税理士の選び方:個人・法人/相続や融資などのケース別
2021/5/22
2021/06/14
税理士の選び方に困っていませんか。相続や事業などのお金にまつわる相談をするなら税理士です。
他人にはおおっぴらにできない事情を相談するからには、人選で失敗したくありませんよね。
今回は、よい税理士を選ぶ3つのポイント、自分にあった税理士を選ぶコツ、税理士に頼める仕事について個人向け・個人事業主向け・法人向けでケース別にわかりやすく解説します。
税理士の選び方:3つのポイント
一般的に、専門家に相談して「よい人に相談できてよかったなあ」と思うケースは、専門家自身に実績があり、費用が高くもなく低くもなく、人柄などの相性がよかったときだと言われます。実績がないと不安になり、費用が高いと不満、費用が安すぎても信頼しきれず、「また何かあったら相談したい」と思わないものです。
税理士も例外ではなく、3つのポイント「実績」・「費用相場」・「相性」を軸に、選び方を見ていきましょう。
ポイント1 実績(税務知識・業界経験)
税理士の実績を判断するには、税務知識、業界経験の2つをチェックしましょう。それぞれご説明します。
税務知識
税理士の税務知識について、次の観点でチェックしましょう。
- 得意とする専門分野は何か?
- 税法の最新の情報を把握しているか?
税理士と一言で言っても、業務は、決算や確定申告、上場準備のサポート、贈与や相続など、依頼できる業務は、幅広くあります。全ての業務ができるよう、幅広く対応している税理士もいますが、相続に強い、融資に強い、会社設立に強いなど、特定の分野で高い専門を持つ税理士もいます。
逆に、専門性がない分野では力を発揮しきれない場合もあるため、税務の相談をするなら、依頼内容にあった税理士を探す必要があります。
また、法律は日々更新されます。きちんと更新されている法律に税務知識が追いついているかも見極める1つのポイントです。税務知識はただ税法を勉強していれば高まるというものではなく、実務経験を積み重ねてこそ高まるものです。自分の相談したいジャンルで、実務経験のある専門性の高い税理士に依頼できた方が安心でしょう。
業界経験
実務経験の大切さは税務知識のところでも説明しましたが、特に事業者なら、相談したい内容と同じ業界での実務経験を持つこと、つまり特定の業界経験も、税理士の選び方には重要な要素です。
なぜなら、業界ごとにお金流れや特性が違うためです。
例えば、飲食業では注文を受けてサービスを提供し、その日の内にお金をもらいます。
一方で、建設業界は案件を受注してから、入金されるまで2か月以上かかることも多いです。
業界の特性が違うと、経営状況を表す数字も違う傾向になるため、業界の特性を知った上で対応してくれる税理士なのか、次の質問で確認するのをおすすめします。
- 同じ業界の顧客を、数年以内に対応したことがあるか?
- 同じ業界の顧客に対応した件数は?
また、業界を問わず、お金にまつわるトレンドも把握している、I Tに強い税理士の方が心強いでしょう。例えば、飲食業界ではSuicaなどの交通系I Cカードや、PayPayなどのQR決済サービスなど、電子マネー決済(非接触型決済)が増えています。電子マネーで決済されたデータの取り扱いなども理解している税理士の方が頼りになりますね。
ポイント2 費用相場
税理士の選び方では、費用も気になるところです。税理士へ支払う報酬は、かつて法律で決まっていたために費用相場そのものが、今も「税理士報酬規定」の強い影響を受けています。
税理士に支払う報酬の相場について詳しく知りたい方はこちら(税理士 報酬)の記事をご覧ください。
税理士に支払う費用は事務所ごとに変わりますが、相場はあります。費用相場は次の要素で決まっています。
- 依頼内容
誰が依頼するか(個人、個人事業主、法人など)や、何を依頼するか(相続税の税務代理、確定申告書類の作成、記帳代行など)という依頼内容によっても費用相場が変わります。
- 地域
一般的に、税理士の事務所が多い都市部だと価格競争が起こるために費用相場は安く、競争の少ない地方だと高くなる傾向があります。地域ごとに費用相場が変わるため、対面ではなくオンライン面談が主流の今は、自分の地域にこだわらず、依頼するのもよいでしょう。
ただし、事業主の方が税理士に依頼する場合、その地域にいる税理士でないと対応が難しいケースもあるので、注意が必要です。
例えば、急な税務調査への対応です。税務調査とは、税務署や国税が納税者を訪問調査することで、事業主は申請された税務申告が正しいかを調査されます。税務調査となると、税理士の立ち会いが一般的なので、業務に税務調査が含まれる前提なら、事業所に近い税理士に頼んだ方が心強いでしょう。
- 依頼対象の取引額
相続や贈与の場合は相続額や贈与額、事業者ならビジネスでの取引額によっても、費用相場が変わります。一般的に取引額が多いほど、費用相場も高くなります。
なお、個人事業主や法人などが依頼するなら、次の要素も費用相場に影響します。
- 依頼者の業界
業界によっては、他の業界に比べて費用相場が高い業界もあります。例えば医療業界は、顧客からの売上の他、国から受け取る社会保険など、他の業界に比べても処理が必要なお金の動きが多く、税理士の仕事量も増えるため、費用も高くなるのです。
依頼内容を決め、同じ条件で税理士を比較できると検討しやすいでしょう。
税理士に依頼できることについては、後の章「税理士には何ができる?何を頼める?」を参考にしてください。
ポイント3 相性(レスポンスの早さ・寄り添ってくれるか)
どんな相談であろうと、やはり人と人のお付き合いになるため、税理士を選ぶポイントにも「相性」は大きく関わってきます。優秀な税理士でも、依頼する側の性格と合う・合わないはあります。
相性を確かめるために、契約の前にオンライン面談をするのも、おすすめです。
相性を見る上で次のことを確認しましょう。
- 寄り添ってくれるか
- レスポンス(返答)が早いか
- 連絡手段が豊富か
何よりも「寄り添ってくれるかどうか」をチェックしましょう。
実際に面談した上で、「親身に自分の人生を支えてくれそうだ」と感じられるか、「普通なら他人に話さないようなお財布事情も相談できそう」だと感じられるかを考えてみることをおすすめします。
条件や時期によっては、上から目線での物言いなど、あからさまに「寄り添ってもらえない」と感じられるコミュニケーションをとられるケースもあります。「自分にあった税理士を選ぶには?」で、条件や時期について理解を深めましょう。
また、ただ親身になってくれるだけではいけません、同じ目線で寄り添って考えてくれるかどうかも確認が必要です。
税理士に依頼する側は、「できるだけ税金を納める額を減らしたい、節税したい」と思って相談する方が大半です。
しかし、税理士は法律上、規定に則って、税を納めるための専門家でもあるため、寄り添いたくても寄り添えないケースも、もちろん存在します。
「ネットで違法ギリギリの節税の成功例を見つけたから、やりたい!」と相談して、断られると「親身じゃない」と感じてしまうケースもあるようですが、それは危ない橋を渡らせないためにしている拒否です。
あくまで法律を守りながらも節税を、と本当の意味で寄り添ってくれる税理士を選びましょう。
また、レスポンスの早さは、特に税務調査や期限の決まった補助金申請など、限られた時間の中ですばやく対応することが求められるケースの場合は、特にチェックしておいた方がいいでしょう。
迅速に対応する税理士なら、レスポンスの目安(1営業日以内に連絡に対し、一次回答をする、など)も教えてくれるでしょう。
そのほか、連絡・相談の手段も、電話・メール・オンライン面談など、自分にあった形で対応してもらえるかを確認しましょう。
自分にあった税理士を選ぶには?
自分にあった税理士を選ぶには、複数の税理士を比較したり、時間をかけて税理士とお話したりする必要があります。
まずは税理士を比較検討できるように、繁忙期や事務所の大きさ、問い合わせ方法などをおさえて、と自分にあった税理士を選ぶコツをつかみましょう。
税理士の繁忙期を避けつつ依頼時期を見極める
11月・5月:法人決算(※)
12~1月:年末調整
2月中旬~3月中旬:個人事業主の確定申告
※1会社の決算月は3月と9月が多い傾向にあります。会社は決算月の2ヶ月後までに税務署に書類を提出する必要があるため、多くの税理士は法人決算時期の11月・5月に忙しいです。
もちろん、専門分野が違えば、案件の特性も変わり、繁忙期も変わってきますが、一般的な繁忙期として押さえておきましょう。
税理士事務所の規模と費用相場を検討する
次に事務所の規模と費用相場についてご説明します。
まず、税理士事務所の規模と費用相場は相関関係があります。事務所の規模が大きければ、費用は上がり、規模が小さければ費用は小さくなります。
A:BIG4税理士法人
国際的にも有名な4つの会計事務所(PwC、Deloitte、 E&Y、KPMG)と提携している税理士法人です。顧客も上場企業や外資系企業など大きな会社がほとんどです。
B:大手税理士法人
国内ではトップクラスの税理士法人です。国際的な会計事務所との連携はないものの、上場企業から中小企業まで幅広い顧客をターゲットとしています。
C:中小税理士法人
複数人(2人以上)の税理士の先生とスタッフ数名で成り立っている組織です。2001年~税理士法の改正により、法人化することができるようになりました。そのため、個人の事務所から法人化する事務所も増えました。
D:個人の事務所
税理士の先生1人とスタッフ数名で成り立っている組織です。税理士組織の9割はこの形態です。
費用相場はA→Dの順に、高価格→低価格です。報酬は事務所ごとに決まるため、全てに当てはまる傾向ではありませんが、目安として覚えておきましょう。
規模とは別に、ある分野に特化した専門型の事務所もあります。専門で特化している分、費用は高くなることがあります。Dのような個人の事務所であっても、専門性が高い依頼内容を取り扱い、有名である場合、条件によって費用は大手と同等か、それ以上になることもあります。
税理士を比較して検討する
最後に、どのように税理士を見つけて比較・検討するかその方法を3STEPでご説明します。
STEP1:依頼内容を決める
一定の条件で比較検討するためにも、依頼内容をある程度決めておく必要があります。
税理士に依頼できることは、主に次の内容です。
個人向け① | 相続の手続き |
個人向け② | 贈与(寄付)の手続き |
個人向け③ | 確定申告の手続き |
個人事業主向け① |
創業支援(資金繰り・融資・補助金・助成金)の手続き |
個人事業主向け② | 確定申告の作成・記帳代行・税務関係書類の手続き |
個人事業主向け③ | 会社設立・法人成(法人化)の手続き |
法人向け① | 相続・事業承継の手続き |
法人向け② |
決算書の作成・記帳代行・税務調査の手続き |
法人向け③ | 資金繰り・融資・補助金・助成金の手続き |
依頼できることについては、後の「税理士にはなにができる?何を頼める?」で詳しく説明しています。
STEP2:候補の税理士を見つける
税理士候補を見つける方法はいくつかあります。自分にあった税理士に出会うために、いろいろな方法を試してみましょう。
- 紹介
もっともよくある税理士の探し方であり、選び方です。
身近に経営者の方や、相続のご経験がある方など探して、相談すると、紹介してもらえます。紹介は信頼できる仲介役を通すことで、安心して信用できるメリットがある一方で、相性が合わなくても、紹介してもらった手前断りにくいというデメリットがあります。
もし断っても角が立たない上に、信頼できる仲介役をお探しなら、株式会社SoLaboにご相談ください。あなたの依頼内容にあった税理士をご紹介できます(相談先のリンク:現時点では未定)
- 検索
紹介してもらうのは難しいなら、インターネットで検索するのがおすすめです。
お住まいの地域名と一緒に税理士というキーワードで「東京都 税理士」のように検索したり、依頼内容などで「事業承継 税理士」、「相続 税理士」、「税務調査 税理士」のように検索したりしてみましょう。STEP1で決めた依頼内容で検索してみてください。
GoogleMAPなどのオンライン地図から、お住まいの地域に限定した検索もおすすめです。
インターネットでの検索は、幅広い候補者の情報から自分にあった軸で絞り込むことができるメリットがある一方、webサイトによっては情報の客観性が低かったり、内容が古かったり、誤っていたりするデメリットがあります。なお、インターネットが苦手な方は、必要な情報を探し出すという本来の意味で「検索」を、電話帳や税理士会名簿などでするのもおすすめです。
- 税理士紹介サイトに依頼する
税理士紹介サイトは数多くありますが、登録すると自分にあった税理士を紹介してもらえるのが一般的な仕組みです。税理士を紹介するプロの視点で依頼内容に沿った税理士を紹介してもらえるメリットがある一方、紹介側に仲介役としてのノウハウがないと、インターネット検索とさほど精度が変わらないというデメリットがあります。
- 比較検討して税理士を決める
最後に比較・検討の方法です。候補者が出揃ったら、比較検討しましょう。「税理士の選び方:3つのポイント」でご説明した内容を簡単に表にしました。
A先生 | B先生 | C先生 | |
依頼内容 | 記帳代行 | 記帳代行 | 記帳代行 |
税務知識 | ◎ | ○ | ◎ |
業界経験 | あり | あり | なし |
費用 | 20,000円~ | 15,000円~ | 15,000円~ |
レスポンスの早さ | △ | ◎ | 〇 |
寄り添い | ◎ | ◎ | ◎ |
その他 | web相談可・相談無料 | 相談無料 | 相談無料 |
このように、何か同じ基準で比較するとスムーズに選ぶことができるでしょう。
税理士には何ができる?何を頼める?
税理士に依頼できることは、顧客の属性によって変わります。
個人向け、個人事業主向け、法人向けでできることをそれぞれ見ていきましょう。
個人向け①相続の手続き
個人向けの手続きの代表として「相続の手続き」があります。
相続の相談は主に次のケースに分かれます。
- 生前から準備を整えるために相談するケース
- 相続が発生し手続きが必要になった段階で相談するケース
生前の準備には、生前贈与を検討したり、生命保険を利用して非課税枠での財産に変更したりと、節税のための相談ができます。
相続が発生した場合は、10か月以内に申告しなければなりません。相続手続きは弁護士や行政書士にも依頼できますが、「相続税」に関する話は税理士しかできません。相続の話が出た段階で早めに相談することをおすすめします。
個人向け②贈与の手続き
個人向けの相談には贈与の手続きに関することもよくあります。贈与とは、個人から個人にお金などを無償でもらうことです(※)。税務署に、受け取った個人(贈与を受けた人)が申告します。
贈与で不動産や株式を受ける場合は、財産評価が必要で高い専門知識がないと失敗する可能性があります。
また、贈与税は相続税と一緒に考えなければいけないケースも多いため、贈与税と相続税と二重に税金がかからないよう、生前贈与と相続に強い税理士に相談することをおすすめします。
※(参考)法人から個人への贈与:法人からお金や金品などを無償でもらった場合は「所得」で「贈与」として扱われません。贈与税ではなく、所得税で扱いが違います
関連:寄付の扱い
寄付とは、個人が公益のため団体へお金などをあげることで、贈与にはあたりません。
公益性の高い事業をする認定NPO法人などに寄付した場合、贈与税はかからず、寄付した金額が控除され、節税になります。ただし、寄付と認められる範囲は狭いので、
節税目的での寄付を考えるなら、寄付先の団体や寄付の金額などを含めて、寄付する前に税理士に相談するのがおすすめです。
個人向け③確定申告の手続き
事業経営をしていない個人の方が確定申告しなければならないケースは、いくつかあります。
- 住宅ローン減税を申請するケース
- ふるさと納税をするケース
- 医療控除を受けるケース
- 副業などで、収入が48万円以上あるケース
- 給与の年間収入金額が2,000万円を超えるケース
- ビットコインをはじめとする暗号資産の売却で得た収入が20万円を超えるケース など
確定申告手続きは大変なため、手間を減らす目的で、税理士に頼むのも一つの手でしょう。
個人事業主向け①創業支援(資金繰り・融資・補助金・助成金)の手続き
個人事業主向けには、創業支援の手続きがよくあります。創業には資金の理解が重要になるので、税理士は資金面でのサポーターとして動きます。
資金繰りとは、会社のお金がなくなり事業が止まらないように支出と収入を管理して調整することです。資金がないと事業が回らなくなってしまうため、資金繰りを見ながら、収入を増やす施策として、融資・補助金・助成金を活用します。
税理士に「記帳代行」という業務を依頼することで、事業で入ってくるお金や出ていくお金を正確に見えるようにすることもできます。
資金を集める代表的な方法には融資・補助金・助成金があります。
融資とは、金融機関からのお金を借りることです。個人で使う借金と違い、事業目的の融資では計画性と成長根拠を示す必要があります。
計画や事業主の状況により、融資の角度は変わるため、専門家に相談することをおすすめします。
補助金とは、主に国や自治体の目指す姿に合わせて、さまざまな分野で募集されています。審査の上、事業者の取り組みに必要な資金の一部を給付するというものです。
期限があったり、高額のものは審査も厳しかったりします。
助成金とは、主に厚生労働省が雇用増加や人材育成などのために実施しているものです。
補助金と違い、要件に当てはまれば審査なくもらえます。要件が細かいものもあり、手続きも大変です。
どれも専門家に相談した方が、成功率が上がるため、個人事業主は税理士をサポーターにして取り組むのです。
個人事業主向け②確定申告の作成・記帳代行・税務関係書類の手続き
個人事業主は、毎年確定申告をし、納税する必要があります。
特に青色申告には複式簿記が必要で、会計知識がないと難しい作業です。
個人事業主の確定申告関連、で税理士に代行を依頼できることは次の通りです。全てを依頼することもできますし、部分的に依頼することもできます。税理士によって値付けの仕方も違うため、まずは相談してみましょう。
記帳代行:事業で入ってくるお金や出ていくお金を見えるようにする、領収書や通帳を税理士に預け、確定申告の手前の処理を終わらせることができる。
確定申告書類の作成:自分で申請することももちろんできますが、正確に計算しなければ、追加で税金を支払わなければならないケースや、実際に納めなければならない税金よりも多く支払ってしまうケースもある。
税務代理:確定申告を作成後に申請の代行を依頼できる。
個人事業主向け③会社設立・法人成(法人化)の手続き
売上が大きくなると法人になることを考える個人事業主の方もいます。
個人事業主から法人にすることを「法人成(ほうじんなり)」(法人化)と言います。
法人について、メリット・デメリットなどは次の記事を参考にしてください。
(法人とはhttps://jfc-guide.com/establish-company/19683/)
法人のメリットとして経費に使える項目が増えたり、役員報酬(事業主の給与)を経費で落とせたりと、節税できます。反対に、赤字でも法人税はかかるため、節税にならないケースもあります。経営状況によってメリット・デメリットになる場合があるため、手続きの前に税理士に相談することをおすすめします。
法人成での登記等の手続きは行政書士が行いますが、税理士が行政書士と提携している場合は、ワンストップで税理士に依頼できます。
法人向け①相続・事業承継の手続き
法人向けの手続きには、相続・事業承継の手続きです。
全ての法人が、事業に必要な資産やお金を、法人名義になっているわけではありません。中小企業であれが経営者個人の相続が、法人としての事業存続に大きく影響するケースもあります。
事業経営を後継者に引き継ぐ「事業承継」に関わる税金には、相続税・贈与税・譲渡に関わる税など多数の税法に関係するため、極めて専門性が高く、事業承継の実績のある税理士に相談する必要があるでしょう。
相続税・贈与税は、資産を受け取ったことに対する税金です。例えば、株や土地などを受け取る人が払う税金です。
相続税は受け取った日の翌日から10か月以内に税金を納める必要があります。
贈与税は1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与を計算して納税します。
譲渡に関わる税は、譲渡で得た所得に対する税金です。株式や不動産などの資産を売却することで得たお金に対して払う税金です。
法人向け②決算書の作成・記帳代行・税務調査の手続き
法人向けの決算書の作成・記帳代行・税務調査の手続きも、よくあります。
法人も、事業に使ったお金や、事業で得たお金を1年に1度集計し、報告・納税しなければなりません。また、間違いなく納税手続きができているか確認する「税務調査」がある場合、対応必須です。この手続きを税理士に依頼できます。
決算書とは、法人の経営内容を報告する書類です。
決算の時期は法人によって違いますが、年に一度のタイミングで集計し、決算書として報告します。
決算書の内容によって納税額が決まります。また、決算書は法人の成績表にも似た性質のため、納税だけでなく、融資にも関係します。成績がよい法人には金融機関側も融資するため、資金繰りしやすくなります。
納税・融資などの予定や状況に合わせ、決算書のまとめ方を考える必要があるため、経営の方針を踏まえて相談できる税理士がいると心強いのです。
また、決算書を作成する前段階の記帳代行も税理士に依頼できます。
法人は個人事業主よりも多くの取引がある場合が多いため、事業でやりとりしたお金の記帳に労力がかかるケースが多いです。経営に集中するために、労力のかかる集計業務を外注するケースもあります。
きちんと申告通りに経営をしているかどうかを税務署が調査する「税務調査」の対策も、税理士に依頼できます。例えば、雇用している従業員の人数、設備などに間違いがないかを確認されます。
税務調査では、事前に税務署からアポイントの電話が来ます。アポイントの電話から実際の訪問日までの期間が短く、準備する時間は少ないため、税務調査の依頼が来たときに間違いのない対応をするには、普段から税理士と密に連携できる体制を整えておくことをおすすめします。
法人向け③資金繰り・融資・補助金・助成金の手続き
法人向けの資金繰り・融資・補助金・助成金の手続きも、よくあります。
*資金繰り・融資・補助金・助成金の説明は「個人事業主向け①創業支援(資金繰り・融資・補助金・助成金)の手続き」をご確認ください。
法人においても資金繰りを正しく把握することは重要です。
なお、法人と個人事業主では、利用できる補助金や助成金も違うため、法人の補助金や助成金手続きに強い税理士に相談しましょう。
まとめ
よい税理士を選ぶ3つのポイント、自分にあった税理士を選ぶコツ、税理士に頼める仕事について個人向け・個人事業主向け・法人向けでケース別にわかりやすく解説しました。
税理士に依頼できる内容は多くありますが、どこまで自分で行い、どこを任せるのかを事前に考える必要があります。
依頼内容を決めた上で、依頼内容や事業内容への専門性のある税理士を選びましょう。
選ぶ際は、長い付き合いができるよう専門性だけでなく相性のよさも確認してみてください。
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