西山 修平

KOTOBUKI会計株式会社【代表取締役/公認会計士】西山 修平

暗号資産のような新時代を切り拓く「挑戦」をサポートする会計士の軌跡

「プロになりたい」という思いから公認会計士の道へ

—— まずは、自己紹介をお願いします。

西山: 公認会計士の西山です。2011年に会計士登録をして、今は一人で事務所を経営しています。メインは暗号資産やブロックチェーン関連の法人クライアントに対するコンサルティングです。

キャリアの始まりは監査法人。その後、アパレル企業の内部監査、マッチングアプリ「Pairs」を運営するスタートアップの管理部長などを経て、2022年に独立しました。現在は、国内外の専門家とも連携し、暗号資産を軸にグローバルに活動しています。

—— 会計士を目指したきっかけは何だったのでしょうか。

西山: 幼い頃から「何かのプロになりたい」と思っていました。最初はサッカー選手を夢見たのですが、中学・高校くらいでほとんどの人が現実を見始める頃、自分にも諦める時が来てしまって。

そこで、大学は経済学部へ進みました。大学でもやっぱり「プロになろう」という気持ちは強く、そこで偶然、会計士の資格講座を見つけたんです。「これならプロになれるかもしれない」と、はじめは軽い気持ちで挑戦しました。

—— 公認会計士の資格を取得されるまで、どれくらいかかりましたか?

だいたい3年くらいです。ただ、私の場合、最初の2年間はモチベーションも低く、成績も伸びなかったんです。受かりそうもないな、と思いながらただダラダラとやっていたような気がします。

転機は大学3、4年の頃でした。同級生たちが起業や留学で成果を出していて「自分は何も成し遂げていない」と、急に焦りを感じたんです。その感情が一気に勉強へと火をつけ、大学卒業後しばらくして合格することができました。

熱狂に導かれた「暗号資産」のルールなき世界

—— 複数の会社を経験されていますが、当初から独立を考えていたのでしょうか。

西山: 独立する意思は全くありませんでした。その時々で興味がある分野や自分のライフステージに合う働き方を選んでいたら、自然と転職回数も増えた感じです。

たとえば、監査法人でハードな働き方をした後、もう少しスローワークをしようと思って選んだアパレル企業では、逆に退屈を感じてしまって。そんな中で出会ったのが、ペアーズを運営するスタートアップでした。

当時「出会い系」と揶揄されていたものが、日常的なサービスとして広がっていく過程を間近で見ました。プロダクトが爆発的に成長し、新しい文化が生まれる瞬間を体験できた。これは強烈に中毒性がありました。そんな時に出会ったのが暗号資産です。最初は投資目的でしたが、調べるうちに「ルールがない世界」に強く惹かれていきました。

—— 「ルールがない」ことに惹かれた理由は?

西山: 暗号資産の分野は法整備も会計基準も追いついていません。それでも次々とサービスが生まれる。この「正解がない中でどう進むか」をクライアントと一緒に考えることに大きなやりがいがあります。

多くの会計士や税理士は「ルールの中で正確に仕事をすること」に強みがありますが、暗号資産は前例がないからこそ「主体的に判断し、推進力を持つ」必要がある。そこにこそ「私の役割」があると感じるんです。

そんな想いで2018年頃から暗号資産の研究を始め、個人事業として暗号資産関連の事業を立ち上げました。

少数精鋭で、好きなことを突き詰める

—— 実務ではどのようなサポートをされていますか。

西山: 個人投資家からの依頼もありますが、うちの強みはやっぱり暗号資産関連のサポートができること。私としても「暗号資産を発行したい」「海外展開をしたい」といった挑戦をする法人に興味があります。

シンガポールやドバイ、タックスヘイブンの専門家と連携しながら、グローバルで前例のない案件を形にする。これは他の事務所ではなかなかできない強みだと思っています。

—— 今後の展望について教えてください。

西山: 独立当初は事務所を大きくしたいと思っていましたが、今は「好きなことを突き詰める」方に価値を置いています。量より質。少数精鋭で挑戦的な案件を支援していきたいです。

軸は「新しい文化を創る会社を支援すること」。暗号資産に限らず、AIやメタバースなど関心は移っていくかもしれません。これから普及するであろう「何か」を追い求めながら、常に新しい分野に挑戦することが私のスタイルです。M&Aや投資家との事業創りなど、仕組みづくりにも積極的に取り組んでいきます。

見切り発車でもいいから「挑戦」しよう

—— 最後に、同業の方へメッセージをお願いします。

西山: 見切り発車で独立したため、当初の案件はゼロでしたが、「熱意」を持って動けば道は開けることを学びました。だから、独立を迷っているなら「見切り発車でもいいから挑戦してほしい」と伝えたいです。

暗号資産やグローバルでのトークン発行は専門家がまだまだ少ない分野なので、既存のルールに縛られず、グローバルな視点で国際会計基準や現地の会計基準をカバーしていく必要があります。ぜひ推進力を持った会計士や税理士の方と一緒に、未来を創造していきたいです。

先生のご紹介

西山 修平 [NISHIYAMA SHUHEI]

略歴:公認会計士。大学卒業後、公認会計士試験に合格。監査法人で約6年間勤務した後、ITスタートアップ企業にて勤務し、経理部門の統括を行う。その後、暗号資産への投資をきっかけに「ルールのない分野」に魅力を感じ、2022年に独立。現在は主に暗号資産の発行を検討している法人を対象に、国内外での資金調達・スキーム構築支援を行う。
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-7-1 オーシャンゲートみなとみらい 8F
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