年前に独立しました。現在は、売上1億円から5億円程度の企業を中心にサポートしています。事務所業務は全体の6割程度で、法人の非常勤や大学の講師も務めています。

—— 公認会計士・税理士を目指されたきっかけは何だったのでしょうか?

丸岡: 実は、それほど立派な理由があったわけではないんです。学生時代に「とりあえず何か勉強したいな」と思って、すごく自分に甘かったところもあったので、勉強するんだったらちゃんと資格を取ろうと考えたのが正直なところです。たまたま周りに恵まれて早めに受かったので、そこから始まった感じですね。

「好きなお客様と長く仕事をしたい」という想いが独立を後押しした

—— 監査法人から税理士法人、そして独立へと進まれた背景をお聞かせください。

丸岡: 監査法人では大企業を対象とした業務が多かったのですが、性格的に大きい会社向けのサービスがあまり向いていないと感じていました。もうちょっと身近で寄り添える方がいいなと思って税理士法人に移ったんです。

独立を決めたのは、もっと自分の好きなお客様と長く仕事をしていきたいという想いからです。後は、独立した半分ぐらいの目的はラグビーがすごく好きで、次のワールドカップに2週間ぐらい滞在したいなというところもあったんです。4年ごとにワールドカップでずっと滞在している人と知り合って、そういう生活をやりたいと思ったんですが、独立しないとそれができないな、というのが裏目的もあります(笑)

freee一本化と顧客選択で学んだ「合う・合わない」の重要性

—— 独立の前や独立直後に現場で直面された課題や、試行錯誤についてお聞かせください

丸岡: 前の事務所では会計ソフトが7、8個もあって、申告ソフトは別という状況でした。私、情けないことに実は転記がすごく苦手で、本当に向いていなくて。freeeなら極力転記がなく、申告まで完結できるので、業務効率化したいという思いから一本化しました。現金をほとんど使わないITなどの業種は相性が良くて、実務がめちゃくちゃ楽なんです。

また、独立当初は経験を積むために、顧客を問わず安く広く受けていましたが、半分ぐらいはもう手放しました。合わない人とは続けても意味がないと気づいたんです。値下げ交渉をすごく言ってくる人は、他の要求も多い傾向にあるなと感じているので、基本的には値下げは一切しません。

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「もっと早く対策できていれば…」後悔から生まれた月次決算へのこだわり

—— これまでの経験を通じて得られた気づきや改善点はありますか?

丸岡: 銀行からの紹介案件を見ていると、「もっと早くどうにかできなかったのか」と思うことが本当に多いんです。なんでこの状態で大きく投資したんだろうとか、もっと早く相談できなかったのかなと。

そこで痛感したのが月次決算の重要性です。年1回の決算だけでは遅すぎる。月次でしっかり数値を見られるところは、そんなに業績が悪くならないんです。数値を見て「次どうしていこうか」という判断ができるので、1年後に出た数字を見てどうしようかと考えるよりは絶対に差がつくと思っています。基本的には、小さいところ以外はほとんどのお客様に月次決算をやってもらっています。

AI時代だからこそ磨く、対話力と若い世代との交流

—— 今後の取り組みや展望についてお聞かせください。

丸岡: 一番は、お客様全員がお金に困らない状態を支援し続けることです。そのために、「将来どうしていきたいか」という話を最初に聞くようにしていて、それに向けて「どうしていきますか」というところで、一緒に考えていくことを大事にしています。

AIが発展している今だからこそ、対話がしっかりできるようになりたいと思っていて、言葉の裏にある本当のお悩み事の言語化がしっかりできるようになりたいんです。そのために、今はキャッシュフローコーチという研修を受けています。自分自身を「経営数値を使ってお金周りの悩みを取り除き、会社の未来をともに考えていくパートナー」と定義しており、AIは詳しい人に任せていいものを使わせて頂いて、私は人にしかできない部分をもっと磨いていきたいと思います。

—— 事務所以外の業務との両立は今後も継続されるのでしょうか?

丸岡: 大学講師も続けたいと思っています。やっぱり若い年代と繋がりたいという想いがすごくあって、同じ年代が多い中で考え方が固まっちゃうのを防ぎたいんです。内容的には面白くないことも多いと思うのですが、公認会計士や税理士を目指してくれる人が少しでもいたらいいなと。そういう社会活動は続けたいですね。

「自分らしいあり方」を追求できるのが独立の醍醐味

—— 最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

丸岡: 独立の醍醐味は、「自分がどうありたいのか」次第で自由に進んでいけることだと思います。ものすごく規模を大きくしていきたい方もいると思いますし、私のようにお客様と長く付き合いたいことを中心にするという道もある。本当に自由だと思います。

関わった人がみんな幸せになってくれるように、お金まわりの部分でサポートできる人になりたいと思っています。自分と関わったことで、ちょっとでも変わってくれる人がいたらいいなと。freeeのイベントなどにも顔を出しますので、まずは気軽にお話しできたら嬉しいです。

先生のご紹介

丸岡 知樹 [MARUOKA TOMOKI]
略歴:公認会計士・税理士。資格取得後、監査法人で10年、税理士法人で5年弱勤務し、「お客様により身近で寄り添いたい」との想いから独立。現在は売上1億から5億円規模の企業を中心に、月次決算を重視し、freee一本化による効率的な支援を提供中。監査法人の非常勤や大学講師も務める。「関わった人みんなが幸せになるように」との想いで対話力を磨き、お客様の「お金に困らない未来」に向けて長期伴走型の支援を行う。
所在地:京都府京都市下京区上柳町331番地 タカノハスクエア538