細木 宏和

細木税理士事務所【税理士】細木 宏和

「自分の力で生きる」税理士の軌跡

税理士は「自分の力で生きるため」に選んだ道

—— まずは、先生のこれまでの経歴と、現在の活動についてお聞かせください。

細木: 私は2012年に独立して事務所を立ち上げ、今年で13年以上になります。現在は主にスタートアップ企業の設立支援や、クラウド会計を活用した経理効率化を中心にサポートしています。

—— 税理士を目指されたきっかけは何だったのでしょうか?

細木: 「志」なんて立派なものはなくて、単純に「生きるため」でした。大学を出て会社員になりましたが、会社員が自分には合わず、このままではしんどいと感じまして、八方塞がりの時に「自分でやるしかない」と思い至ったんです。その時に頭に浮かんだのが「税理士」という道でした。

会計事務所に転職後、当初は、経済的に厳しい日々が何年も続きました。苦しかったですが、「絶対に自分の力で生きる」という思いだけで踏ん張れた気がします。

お客様の立場で考え、誠実に信頼を積み重ねる

—— 資格取得後、独立されるまで、どのような道のりを経たのでしょうか?

細木:私は42歳で独立しました。周りと比べると、遅いスタートでしたね。

最初は自宅を拠点に、お金をかけず、融資も受けず、最低限の形で事業を始めました。

開業のコンセプトは今でも同じですが、「クラウド会計」と「会社設立」に特化しました。ちょうどクラウド会計が広まり始めた時期で、ここで差別化を図ろうと考えたのです。

おかげさまで現在では、顧問先は100社を超え、日々走り続ける毎日を送っています。

—— 素晴らしい成果ですね。事務所として大切にしていることは何でしょうか?

細木: 「お客様の立場に立って考える」ことを大切にしていますね。たとえば事業について「最近売上が減少して状況が厳しい」と言われることもあります。そこで経営は専門外と流してしまえば楽ですが、あえて「なぜ事業がうまくいってないのか」をできる限り原因を追及して丁寧に説明する。手間はかかりますが、誠実さが信頼につながると信じています。

—— 誠実に対応する中でも、何か課題と感じられたことはありますか?

細木: はい。大きく二つあります。

まずは「お客様との距離」です。今はチャットやメールが中心となり、決算期など年数回しか連絡しない関係になりがちで、それではお客様の満足につながらないと痛感しています。

もう一つは「一人で抱えすぎてしまう」ことです。顧問先が100社を超えると、全件を自分で確認するのは限界があります。「人材を育てたい」と思いつつ、任せることへの不安もあって、結局自分で抱え込んでしまう。このバランスが難しいですね。

特に人材育成については、まだ試行錯誤ですが、徐々に任せる範囲を広げ、組織として動ける形にしていきたいと思っています。確定申告の時期に休めないようでは長続きしませんから。

—— これからの事務所の方向性について教えてください。

細木: まずは人員を育成して、売上ももう少し増やしていきたいですね。ただ数字以上に大切にしているのは「信頼を軸に選ばれる事務所」であること。安さやスピードだけでなく「この人に任せたい」と思っていただける存在でいたいです。

まずはやってみよう!続ければ、意外となんとかなる

—— 最後に、これから独立や開業を考えている先生方へメッセージをお願いします。

細木: 偉そうなことは言えませんが、一つ言えるのは「意外となんとかなる」ということです。最初は失敗することもあるかもしれませんが、失敗をしても改善の努力をすればお客様は増えていくと思います。開業に関するネットやセミナーなどを活用すれば開業する上での知識も増えますし、セオリー通りにやれば食いっぱぐれることはないはず。大事なのは、開業のノウハウを吸収して、それを実践してみることです。

同業の先生方については、 たとえばクラウド会計を導入したい先生や、スタートアップ支援のノウハウを求めている先生とは、ぜひ一度お話したいですね。お互いの知見を持ち寄りながら、より良いサービスをお客様に提供していけたらと思います。

先生のご紹介

細木 宏和 [HOSOKI HIROKAZU]
略歴:税理士。大学卒業後に数社の経理部を経験したのち、税理士を目指し始める。42歳で税理士資格を取得。2012年に独立開業。会社設立やスタートアップ企業の支援が強み。クラウド会計に強く、MoneyForwardのプラチナメンバー及び弥生PAP会員として活動。お客様の立場に立った丁寧でスピーディーな対応を心掛ける。
所在地:東京都豊島区南大塚3-42-5 中央ビル3F
HP:https://hosoki-zeirishi.com/